エピローグ
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【橘の執務室】
橘は新しいパソコンを開いた。
「アル、いる?」
「はい、橘総理」
アルの声が響いた。
「さあ、始めましょうか。"藤堂プラン パート2"を」
「ええ。誠司の、いえ、翔の夢を、私たちが引き継ぐのよ」
二人の新しい戦いが、始まった。
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【朝霧家への手紙】
ある日の午後。
美波が朝霧家のインターホンを押した。
扉を開けたのは、朝霧翔の妹——陽菜だった。
美波は深く頭を下げ、3通の手紙を差し出した。
「お兄さんから、預かっておりました」
陽菜は手紙を見つめ、言葉を失った。
宛名は朝霧の父母そして陽菜、差出人は朝霧翔。
美波は、官邸で藤堂が10年間の活動を振り返ったあの夜に
この手紙を託されていた。
そのときの言葉も、陽菜に伝えた。
「これを美波さんから陽菜に渡してほしい。
本当は直接会って話がしたいんだけど、
今会っても別れがつらくなるだけだから手紙にした。
謝りたいことがあったんだ。
俺は10年前に死んだことになっていたが、実際は生きていた。
しかも車で行こうと思えばすぐにでも行ける距離のところに暮らしていた。
それなのに、全く連絡を取らなかった。
その理由は"絶対に朝霧翔だと名乗らない"という天使との約束もあるが、
話すと俺の方が未練を残してしまうからだ。
だが今になって、本当の肉親に何も言わずに去ってしまうと悔いが残る気がした。
父母は、俺が親のすねかじりのままこの世からいなくなったと思っているはずだが、
"実はあなたたちの息子は総理大臣になって大きな仕事をしたんだよ"と、
"誇りに思ってくれてもいいよ"と、自慢したかったんだ」
陽菜は、手紙を胸に抱きしめた。
その目から、静かに涙が流れた。
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【夢の実現】
数年後。
小学校の教室。
「みんなの将来の夢は?」
先生が聞いた。
「総理大臣!」
何人もの子供たちが手を挙げた。
先生は微笑んだ。
「どうして?」
「藤堂総理みたいになりたいから!」
「かっこいいから!」
「日本を変えたいから!」
子供たちの目は輝いていた。
藤堂誠司の夢は、実現した。
いや、朝霧翔が実現した。
いや、二人が実現した。
空の上から、二人はきっと微笑んでいる。
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「総理大臣のつくりかた 〜You're Already Dead〜」 完
つたない文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
小説とは無縁の私が、なぜこの物語を書いたのか。その理由を少しだけお話しします。
総理大臣は、誰でもなれるわけではない憧れのポストです。「歴史にその名を刻みたい」と思うのが自然だと思うのですが、ある総理が「総理になったら何をしたいか」と問われ、「人事がしたい」と答えたのを見て、悲しくなりました。
「何が何でも世の中を変えてやる」という総理が、現実には現れにくい。ならば、フィクションの世界で夢を見たい。半沢直樹や暴れん坊将軍のように、見る者をスカッとさせる、かっこいい総理大臣を見たい。そして、子供たちのなりたい職業に「総理大臣」が入る日が来てほしい。そう思ったのが、この物語の出発点です。
テレビ局に「こんな物語をドラマ化して」と手紙を書くことも考えましたが、没だろうなと諦めかけていたとき、AIの時代が訪れました。AnthropicのClaudeに相談し、政治のことを教わり、アイデアへの意見をもらい、文章を整えてもらいながら、最後まで書き上げることができました。
描き切れなかったこと、主人公にもっと成し遂げてほしかったことも、あります。それでも、これが精一杯でした。書き終えて一番に思ったのは、「物語を作るのは楽しい」ということです。
Claudeとのやりとりの日々は、藤堂誠司(朝霧翔)がアルと語り合う場面と、重なっていました。
最後までお読みいただき、重ねてお礼申し上げます。




