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第9話 魔導士マクソランス

「ふぁ〜〜」


 ツヨシはベットから起き上がる。

 昨日はエリーナに追っかけ回されて全然眠れなかった…エーゲルトさんがいないとこうも大変になるとは…


 今日は日曜日、土曜日と同じ休日だ。だが…今日は日曜日ということもあり、図書館は入れない。今日、魔法を勉強するのはここエーゲルト屋敷だ。


「おはよ〜〜」


 とりあえずいつも通り朝食を食べる。日本から召喚されてたら朝食は贅沢になった。ホテルのご飯みたいな感じで……ただ恋しいのは日本の和食だ…ここの世界にはもちろんない。


「和食か…作ろうかな…」

「わしょく?なにそれ⁇」


 エリーナが不思議そうな顔で質問する。

 俺はこう見えても料理は意外にも得意だ。ここの世界に召喚される前は漁師をやっていた。昼飯と夜ご飯は自分の地域の近海で獲れた魚を主に料理をしていた。ここの世界にも一応、魚はいる。味は俺の世界と似た様なものだ。


「なぁ…ノア俺にも料理作らしてもらってもいいか?」

「へ?ツヨシがですか?」


 ノアは驚いた顔をする。俺が料理出来るというイメージがないのか…動揺する顔が分かりやすく見られる。


「ほら…俺の故郷の郷土料理って奴だ…お前らに食べさせてやりたくてさ…」


 とりあえず郷土料理と言っておいた。


「ツヨシの故郷の料理ですか…それは食べてみたいですね。じゃあ…今日の夜作ってくれませんか?」

「ああ…分かった。じゃあお願いがあるんだけど…新鮮な魚用意お願いする。市場で並んでいるあの黄色い魚よろしく」


 金目鯛の煮付けみたいな奴を作ろうと思っている。前一度黄色い魚が夜食で出たことがある。そいつは金目鯛に近い味だった。あの魚だったら…再現できるはずだ。


「黄金タイモという魚ですね。分かりました。でも…せっかくなので一緒に買いに行きませんか?」


 黄金タイモ⁉︎ なんじゃそら⁉︎ 面白い名前の魚がいるんだな…


「そうだな。勉強ばっかでもつまらないし…」

「わ、私も行く」


 エリーナが慌てて立ち上がる。


「あ、お前も行きたいのか……」


 エリーナがこうやって一緒に行きたいと言うことは今までなかったな。急にどうしたんだ?


「では3人で行きましょう!!」


 なんだろうか…今まで女の子と一緒に何処かへ行く経験を味わっていないから…なんか嬉しいな。それに二人とも美少女!!俺みたいな男が二人を連れて歩くことはいいことなのだろうか…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 場面は変わり……俺たちはこの街最大の市場に着いた。よくゲームとかで見る大きな市場って感じだ。


「うおおおおおお!!ゲーム感半端ねぇって!!」

「ゲ、ゲーム?」


 二人が声を揃えて言う。

 市場には野菜売り場、魚売り場、雑貨、武器屋とまぁ色々とある。


「お嬢ちゃんお嬢ちゃんもしかして貴族の家の子ですかな? こちらのペンダントはいらないかね?」


 歩いている途中…白い髭を生やした年老いたじいさんが話しかけてきた。どうやらペンダントなどアクセサリーを販売している店らしい。アクセサリーは民族ペンダントって感じだ。どこか遠いところから来たのだろう。


「一点物はないか?」


 ほら…あれだ…こういう宝石をペンダントにしている店ってなんか効果ありそうな物置いてそうだ。お小遣いらエーゲルトさんから貰っているから全然余裕で買えるぜ。


「ああ…一点物かい?ちょっと取ってくるわい」


 じいさんは奥の倉庫の方へと入っていった。しばらくすると…青く天の川のような宝石が入ったペンダントを持ってきた。


「綺麗だわね…」

「す、すげぇ…」


 宝石は何度か見たことがあるが…このような宝石は見たことがない。かなりレアな物であることには違いないだろう。


「これはなぁ…ワシが昔…スズミヤのとある洞窟で偶然見つけた宝石なんじゃ…それをこのペンダントに嵌め込んだのじゃ。どうじゃ⁇ 他の宝石にはない美しさから金貨40枚で売るのじゃが…」

「き、金貨40枚!?」


 そりゃ…そうだよな…希少な宝石だったらこの値段で売っててもおかしくない。だが…金貨40枚って…高すぎる!!


