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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第二章 オスクリタ海底

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感情というものは、行動によって変わるんだなぁ

 リヒトが部屋で一人、ロゼ姫の言葉を反芻していると、扉が叩かれた。

 慌てて返事をする。


 開いた扉の向こうに立っていたのは――


「か、カガミヤさん!?」


 ※


 ロゼ姫に「こちらへ」と言われて素直に来ただけなんだが。

 部屋にはリヒト一人。


 ……え、何これ。

 どうすればいいの?


 沈黙が重い。

 すると、リヒトが勢いよく顔を上げた。


「カガミヤさん!!」

「ん? どうした?」


 真剣な目。

 嫌な予感しかしない。


「カガミヤさんは、私達“黎明の探検者”と共に行動してくださっていますが……ご自身は、どう思っているのですか?」

「……は?」


 唐突すぎる。


「意図が読めん。何が聞きたい?」

「カガミヤさん、強いじゃないですか」

「チート魔力のおかげだな」

「精霊もいて、一人で何でも解決してしまいます」

「……まぁな? 何でもではないが」


 リヒトが視線を落とす。

 膝の上で手を強く握った。


「もう、私達と居る必要はないのではないかと……思ってしまったのです」


 ああ。

 なるほど。


「メリットがない。足手まといになるだけかもしれない。だから、何を思って一緒にいてくださるのか……気になりました」


 重い。すごく、重い。

 これは言葉を間違えたら終わるやつだ。


「……なんで、今それを?」

「ロゼ姫様が仰っていました。仲間を信じ、高め合うことが強さだと」


 いいこと言うな、姫様。


「ですが……私では、釣り合わない」


 俯いてしまった。


「高め合えるほど強くもない。信じていただけるほどの実力もない」


 あーーーー。

 完全に自己否定モード。


 俺、こういうの一番苦手なんだが。


「えっと……」


 言葉を探す。


 ……あれ?


 俺、今“リヒトが傷つかない言葉”探してる?


 なんで?

 落ち込もうが知ったことじゃないはずだろ。


 今後の活動に支障が出るから?

 ……いや、それだけじゃない。


「……カガミヤさん?」


 震える声。

 焦りが滲む。


「すみません。困らせるつもりでは……聞き流してください」

「いや」


 顔を上げる。


「確かに困った。だが、それだけじゃない」

「え?」

「俺が今、言葉を選んでたことに、俺自身で驚いただけだ」

「……もしかして、私が傷つかないように?」

「多分な」

「つまり、私は傷つく存在なんですね」

「違う」


 即否定。


「最初の俺はな、お前らを利用する気満々だった」


 リヒトの目が揺れる。


「この世界から抜け出すための道具。正直、それくらいだった」


 沈黙。


「だがな、お前らの馬鹿みたいに正直な言葉とか、人を思う行動とかに触れてるうちに……情が湧いたらしい」


 本当に、いつの間に、なんだよなぁ。


「今は利用してない。利用できるとも思ってない」


 一歩近づく。


「俺が、お前らと居たいから居る」


 リヒトの瞳が潤む。


「弱いとか強いとか関係ない。人を温められる奴らから離れる気はない」

「……っ」


 ぽろぽろと涙が落ちる。


 あーもう。

 泣くな。


「ほら、目擦るな。痛くなる」


 手首を掴んで止める。

 袖で雑に拭く。


「ふぁっ!? 服が!」

「洗えばいい」


 涙が止まる。


「……ありがとうございます」


 頭を撫でると、素直に目を細めた。


 その瞬間。


 ガチャ。


「リヒト、カガミヤはどう――」


 固まるアルカ。

 その後ろでヒュース皇子が指を震わせている。


 今の体勢を見る。


 距離近い。

 手首掴んでる。

 頭撫でてる。

 涙跡あり。


 ……詰み。


「まさか、カガミヤが、リヒトを……口説いて……?」

「断じて違う」


 即否定させてもらうぞ、これは絶対に。


「俺が女性を彼女にする基準は、その人に金を使ってもいいかどうかだ。リヒトに対してその基準を満たしたことは一度もない」


 空気が凍る。

 アルカと皇子は納得顔。


 だが、隣から、殺気。


 恐る恐る見る。


 そこにいたのは、般若。


「カ~ガ~ミ~ヤ~さ~ん~?」


 やばい。


「今のは、いくらなんでも酷くないですか?」

「いやほら、誤解を解くための論理的説明であってだな――」


 一歩下がる。


 ――ガシャン。


「ん?」


 足首に鎖。


「逃がしませんよ?」


 にっこりと笑うリヒトが、ワイバーンより怖いと感じる。


 気配ゼロで発動。

 完全拘束。


「元気になって良かったな、リヒト!!」

「違いますよね?」


 ――ガシャン。


 両腕拘束。

 詰み。


「……すみませんでした」

「何がですか?」


 近い。


 怖い。


「金基準は撤回します」

「もっと、何かありますよね?」


 終わった。

 俺は今日、死ぬ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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