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第11話 赤い瞳

「マジで持ってきたのかよオメェは…馬鹿か」


 クルトが呆れた顔で暗黒魔法書を手に取る。ツヨシはあはは…と苦笑いをする。


「んで…どうするんだよクルトさん」


「こいつは一旦お前が隠し持ってろ。ここに奴の下っ端が来て持ってかれたら困るからよ…」


  とりあえず俺は自分の部屋に置いてある学校用のカバンの中に暗黒魔法書を入れる。分厚い本な為一気に重くなる。


「ってか…なんでお前がこの事を知ってるんだよ。奴らと関わりがあるのか?」


「細けぇ話は後だ…いいか?お前はこの本を持ってこの街から出ろ。それが一番安全だ」


 俺はムッとした顔でクルトを見つめる。当たり前だ。突然この街から出ろと言われても行く宛がないし、エリーナ達に黙って行くのもあり得ない。そもそも彼女達は今必死に戦っているはずだ。


「あのなぁ…俺が簡単にここから出るだろうと思うなよ」


 少し荒い口調でクルトに向かって話す。


「ちっ…てめぇはよ…」


 グッ‼︎

   クルトは怒りを露わにしながらツヨシの胸ぐらを強く掴む。さっきからクルトはイライラしていたが、今奴の顔を見ると鬼ような顔をしていた。


「お前さっきからなんだよ。ずっとイライラしててよ! 俺はお前が大っ嫌いだ!!」


 クルトに向けて反抗する。


「あーはいはい。じゃあ勝手にすればいいさ。どーなっても知らんからな。だがこれだけはテメェに言いたい。その暗黒魔法書は絶対に奪われるな」


 クルトはめんどくさそうな対応で冷静に話す。正直逆ギレして突っかかって来るかと思ったが…以外な対応だ。


 正直…こいつはめんどくさい奴だ。初めて会った時から悪い印象しかなかった。だが今回ので印象は変わった…こいつには何か知っているはずだ。俺がなんでお前が知っているんだと言っも細けぇ話は後だと言い回している。最期まで話すつもりは無さそうだ。だが、こいつはクーシ教の何かを知っている。


 そもそも暗黒魔法書は何で危険なのか…それはよくわからない。俺は元々ここの世界の人間ではないし、ここの歴史もイマイチ分かっていない。だが、さっきのマクソランスの対応を見るとやばいものである事は分かった。


「じゃあ…俺はエリーナ達を探して来るから」


「ふん…どうなっても俺は助けんからな」


 俺はそのままエーゲルド邸を出てもう一度アルミネラ魔法学校へと向かっていった。


 普通の人間なら既に体力が尽きていると思うが…俺は体力お化けだ。自分で自画自賛するのは正直言って痛い奴かもしれない。だがそれくらい俺には体力の自信がある。


「待ってろ!皆!今このツヨシ様が向かうぜ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ドォン!!ドォン!!


 マクソランスが放つダークファイヤーボールは周りの壁を破壊する。ゲルク達さん3人は図書室から離れ廊下を走って校門に向かう。


 ダークファイヤーボールは当たるとダメージを受けるだけではなく、心臓に重い負担をかける効果がある。


 マクソランスは只者ではない。世界でもかなり悪名が高い暗黒魔導士。彼と戦って死んだものは何千万人もいるのだ。


「はっはっは!君たち逃げるのかね?いつまでも逃げ切れるとでも思ってるのか?」


 マクソランスは大笑いしながらダークファイヤーボールを連続で放っている。


 もちろん本気は出していない。マクソランスにとってゲルク達は容易い相手である。


「ちょっと!あんたなんで逃げようと言うのよ!強がって戦う素振り見せてたじゃん!!」


「だってあいつ思ったよりやばそうじゃねぇか!!絶対に負ける!!死にたくねぇーー!!」


「私でもあいつは危険だと感じた。私も命を大切にだ!!」


「もーーーー2人とも何なのよ!!」


 ゲルク達3人は全力で廊下を走って逃げる。マクソランスのダークファイヤーボールはスピードが非常に速い。だが、運が良いのかうまく当たらないように逃げ切れているようだ。


