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時を越えて  作者: 槻乃
2/9

町の中にて

とりあえず最初に町の中を案内することになった。

ついでに、未来の服は目立つので着物は着替えさせた。

もともと、次の仕事を探しにも行かなくてはならなかったしいいだろう。

「まるでテレビの時代劇の中じゃん・・・」

意味がわからない。さっきから不思議な言葉を連発していた。

そして、蓮夜は

「夢じゃないんだ・・」

頬を引っ張りながら言っていた。よほど信じられないらしい。

「なあ、それって本物?」

町を歩く中、腰のあたりを指さしながら言った。

「刀か?本物だぞ」

「危ないなあ」

「丸腰の方が危ないだろ?」

「・・・そうだよなー、そういう時代だよなー」

「なんだ、未来は皆、鉄砲か?ぴすとるか?」

「ねえよ。ったく」

呆れたように言われた。

「だったら、どうやって身を守る!?」

「未来はなー、殺し合いなんてないんだよ。まあ・・殺人事件とかはあるけど・・」

「斬り合いはない・・ということでいいのか?」

「ああ」

未来は平和な世の中になっているのだろうと思いをはせていると、遠くから数人の男たちがこっちをみて声をあげた

「いたぞ!!!」

「見つけた!!」

「何あれ。こっちに向かってくる気がするんだけど」

「私を狙っているのだ。逃げるぞ!」

「ん!?」

思わず手をひっぱり、反対側に逃げた。

「おい、佑之進!?」

「いいから走れ!」

意外と蓮夜の足は速く、うまく逃げ切ることができた。

「はあ、はあ、はあ・・・ここまで来たら大丈夫だ」

「ああ・・何だあいつら・・」

「私を探しておるのだ。すまん、まきこんで」

「それはいいけど・・何?追われてんの?」

目を丸くして聞いてきた。

「面倒事に巻き込まれてな。大丈夫だ。しばらくは来ないだろう」

「そうなのか?」

「ああ、あやつらも巡回の流れを止めるわけにはいかぬ、半刻もすればこの町からいなくなる」

「そっか」

そして、休憩と昼食のために飯屋に入ることにした。

「しかし、お前は足速いな」

「これでも学校で1番速いんだぜ」

「学校・・?」

聞いたことがある。

「この時代なら・・寺子屋?」

「字の読み書きができるのか?」

「それはもちろん」

「いいとこの跡取りとかなのか?」

もちろんそこだけが読み書きできるわけではないけれど。

「いーや、一般家庭」

そして未来の教育について話を聞かされた。

「佑之進もしかして字読めないのか?」

「いや・・読み書きできるが・・そうか・・10年も勉強を・・・」

「義務教育だしなー。それに俺は大学行くつもりだからあと5年は学校に通うよ」

「22歳・・?」

「うん」

未来と今の差を思い知らされる。

「蓮夜は未来から来たと言ったな」

「そうだよ」

「過去、この時世のことを知っておるのか?」

「多少は知識はあるよ」

「・・・」

「授業で習うんだ。俺日本史取ってるし」

「にほんし・・・?」

「この国、日本の歴史」

「なるほど・・」

「関ヶ原の戦いとか、本能寺の事件とか・・。これはもう過去の話だろ?」

「・・・・そうだな」

ということは未来のことも知っているのか。

「これから日本はどうなる?」

「まー・・ん・・言わない方がいいかも」

「何!?」

「だって、これで未来変わっちゃったらどうすんだよ」

「・・・そうだな」

未来を変えるわけにはいかないのか?

「でも、少なくとも俺の生まれた時代は戦もないし、戦争もないし、平和だ」

「そうなのか・・。その・・身分は?」

「ない。とはいいきれないかもしれないけど、気にするもんじゃない。家業を継がなくてはいけないということもないし、自分のしたいことをできる自由な時代だ」

「なんと!では・・・」

「何?」

「・・・その・・」

「なんだよ」

「・・・何でもない」

「?」

聞きたいことがあった。蓮夜の言葉が本当ならば、それは自分の願いをかなえられると思えることだった。

「それよりさー、巻き込まれてるって何に?」

ある程度話を終えて、蓮夜が先ほどの男たちのことについて聞いた。

「通り魔」

「はあ?」

「通り魔の犯人にされそうなんだ」

「何で?」

「最近越してきたからだ。それまで他の土地にいたし、よそ者は怪しいってことなのだろ」

そのせいで、毎日のように追いかけられている。

「佑之進君はちがうのにねー」

お茶のお代わりをつぐために、店主の女房イツがでてきた。

「そうなんですよ」

「・・味方?」

「味方もなにも、この町のほとんどの人は佑之進君が通り魔なんて思ってないわ」

豪快にイツさんは笑った。

「で、このこはお友達かい、見かけない顔だねー」

蓮夜の顔を見た。

「ええ、そんなところです」

「そうかいそうかい、ま、ひいきにしてくれよ」

そしてイツさんは真剣な顔に急になった。

「また、通り魔出たらしいよ」

「え?」

「昨日の夜だ。気を付けなよ」

「はい」

イツさんはそれだけ言うと奥に入って行った。

「通り魔か、物騒だな」

「それの犯人にされたらたまったもんじゃないぞ」

「それもそうだ」

休憩も終わると再び町に繰り出した。

「そんなに珍しいか?」

きょろきょろとする隣の男をみた。

「うん・・すげーよ・・」

牛車がいたときは、かなりのはしゃぎようだった。

「牛!馬!町!」

「・・・おーい・・」

「やべえな、まじ時代劇」

楽しそうだから放っておこう。

「ちょっと寄っていいか?」

「あ、どーぞ」

寄ったのは仕事の紹介所。基本的に用心棒で生計を立てている。

「おう、佑之進、いい仕事あるよ」

「本当ですか?」

よかった、仕事はあったようだ。

「通り魔の捕獲。これで、やつらのはなをあかしてやれ」

楽しそうに紹介人は言った。

「いいじゃん、やれば?」

「蓮夜!」

「おれも協力するからさ」

・・・なぜ、こいつはこんなに楽しそうなのだろう。

「それに、この町を案内してくれたお礼」

「そうか」

結局私はその仕事をすることにした。

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