「はい!!金貨40枚!!」


 エリーナが金貨40枚を袋から出して置く。


「ふぉっふおっふぉっお毎度ありじゃ…」


 おいおいおいおい待て待て!!エリーナってそんなに金貨持っていたのかよ⁉︎ 確かにお嬢様だからお小遣いいっぱい貰っててもおかしくないけど!?


「はい、あんたこれ欲しかったんでしょ?」


 エリーナはじいさんから買ったペンダントをツヨシに渡した。


「え?いいのか?」

「これくらい別にいいわよ。大事に使いなさいよ」

「あ、ありがとう…」


 ツヨシはエリーナからペンダントを受け取り早速身につけた。青い天の川のような色の宝石の入ったペンダントは美しかった。


「ふぉっふぉっお主似合ってるのぅ。大事に使うのじゃぞ」


 俺たちはじいさんの店を後にした。そして目的の魚を目当てに魚市場へと向かう。


「おおーー!!鮮度がいい魚めちゃくちゃあるな!!」


 俺はまだこの国に来てから海を見たことがない。ここの街はおそらく海から離れているはずだが…鮮度の良い魚だらけだ。鮮度のいい理由は腐らないように冷凍される魔法でも使っているのだろう。


「あっ!ツヨシくん!ありましたよ!!」


 ノアが黄金タイモを見つける。

 黄金タイモは結構獲れないらしいので魚市場でもすぐに売り切れてしまうそうだ。また値段も意外に高く金貨2枚だそうだ。


「おおー!!あんたら!!エーゲルトの所の奴か! いつもはメイドさんが買いに来てくれるけど今日はあんたらも来たんだな!!」


 筋肉ムキムキの店長が話しかけてきた。魚市場のおっちゃんって感じだ。


「今日入荷した黄金タイモはいいぜぇ!!こいつはちょっとでかいから金貨3枚だ。他は2枚だ。


 おっと…値上げしてきた…まぁこんなにでかいなら金貨3枚でも安いな…お得だ。全部で10匹ぐらい買うか…


「んじゃ10匹買います。ノアいいよな?」

「構いませんよ。買いましょう」

「へい!!毎度あり!!」


 俺たちは店長から黄金タイモを買った。黄金タイモの煮付けが楽しみだぜ!!他にはタイモのあら汁でも作るか…


「よっしゃー!!今日の夜食は楽しみだぜ!!」

「ツヨシの料理の腕前楽しみね」

「メイドの私より作るのうまかったりしてね…」


 エリーナとノアが期待を寄せている。


「ん?なんだあいつら?白い服を着た集団は⁇」


 市場の路地に白い服を着た集団が立っているおそらく宗教団体か何かだろう…


「ツヨシ!!奴らよ!!」

「へ?」


 白い服を着た集団は突然魔法詠唱を唱えだす。一部の者は手にナイフを持ち始める。街の人々の顔は恐怖の顔に変わっていった。そう…奴らなのだ…クーシ教徒である。


「我々は神の声を聞きこの街を襲うことを決断した。今からお前たちこの街の住民を問答無用で全員排除する」


 白い服を着た集団は無差別に街の住民を攻撃し始める。別の場所からも爆発音らしき音が響いた。


「ツヨシ!!戦闘用意を…奴らを片付けるわよ!!」

「ああ!!」

「私も加勢します!!」


 俺は魔法で後陣で戦う。エリーナとノア前陣で戦う。その戦術でいこう。


「大地より秘めらし力よ。今ここに炎の力を解放し我が命じる。あの者を赤く輝く炎で焼き払え!! エルグランド•デスファイヤー!!!!!」

「サンダーブレード!!」

「はあああっ!!」


 一斉に攻撃する。白い服を着た集団は俺たちの攻撃により倒れていく。


「クズどもが!!」


 とりあえずここの市場にいるクーシ教徒たちは全員倒した。だがあちこちから悲鳴が響く。まだまだうじゃうじゃいるだろう。このままではこの街が壊滅してしまう。なんとかしなければ!!


