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こんなに早く起きる意味を教えてください

 話し合いは無事終了。

 今回のモンスターは本当に骨が折れそうで正直行きたくないけど、これを乗り越えないとここまで来た意味がない。


 諦めれば金ももらえないし、報酬もない。何もないまま帰ることになる。


 ここまで来たのに手ぶらで帰るのは絶対に嫌だ、なにがなんでも金を持ち帰る。

 気合を込めていると肩を叩かれ、振り向くと無表情のヒュース皇子が立っていた。


「向かうのはいつだ」

「お前はいつがいいんだ?」

「今回ばかりはぬしの都合に合わせよう。巻き込んでしまった側だからな」


 ふーん。えぇ……。

 いつがいいと聞かれても……。思い立ったら吉日という感じで行動して来たから困ったなぁ。


 明日とかに向かうのもいいと思うが、さすがに武器の調達とか、何か事前準備があるだろうし、すぐは無理だろう。


「リヒトとアルカは何か、事前準備とかあるか?」

「私は何もないですよ」

「俺も大丈夫だぞ」

「だよなー」


 何もないのか。俺も特にないからなぁ。

 それなら、明日でも…………いや、今回の戦闘場は外。


 今、俺達がいるこの国の東に向かった先、巨大な樹木が立ち並ぶ場所にショスがいると聞いた。つまり、天候も戦闘に左右するだろう。


 今まではダンジョン内だったからあまり環境などは考えないで済んだが、こればっかりはどうする事も出来ない。

 少しでも自分に有利な環境で戦いたい。


「この異世界で、明日以降の天候を調べる方法とかあるのか?」

「それなら、ギルドの掲示板に一週間の天気予想が記載されている。確認するか?」

「そうだな、それを確認してから決めよう」

「わかった」


 アルカとリヒトには部屋で待っていてもらうようにお願いした。

 ついてきたところで意味はないからな、すぐに戻るし。


 道案内係として、ヒュース皇子には来てもらったのはいいが……。


 城から出ると、まぁ、人。

 人、人、人。あぁ…………人だぁぁぁあああ。


「顔色が悪いように見えるが、大丈夫か?」

「問題ないと言えないくらいには弱っている。人酔いするんだよ、俺。人が沢山居るところでは気持ち悪くなるの」


 忘れてたよ、この人混みを……。

 やばい、気持ち悪くなってきた。


「それは一種の病ではないか? 一度医者に診てもらった方がいいと思うのだが……」

「そこまでじゃない。人込みに行かなければいいという回避方法があるし、休めば治る。ただ、早く終わらせたいから、ギルドに急ぐぞ」

「わかった」


 無言のまま歩いていると、ギルドに到着。

 掲示板には、小さく一週間の天気予報が書かれていた。


 いやいや、こんなに小さいのかよ、言われんと気づかんて。

 他の情報に目が行くだろう。


「えっと……、ほとんどが晴れみたいだな。なら、明日にでも行こうか、雨が降る前に」

「雨?」

「地面がぬかるんで戦いにくいだろう、雨が降ったら。それに、視界も悪くなる」


 炎の威力も弱まるのかな。

 魔法だから関係ない? 


 どっちにしろ、雨の日は避けたいし、晴れているうちに終わらせたい。


「そこまで考えていたのか」

「当たり前だ。SSランクの冒険者でも逃げ帰ってるんだろ? なら、用心に用心を重ねないと、今までの奴らの二の舞になるだけだ。それだけは避けたい」

「そうだな。分かった」


 出立日は明日、今日はもう体を休め戦闘に備える。


 戦闘続きで身体は悲鳴を上げそうだよ、二十八歳の身体、なめんな。


 急いでランクを上げたい気持ちもあったけど、この依頼が終わったら少し休むか。じゃないと、体にも悪いし、効率が下がる。


「んじゃ、帰って体を休めますか」

「あぁ、明日はよろしく頼むぞ、チサト」

「お前もな、ヒュース皇子」


 ※


 ショスが住んでいると言われている森に、無事到着。

 思っていたより早くたどり着けた理由は、ヒュース皇子が馬車を準備してくれていたから。


 朝、俺が目を覚ました時にはもういつでも出れる状態になっていたし、アルカとリヒトも驚いていた。


「カガミヤさん、準備はいいですか?」

「俺の準備は出来ているよ、眠たいだけで」

「それは大丈夫ですか? これからSS以上のモンスターに出会うんですよ?」

「大丈夫と言うしかないだろう」


 起きたのは朝の六時。会社員だったとしても、まだ寝ている時間に今日はたたき起こされた。

 …………言葉の通りに、たたき起こされました、普通に痛かった。


「中に入るぞ、集中しろ」

「わかったって―の」


 ヒュース皇子もやる気満々だなぁ。

 仕方がねぇ、いっちょ、頑張りますか。


 武器の準備は問題ない、スピリトも事前に出ていつでも動けるようにしている。

 リンクは今回出番がないと思うから休んでいてもらう予定。

 姿を出したところでうるさいだけだしな。


 目の前に立ち並ぶ、空を覆い隠すほど大きい樹木。この中で戦闘を行うのか。

 …………引火とかって、しないよね?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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