「階段降りるぞ!!」


「はぁ…はぁ…2人とも早いって…」


「お、お前…体力そんなにねぇのかよ⁉︎ もういい! 俺の背中に掴まれ!!」


「う…うう〜」


 エリーナがゲルクの背中に掴まる。エリーナは少し恥ずかしそうだったが今はそん事いちいち考えてる暇はない。とにかく逃げ切る事だ。


「はっはっは!!逃げ足だけはすごいガキどもだ。だが、私からマークが外れると思うなよ!」


 マクソランスはゲルク達を追いかける。だが、マクソランスには唯一の弱点がある。それは足が非常に遅いのだ。スタミナはあるがスピードがない。長い間、魔法ばっかり使ってきた彼はどうやらかなり身体能力が落ちているようだ。


「ってか…あいつ遅くね?逃げ切れるぞ」


「思ったより遅くて助かりましたね。魔法は強力ですけど…身体能力はハナクソね」


「ノアさん…さらっと汚い言葉呟きましたね?」


「えっ…何が悪いんですか?」


「………おう」


 ああ…あれだ…ストレートに言うタイプの人か…まぁ…いいや…


 ゲルク達はそのまま階段を降り左を曲がって外に出る。校門の前にはツヨシが立っていた。


「待たせたなお前ら!!ここは俺が奴に再勝負を挑む!!」


「走れーーー!!」


「えっ⁇」


 ゲルク達はそのままツヨシの横を通り過ぎて入って行った。


「…ってお前らちょっ!!待てよ!!」


 ツヨシは校門を抜けて走っていくゲルク達に着いていく。ツヨシは状況が追いついていない状態だった。


「おい!!ゲルク!誰から逃げてんだよ!」


 荒い声を上げながらゲルクに質問を投げる。ゲルクは逃げるのに全力集中しているのかツヨシが横にいることに気が付いていない状況だった。代わりにノアが答える。


 「マクソランスだよ。奴さ。あいつは足が遅いから私達には追いつけれないけど、魔法が強力で食らったらやばいから逃げてるのさ」


 「あいつはさっき空中に浮いてたぞ。多分俺たちに余裕で追いつくぞ」


「は?」


 ノアは予想外の事なのかキョトンとした顔をする。彼女は視線を空の方に見上げる。だが奴が追いついてきている様子はない。


 おそらくマクソランスが空中に浮く事を知らなかったのだろう。いやマクソランスの能力がこの世界にどれだけ広がっているのか俺には分からないから何とも言えないが…


「はっはっは!! 私から逃げ切れるとでも思ったか!!」


 後ろの方から空中で飛びながらマクソランスが近づいてきた。マクソランスの右手にはサッカーボールぐらいの大きさのダークファイヤーボールが三つ程あった。


「ほらね。やっぱり追いついたじゃん」


「な、何だよあの魔術師!!空飛べんのか!!」


 ノアは驚いている様子だった。冒険ギルドを沢山やってきた彼女にとっては空を問べる魔術師など初めて見る光景だ。


「ターゲットに集中して当てる…赤光眼!!」


「⁉︎」


 マクソランスはいきなり左目を赤く光らせノアにダークファイヤーボールで集中攻撃する。


 ノアに思いっきりダークファイヤーボールが当たる。ツヨシが味わったように体全身に痛みが走り走れなくなった。


「ぎやあぁぁぁっ!!」


「おい!ゲルク!止まれっておい!!」


「ああ⁉︎ 何だよ!ってマジかよ!何でお前が追いつくんだよ」


 ゲルクは今やっとマクソランスが追いついている事に気がつく。エリーナも今気づいたらしい。


「ノア大丈夫か⁉︎ 」


「あ…ああ…これくらいならまだマシだ。あいつ赤龍族だな。人間姿してるから気づかなかったけど」


 赤龍族…この世界にいる二大龍族の一つの魔族だ。彼らは人間と同じような姿だが…獲物に確実に命中させれる特殊能力…赤光眼を左目に持っている。


