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「ルカ様の護衛隊と言われるなんて、鍛錬してきた甲斐があります」


 ニーティルが代表して喜びを伝える。


「もう! 紫薔薇蕾会もルカ様親衛隊ですわ」


 紫薔薇蕾会の主な活動場所は図書室で、時々会議室を借りて討論会を行う女子生徒の頭脳グループだ。


「スージーヌ様。紫会は助力会でしょう? 王城勤務を目指し、未来の王妃たるルカ様のお手助けをなさるおつもりでしたのでしょう?」


「ニーティル様。それは最終目標ですわ。現在はルカ様ファンですのよ。うふふ」


 スージーヌは紫薔薇蕾会の前会長である。


「白薔薇蕾会はもちろんルカ親衛隊ですわ。ルカも頻繁にマナーや社交の指導をしてくださいました。

ビード・マッケイ侯爵子息様。白会メンバーのマナーをご覧になりますか?」


 暗に白薔薇蕾会のメンバーでもビードより上だと言っている。


 青薔薇蕾会、白薔薇蕾会、紅薔薇蕾会、紫薔薇蕾会。すべての会員を合わせると女子生徒の七割を占める。青会以外は誰でも入会可能で、会を重複することも可能。しかし、努力しない者はすぐに退会させられる。


 ルカナーテは青薔薇蕾会の前会長である。青薔薇蕾会の会長はそれらすべてを掌握している。


 が、ルカナーテは親衛隊、護衛隊、助力会であることは知らなかった。なぜなら陰からルカナーテを見守って萌える会であったからだ。


 ちなみに、四人が『前』会長であるのは今回の卒業生だからである。


「さあ、パーシット様。どうぞ」


 スージーヌが手帳を開いた。パーシットも自分の手帳に目を落とす。


「きょ、去年の二月十日の朝……」


「その日は王城の文官様と紫会との討論会でしたわ。ルカ様は紫会の代表メンバーの一人として王城の会議室へご自宅から直接赴かれております。そして、一日中王城で過ごしておりますわね」


 スージーヌももちろん代表メンバーとして同行している。


「今年の七月二十九日の昼休み!」


「その日は紅会の視察に行かれております」


「ルカ様は紅会視察の際は授業が終わり次第紅会メンバーの練習をご覧になり、その後鍛錬場脇の控室で紅会メンバーと食事を共にしてくださいます。紅会メンバーは競ってルカ様の護衛をするので、ルカ様がお一人になることはありえません」


 ニーティルがきっぱりと告げる。


「今年の十月二十日はっ!?」


「白会の検定日です」


「白会では定期的に検定を行い、青会への足掛かりにしておりますの。検定には青会会長であるルカは当然審査及び指導のためいらしてくださいますわ」


 イェリアが微笑んでから真顔になる。


「そもそも、ルカは一人になりません。なれません。王子殿下の婚約者ですわよ? わたくしたちはルカを守るようにと各家から命を受けております。おそらく、その命の元主は……」


 皆がメイセットに視線を向ける。メイセットは肩を揺らした。

 皆は『王家からの依頼だろう?!』と目で訴えている。


「命がなくとも、ルカの側にいたいと思う者は多いので、ルカには申し訳ないですけれど、一人にはなれませんわね」


「え!? でも、図書室でもゆっくり読書もできましたわ」 


 ルカナーテが目をぱちぱちさせる。


「紫会は必ず誰かしら図書室におります」


 スージーヌが優しく笑う。


「中庭のベンチで微睡みもしたわ」


「紅会が陰におりますわ。ルカ様が目を閉じて空をお向きになっていらっしゃるお姿は紅会の特権です!」


 ニーティルが小さくガッツポーズをする。


「白会メンバーは子爵令嬢男爵令嬢も多いですから学園内どこかしらにはいます」


 イェリアは真顔のままメイセットたちを睨んでいる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 安易に王家の影とか出てこない点。 この娘たちがファンを隠れ蓑にしてる影だというなら問題ないですが、 衆人環視で影名乗り出るのは駄目ですよね [一言] これぞ王族(の婚約者)、プライベートな…
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