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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第一章 セーラ村

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取引が流れてしまった残念

「確かに、実力は本物らしい。そこは認めよう」

「そりゃどーも。ところで、なんで俺はまた殴られたわけ?」

「顔がきもかったからだ」

「整っているとは言われてきたが、顔を貶されたのは初めてだな。ありがとう、何も心に響かない」


 勝負がついた直後。


 しゃがみ込んだヒュースの前で「勝ったぞ」と笑ったら、飛んできたのは拳だった。


 近距離。無警戒。

 回避不能。


 頬がじんじんする。


「負けたのはお前が弱かったからだろ。なんで俺が殴られなきゃならん。それと、戦うって言い出したのはお前だ。俺は嫌々付き合ってやった側だぞ?」

「ぬしの実力を知らねば困る。感染症の元凶と対峙するのだ。どこまで任せられるか、どこまでやれるか。それを測る必要があった」


 いやいや待て。


「それ、俺だけ確認しても意味なくないか?」

「何を言う。チームのリーダーがそんなことを言うな。甘えるな」

「甘えてなんか──待て」


 今、重要なワードが出た。


「誰がリーダーだって?」

「ぬしだ」

「ぬしって俺?」

「他に誰がいる」

「リーダーなら、他にいるぞ」

「は?」

「後ろ」


 指さす。

 アルカが気まずそうに頬を掻いていた。


 ヒュースは俺とアルカを交互に見る。

 ……沈黙。


「あー……」


 やっと気づいたか。

 ヒュースはゆっくりアルカへ歩み寄る。


「……すまない」

「い、いえ! 俺がリーダーっぽくないのが悪いので!」

「そんなことはない。ただ、実力ある者が指揮を取るものと決めつけていた。ぬしはまだ経験が浅く見えた。チサトが主導しているのだと」


 ああ、なるほど。


 この世界は実力主義。

 魔力量トップ=リーダー、と考えるのは自然か。


 だが。


「俺はリーダー向きじゃねぇ。あと一番経験浅いの俺だからな」


 異世界転移組なめんな。


「……そうか」


 妙に素直に納得したな。


「まぁ、役職はどうでもいい。俺の実力は分かっただろ? 今後の動きを考えたい。解放してくれるか?」

「そうだな。今後どう動く?」

「まずギルド。モンスター情報を洗う」


 依頼受注は断られるかもしれないが、情報だけなら押せばいける。

 最悪、皇子の名前を出す。


「わかった。受付に聞けば良いだろう」

「それだけで終わるといいんだがなぁ」

「……含みがあるな」

「受付嬢にSSダンジョン押し付けられた経験があるからな」


 ヒュースが固まった。


「……Aランクだったな、ぬしら」

「そうだぞ。AにSSぶつけてきたぞ、あの人」

「……クリアしたのか?」

「した。うざい精霊ゲットした」


 思い出すだけでうるさい。

 今は寝てるが──


『誰がうざい精霊よ!! 私のことはリンッ──』

「はいはい黙ろうねー」

『モゴゴゴゴゴ!!』


 顔の横に現れたリンクを即座に捕獲。口を塞ぐ。

 小さいから制圧は容易。


 それを見たヒュースの金色の瞳が見開かれる。


「……精霊が、二体?」

「やっぱ珍しいのか?」

「珍しいどころではない。精霊はSSを何度も踏破しても巡り合えぬことがある。この世界でも、契約者は指で数えられる程度と聞く。それが……二体?」


 そんなにか?

 リンクはただうるさいだけだぞ。


『聞こえてるわよ!!』

「一体、譲ってはくれぬか?」

「お前の全財産で」

『ちょっとぉ!? 私を売るな!!』


 即座に破談。


 惜しい。

 金と静寂が同時に手に入ったのに。


 リンクが暴れるので解放する。


「……ぬし、精霊を何だと思っている」

「うるさい同居人」

『最低!!』


 ヒュースが呆れた目を向ける。


「本来なら、国宝級だぞ……」


 へぇ。

 それならなおさら売れそうだったな。


 ……まぁ、嫌がってるしやめとくか。


 ヒュースなら俺より大事に扱いそうだが。

 リンクはなぜか俺の肩にしがみついて離れない。


『私は売り物じゃないのよ』

「はいはい」


 闘技場に、さっきまでの緊張感はもうない。


 だが。

 ヒュースはちらりと俺を見る。

 さっきより、少しだけ柔らかい目で。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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