「暗黒魔導士で赤龍族とか…最悪な相手だ…そりゃ沢山の人間殺してるってわけだ…」


 ツヨシがそう呟く。ツヨシ自身…赤龍族がいる事は知っていた。この世界の歴史書で何度か赤龍族の話は読んでいる。


「おめぇ…赤龍族だったのか…」


「ええ…そうとも…私は赤龍族さ」


「一つ聞くけどよ…お前のせいで赤龍族の評判が下がってるんじゃねぇのか?マクソランスさんよ」


 ツヨシが強気の発言でマクソランスに問い掛ける。マクソランスはそれを聞いてふっ…と少し微笑みながら次のように語る。


「評判? そんなのどうでもいい。俺は赤龍族だが、他の奴らは同じ同胞として見てない。興味ないしどうでもいい。それに俺が赤龍族って事に気づいた奴はほとんどいないしな。そこは安心したまえ。そーいえばいいままでに赤龍族でも何百人と殺したな。へへへ思い出した。思い出した」


「同じ種族を容赦なく殺す。そして多くの罪のない人の命を奪う。てめぇ…ぜってぇ許せねぇよ!!」


 ゲルクが顔を真っ赤にしながら怒る。ゲルクは魔族ではないがユグラシア帝国の故郷の仲間のことを考えると同時に仲間を大切にしないマクソランス怒りが込み上げてくる。


「おやおや何でそんなに怒るんだい?同胞などどうでもいいのさ。俺は目的を達成するためなら民族問わず何千何万人も殺すと言ったじゃないか…」


「ふざけんな!!粉々に燃えて消えろ!!エルグランドファイヤー!!」


 ゲルクは声を荒げながらマクソランスに攻撃する。


「ゲ…ゲルク危ないっ!!」


「え?」


 ズドーン!!ゲルクの背後からダークファイヤボールが当たる。マクソランスは既にゲルクが攻撃する直前から準備して隠しておいてたのだ。


 もちろんマクソランスが持つ赤光眼は狙ったターゲットを決して逃さない特性がある。まさにチートだ。


「ぐああああっ!!がはっ!!」


 ゲルクは地面に倒れた。さっきのノアに当てたダークファイヤーボールより強力だったらしい…


 周りを見渡すと戦闘不能2人、戦えるのは俺とエリーナだけだ。だが…2人では無理だ…どうすれば⁉︎


「おやおやあっさりとやられてしまいましたね。少しは期待したんですがね。まぁ…こんなものでしょう」


「う……」


 俺とエリーナは固まっている。もうどうすれば良いのか分からない。ああ…おしまいだ。


「それじゃさらばと行きましょうか。最後に言い残したい事はあるかね?」


「………」


「い…いや…いやぁぁぁぁぁぁっ!!ツヨシ!!何とかしてよ!!ツヨシ!!」


「ぐっ…もはやここまでか」


 ツヨシは魂が抜けたように呆然と立ったままだった。エリーナが助けを求めている声も入らないぐらいだった。


 体が上手く動かなくなってしまっているノアも死の覚悟を受け入れてるようだった。


「では…消えてなくなれ。古来より伝わる闇の力よ。今暗黒魔法を使用することを許可し、我が命じる!!デスグランドボール!!!」


 マクソランスはツヨシ達に向けてダークファイヤーボールより大きな球を投げつける。あのマクソランスが魔法詠唱を唱えなければ使えない魔法。それは強大な力であった。


「ったく…だからテメェは駄目なんだよ」


 どこからか聞き覚えのある声が聞こえた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回の投稿はまだ未定です。早ければ来週ぐらいになると思います。次からは文字数を大幅に増やすことを目標にします。引き続き応援よろしくお願いします。





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