表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/349

第六十九話 ヴァルカン1人。

カオルが・・・・いない。


朝、カオルがグローリエルと共に魔術学院へ向かうことになり、かねてより相談していた私とエリーとエルミアの3人で訓練をするため別行動をした。


それは力を付ける為だ。


カオルは、今まで通常では考えられない程の高位の魔物と戦ってきた。


ドラゴンゴーレムや中級のドラゴン、そして・・・オルトロス。


私だってカムーン国の騎士だ。


いままでに多くの魔物と対峙してきたつもりだ。


だが、ドラゴンゴーレムやオルトロスなんて見たことも、まして戦った事なんてなかった。


伝承や伝説の生き物とさえ思っていた。


それを、半年もしない間に立て続けにカオルは退治したのだ。


ありえないなんてことはありえない。


カオルは、この先も多くの魔物と戦う運命にあるのだろう。


そこで、エリーとエルミアと相談して私達でカオルを守ろうと誓ったのだ。


そんな矢先、カオルを魔術学院に迎えに行ってあの事故が起きた。


初めは何が起きたのかわからなかった。


カオルが手にしていた本が突然光出したかと思ったら、カオルの姿が消えていた。


カオルがいた場所には1冊の黒い本。


それだけを残していなくなってしまった。


いったい何がどうなっているのか・・・・


私にはわからない。


今は、皇帝陛下にお願いして、あの黒い本について調べて貰っている。


正直、私自身で調べたいが畑違い過ぎてどうすることもできない。


エルミアとエリーは「もしかしたら教会で調べれば何かわかるかもしれない」と言い、今朝カルアのもとへ旅立った。


私はどうしたらいい?


何も出来ないことが歯がゆい。


今出来る事と言えば、こうしてカオルが残した黒い本に寄り添う事だけ・・・


なぁ・・・カオル?


君は今どこにいるんだい?


私はここにいるよ・・・


はやく、愛らしい笑顔を見せておくれ・・・・


私は・・・・カオルがいないと・・・・ダメなんだよ・・・・・


ヴァルカンは黒い本を抱き締め、1人涙した。


ご意見・ご想などいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