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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第二章 オスクリタ海底

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まさか、こんな事態になるなんて……

 魔法を発動すると、手からバスケットボールくらいの炎が出現した。

 リンクが作り出した異空間に吸い込まれていく。


 これがどこに行くかというと――……


「っ、な、なにこれ……」


 フェアズの周りに突如、俺の右手にあるような異空間が複数現れ、炎の球体が襲いかかった。


「――ちっ!!」


 すぐに避けられたが、炎は俺の視線で自由自在に動かせるみたいだ。

 フェアズさえ見逃さなければ、追跡可能。


 絶対に逃がさんぞ。


「このっ!!」


 苦い顔を浮かべていたフェアズは、空中でくるんと振り返ると、鞭を振り上げ薙ぎ払う動きを見せた。


 そうはさせるか!!


restraint(リストレイント)!!」


 フェアズが魔法を放つと同時に、炎の弾の数を増やす。

 なんとか、相殺できた。


「この!! クソガキ!!!」


 え、俺ってガキなの?

 いや、確かにガキだな。何百年も生きている管理者と比べたら。


 ――あ、また逃げようと振り返りやがった!!


「逃がすか!! grounddoll(グランド・ドール)!!」


 アルカがすぐさま地面に両手を突き、巨大な土人形を作り出す。


 周りに立ち並ぶ木と同じくらいの大きさはある土人形により、フェアズは俺の炎から逃げられなくなった。


 土人形がフェアズを捕まえるため、ゆっくりと手を動かす。


 脇から逃げようとフェアズが突き進む。

 だが、その動きは予測済み。


chain(チェイン)!!」


 避けた先から伸びるのは、リヒトの鎖。


 急ブレーキをかけ、体を捻り何とか回避している。

 だが、リヒトも負けじと鎖を操り、フェアズを捉えようと操作する。


 炎と土人形で動きを制限され、目まぐるしく動き回るフェアズ。

 だが、三人からの攻撃だ。避けきれなくなってきたみたいだな。


 とうとうリヒトの鎖は、フェアズの鞭を持っている手を捉えた。


「なっ!! こんな鎖!!」


 振りほどこうとするが、一度捕まってしまえば終わり。

 その鎖は、そう簡単に解けねぇぞ。


 動けば動くほど。

 解こうと藻掻けば藻掻くほど。


 その鎖は腕に食い込んでいく。


「なに、この鎖!!」


 鞭を持っている手だけを掴まれていたフェアズは、次にもう片方の腕、足、腰と――

 次々と鎖に捕まり、フェアズの動きを完全に封じた。


「この!! この!! なんで、なんで私が!! あんな人間に負けるのよ! 私は管理者になったのよ! この世界を司る力を手に入れたの! ただの人間に()()()負けるなんて、そんな事ありえない!!」


 がしゃがしゃと鎖を鳴らしながら、抗うように体を暴れさせる。

 だが、リヒトも負けないよう魔力を強め、逃がさない。


 フェアズを捉えたため、リンクは俺達の方へと戻ってきた。


 見上げると、眉間に皺を寄せたリンクが俺の髪を掴み、怯えるように縋ってくる。


『あの人、魔力が増幅しているわ。主、早くどうにかしないと危ないわよ!!』

「そんなこと言われても……」


 アマリアも警戒して、その場から動かない。

 ただ、鎖がぶつかる金属音だけが響く空間。


「私は、私は!!! ただの人間より何倍も強いのよぉぉぉおおおおおお!!!」


 フェアズが叫ぶと、周りに立ち並ぶ木々が動き出した。


 地震が起き、立っていられなくなる。


 膝を突き周りを見ると、アルカとリヒトも激しく揺れる地面に対応できず転んでしまった。


 リヒトの集中が切れたことで、フェアズは緩んだ鎖から抜け出してしまった。


「貴方達は私とは違うの! 私が最強なの! 私が強いの! 私が!!! あんた達に負けるわけがないのよ!!!」


 フェアズの左胸辺りが、高まる魔力と連動するように光り出す。


「な、何が起きている?」


 光が強くなったかと思うと、左胸から今までフェアズが操っていた蔓が勢いよく噴射し、フェアズを包み込み始めた。


「アマリア、あれはなんだ!!」

「さ、流石にわからない。僕も初めてみる……何が起きているんだ」


 アマリアすらわからないのか。

 くそっ、どうすればいいんだ。


 何が起きるのかわからないまま動けずにいると、フェアズを包み込んだ蔓が徐々に動き出す。


「な、なんじゃあれ!!」


 次に蔓の中から姿を現したフェアズは――俺達が知っているフェアズの姿ではなかった。


 背中には大きな蔓の翼。

 肌は白くなり、結ばれていた茶髪は解かれ、足元まで長く伸びている。


 手に持っていた鞭は、魔法を発動していないはずなのに、地面に突くほど長くなっていた。


「だ、第二形態とか、管理者は持ってるの??」

「第二形態かはわからないけど……もしかしたら、あのお方の強い魔力に呑み込まれてしまった姿なのかもしれないな。もう、諦めないと駄目なのか」


 目を細め、諦めの言葉をこぼすアマリア。


 殺す勢いで魔法を出した方が、こちらとしては楽だ。

 だが、それはアマリアまでも感情に呑み込まれ、逆恨みされる可能性がある。


 今も、感情を何とか抑えているが、肌に感じる気配でわかる。


 アマリアは今、完全にぶちぎれている。


 無表情なのに、空気が刺さる。

 もう感情がぐちゃぐちゃなんだろうな。


 これ以上、アマリアを刺激はしない方がいいだろう。


 殺さず、力に捕らわれたフェアズを解放する方法を――


 考えろ、俺。


 …………もう嫌だ。


 戦いたくない。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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