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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第二章 オスクリタ海底

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生きるのにも覚悟は必要だからな

「アマリア、罪を償いたくないか? 命を絶つ以外の方法で」


 アマリアにそう聞くと、本人以外の面々も驚いたように俺を見る。

 その中でも一番驚いているのは、間違いなくアマリアだ。


 目を見開き、固まっている。


 だが、すぐに平静を取り戻し、怪訝そうな顔を俺に向けた。


「それは、どういう意味で聞いているの? 僕の体はもう魔力の供給がなくなる。物理的に生きられなくなるんだよ?」

「それって、逆に言えば、魔力さえあれば生きていけるってことだよな?」


 アマリアの前に移動して目を合わせると、気まずいのか、すぐに目を逸らした。

 膝の上に乗せていたフェアズを見て、優しく頭を撫でる。


「…………僕は、君が思っている以上に人を殺してきた。罪を犯してきた。それでも、フェアズを守れるのならと諦め、深く考えなかった。それなのに……すべてを賭けて守ると決めた人を、結局守れず……。僕はただ、意味もなく人を殺し続けた殺人兵器という結果を残してしまった。そんな僕が一人残っても意味はない。それに、フェアズを一人にもしたくはない」


 …………そうだよな。

 俺が何も言えずにいると、リヒトが後ろから顔を出した。


「あの……さっきフェアズ様は、アマリア様の言葉に『ダメ』と言っていました。それはつまり、アマリア様には生きてほしい、ということではないでしょうか」


 たしかに、最後の灯で口を開いたとき、フェアズはアマリアが一緒に行くと言ったのを拒んでいた。


 リヒトの言う通りだ。

 生きてほしいんだ。


 好きな人に。

 愛していた人に。


 リヒトの言葉に、アマリアは目を大きく見開き、顔を俯かせた。


 葛藤しているんだろう。いろいろと。


 思考が落ち着くのを待っていると、やがて口を開いた。


「知里、僕に幸せを感じる資格なんてない。でも、僕が生きていることで、僕と同じ気持ちになる人は少なくなるのかな」

「……さぁな。そんなもん、俺に聞くな」

「そうだよね。ごめん……」


 俺に聞かれても困る。

 困るが……。


「聞かれても困るが……そうだな。お前次第で変えられる、かもしれないな。――それだけだ」


 そう言うと、なぜかアマリアが急に笑い出した。


 え、なに。

 俺、何か笑えること言ったか?


 唖然としていると、アマリアは涙を拭い、フェアズを見つめた。


 ……泣くほど面白かったのか?


「…………フェアズ、ごめんね。僕は、もう少し頑張ってみることにしたよ。君と、僕が経験した地獄を、これからの人に味わわせないように。だから、待っていてくれ」


 アマリアは、最後だと言うように、フェアズの額にキスを落とした。


 人を愛するのは辛いと、耳にしたことがある。

 だが、今のアマリアが辛そうには、俺には見えない。


 愛しい人を失って辛いだろう。

 今までの努力が無駄になって苦しいだろう。


 それでも、なぜだろうか。

 今のアマリアが、可哀想とは思えない。


 優しげに細められた瞳も、微笑みを浮かべた口元も。

 今のアマリアの表情は、愛しい人にしか見せないものだ。


 他の誰にも向けることのない、そんな表情。


「それじゃ、アマリア。生きる覚悟はできたか?」

「うん、できたよ。でも、どうやるつもりなの?」

「こいつを使う」


 俺の肩でへばっているリンクを掴み、アマリアに見せた。


「精霊?」

「そう。こいつの空間魔法で、俺の魔力をアマリアと繋いで供給し続ける。そうすれば、お前の体はこれからも問題なく動かせるんだろ?」


 そう聞くと、アマリアは困惑しながらも頷いた。


「でも、どうやって繋ぐつもり? まさか、鎖なんてことはないよね?」

「お前の首に鎖を巻いて散歩する趣味は、俺にはねぇから安心しろ」

「そこまで言ってない……」

「繋げ方は、お前の心臓代わりに使われていた魔石を利用しようと思ってる」


 アマリアの左胸を指し示すと、すぐに納得したらしい。

 フェアズをそっと地面に下ろした。


「わかった。でも、今すぐできる? 精霊は疲れ切っているみたいだけど」

「叩き起こすから問題ない。今やらないと、手遅れになる可能性がある」

「ごめん……」

「謝罪より金をくれ。SSランクで九百万なら、管理者を相手にしたんだ、一千万よこせ」

「それは、難しいかな」

「なんでだよ!」


 ここで起こっても仕方がないから、もういいけどさ!

 うぅ。俺の、一千万……。


 俺が半泣きでリンクの頬を掴んで起こしていると、なぜかアマリアが噴き出した。


 ……なぜ?


「君は、本当に変わらないね」

「人間が、そう簡単に変われてたまるか。くそぉ、俺の一千万……」


 なに笑ってんだよ、この野郎。

 本当に意味が分からん。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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