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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第5章「公安」編

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第118話「偶然」

「……ついたわ。ここよ」


大阪府高槻市。ベッドタウンの一角にそれはあった。


「ここが大阪の魔法少女の寮?」


一見すると、何の変哲もない独身向けのマンション。強いて言えば隣が保育園のようで日当たりは良さそうな感じがする。


「隣の元・保育所が大阪支部よ」


東京しか知らないボクには衝撃だった。


「あ!イトコ!おかえり!」


10歳ぐらいの女の子が買い物帰りらしくスーパーのレジ袋を下げているところに出くわす。


「……ハルちゃん。ただいま」

「日本は本当に牛乳が高いね!」


見た目は10歳に見えるが、ゆりあ大臣をはじめ『魔法の代償』で大きくなれない者も存在する。


「…紹介するわ。東京の椎葉ユウさんよ。こっちはルマニア共和国からの魔法少女留学生、スワトーリ=ハルちゃん」

「辻村ハルでいいよ。お母さんが日本人だし。よろしくネ。ユウ!」


ハルちゃんはニカッ笑う。ルマニア共和国は確か東南アジアの国だったと思う。ショートカットにジャンパースカート。少しだけ褐色が強いのもうなづける。


「……それとハルちゃん。暗くなって1人で買い物はダメよ。あなたは9歳で1人で暮らしているのは日本でも不自然なの」


見た目と年齢が一緒だった。


「ハルちゃん。卵を2個貸して。本来なら戻るつもりはなかったの」


♦︎♦︎♦︎


「おお!貝焼き味噌に筋子……それに豚汁に見えて実はせんべい汁!」


アタシの作る料理にユウちゃんが目を輝かせる。


「……さくらさんと幼馴染なら、ユウちゃんも青森出身でしょ?」

「そうか。伊都子さんって恐山の本物のイタコだっけ?」

「……正確には、その娘。よ」


1DKのアタシの部屋で夕食を2人で食べる。東京の寮は食堂制らしいがアタシは行った事がない。


さっきまで郷土料理にワクワクしていたユウちゃんが沈んでいる。さくらさんの名前を出したせいだろう。


誰にでも触れたくない話題はある。ユウちゃんにとってはそれがさくらさんで、ハルちゃんにとっては本当は19歳である事。アタシにとっては家族の事だ。


必然的に話題は事件の事になる。

共通の知人がさくらさんで、生い立ちを話せば家族の話になる。消去法でそこになった。


「……『偶然』にしては出来すぎじゃない?」

「意図してこの事件が『入れられた』可能性はある」


そこでユウちゃんはせんべい汁を啜る。


「でも、素直に聞いて答えると思う?あの田中管理官が?」


確かにと思う。あの田中奈津美という管理官は心理が読めなかった。だからアタシと同じ『精神感応』系である可能性が高い。


「……ユウちゃんの推察が確かなら、明日には『本命』の事件が聞けるわね」


アタシの問いかけに、筋子をご飯に乗せていたユウちゃんの手が止まる。


「一応、他2件も解いておこう」

「……ここで調べられるの?」

「簡単な方はね」


そう言って夜は更けていった。

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