「私は西の方に行きます。エリーナ様は東へ。ツヨシくんはアルミネラ魔法学校がある北へ向かってください。後で合流しましょう」

「ああ…そうだな…南は大丈夫なのか?」

「ゲルクさんがいますから。きっと戦ってくれてます」


 そうだ…ゲルクがいるんだった。あいつを信じる。大丈夫だ。戦ってるはず…南はあいつに任せた。よし!!アルミネラ魔法学校の周辺にいる奴らを片付けるぞ!!


「また、後で合流な!!無事でいろよ!!」

「あんたこそね!!」

「ええ!!」


 俺たちはそれぞれ分かれていった。向かうのはアルミネラ魔法学校。あっちの方面はこの町でも中心的な場所だから敵は多いだろう。でも何故今攻撃をしてきた?よく分からない。


「ったくなんでこんな幸せな日に攻撃仕掛けてくんだよ!!」


 街の様子はめちゃくちゃあちこちの建物が崩れていて炎が燃え上がっている。


「はあっ…はあっ…着いた…着いたぞ!!」


 周囲の状況は最悪だが…アルミネラ魔法学校はまだ無傷なようだ。さっき走っている時にアルミネラの学生達も戦っていた。だから大丈夫だ…この街は守れる。


「ははははっ!!君そこどいてくれるかな?」

「ん?」


 校門に入ろうとした途端、後ろから緑色の髪色をした青年が話しかけてくる。


「だ、誰だ!!お前は!!」

「君僕を見る目があるねぇ〜。その目は警戒心が強い証拠だ」

「な、何が言いたい!!」


 白い服を着たその男はニコニコ笑いながら話している。武器は何も持っていなさそうだ。それに強い感じが全くしない…


「君、ここの生徒だよね〜。一つ聞きたいことがあるんだ」

「な、なんだ!!」


 さっきからこいつは強そうな感じが全くない。クーシ教徒であるのは見て分かることだが…さっきまでのクーシ教徒奴らと違って何か不気味な物を感じる…


「暗黒魔法術という魔法書知らない?僕たちはそれが欲しいんだ」

「それを手に入れてどうするつもりだ」


 暗黒魔法術って…昨日俺が図書館で借りた本だよな…あれはやばそうな匂いがぷんぷんした魔法書だった。こいつら手に入れて何をするつもりなんだ!!


「さぁね。僕たちは美しいことをするだけさ。だから安心してくれ」

「お前達のやろうとしてることに安心できるか!! お前!! 何者だ!! 名を! 名を言え!!」

「さっきからぐちゃぐちゃうるさい奴だな。あ〜あ。気分悪くなったよ。いいよ教えてあげる。私はこの世界6大クーシ教暗黒魔術師の一人魔導士マクソランスだ!!」


 うん。どんなに凄いか分からない。だが…これだけは言える。さっきからこいつの強い気配が全くしなかったのはエーゲルトさんと同じ無意識の領域いることだ。魔導士でも無意識の領域はいけないことはない。だが、実際に魔導士は魔法を中心に操る者だ。こいつは魔導士なのに無意識の領域に達成している。


「お前をここから先へと通さない。俺は力ずくでもお前を止める」

「ははははひ!!カッコいいこというね。まぁいい。所詮貴様の魔力など私には到底及ばない。俺と戦えば己の無力さに後悔することになるだろう」


 確かにこいつと一対一で戦ったとしても勝てない。それは分かっている。だが…俺に今できることは時間を稼ぐことだ。誰か強い人が来るまで持ち堪えなければならない。


「さぁ!!どこからでも掛かってきなさい!!この私が相手をしてやろう!!」


 魔導士マクソランスは両手を上げて煽ってくる。


「なら!!くらえ!!大地より秘めらし力よ。今ここに炎の力を解放し我が命じる。あの者を赤く輝く炎で焼き払え!! エルグランド•デスファイヤー!!!!!」


 俺は得意の魔法で攻撃を仕掛けていった。


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