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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第一章 セーラ村

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本心は、直接聞くより見た方が早い

 中に入ると、そこにはただっ広い空間が広がっていた。


 舞踏会でも開けそうなほど広い部屋。

 装飾らしい装飾はなく、大きな窓から差し込む陽光が床を照らしている。


 そんな空間に、二つの椅子と、一人の男。


 赤いマントのようなローブをまとい、白いひげを蓄えた威厳ある老人。


 ――イメージ通りの王。


 あれがヒュース皇子の父、俺たちの依頼人か。


「お主が、わしの依頼を受けた冒険者か」


 さきほどまでの戸惑いは消えている。

 一瞬で“王”に戻った。


 すげぇな。これが王か。


「……はい。我々が今回の護衛任務を受けさせていただきました、黎明の探検者です。私の名は鏡谷知里。この世界では珍しい名ですが、お気になさらず」


 前に出て、片膝を立て、頭を垂れる。

 上から、わずかに感心した気配。

 同時に背中へ突き刺さる視線。


 アルカとリヒトだな。

 驚くのはわかるが、少しは真似しろ。


「頭を上げよ」

「はい」


 顔を上げる。

 真正面から視線がぶつかった。


 金色の眼光。

 人を射抜くような鋭さ。


「今回の依頼、詳細は家臣から聞け。わしの()()、ヒュースを任せたぞ」


 格が違う。

 ……管理者は除いて。


 今、この場で一つでも言葉を誤れば終わる。

 だが、聞きたい。


 こいつは――ヒュースをどう見ている?


 大事な子か。

 それとも、ただの駒か。


 もし駒なら。

 俺は、殺せる。


 精霊が二人。チート能力。問題はない。

 後始末は後で考えればいい。


 子を大事にできない親など、存在していいはずがない。


「……お言葉ですが、今回の依頼は、ヒュース皇子の意向を踏まえ、形を変えて遂行したいと考えます」

「……なんだと?」


 来たな。

 出まかせだ。何も決まっていない。


 だが、ただ中止では反発する。

 なら、“遂行”と言い切る。


「何を言う。依頼は息子をオスクリタ海底へ送り届けること。それ以外に形などない」

「ご本人は婚約を望んでおりません。それは把握されておりますか?」

「している。だが今後の国のため、今後の息子のため、()()()()()()()()()()。お主は依頼主であるわしの言葉に従えばよい」


 ……ん?


“こうしなければならん”。


 強制の匂い。

 目が、ほんのわずかに揺れた。


 迷い?


(「アビリティ、透視」)

(『了解。透視、発動』)


 王の周囲に、白い文字が浮かぶ。


『こうしなければならない』

『婚約しなければ国も()も危ない』

『王である自分がどうにかせねば』

『嫌われようとも守らねばならぬ』


 ……なるほど。

 嫌われてもいいから、守る。

 そんな親もいるのか。


 透視を切る。

 途端に体が重くなる。

 内臓を雑に掴まれたような倦怠感。


 ……見なきゃよかった。

 ガチで、放置できなくなったじゃねぇか。


 くそ。

 報酬はきっちりもらうからな。


「冒険者にもプライドがあります。関わる全員が納得できる形でなければ動けません」

「契約は成立している。プライドなど知らん」


 ……ダメだ。これでは本心は出ない。


 なら。


「知らないなら、今ここで教えてやるよ――お父さん?」


 立ち上がる。

 家臣が即座に動き、槍を向ける。


 背後から驚きの気配。

 無視だ。


「今のお前は、娘を何かから守るために国外へ逃がしたい。だが国も守らねばならない。だから縁談を利用した。嫁がせる形なら自然に国外へ出せる。事情はオスクリタ側に伝えて、保護という名目を取るつもりだろ?」

「なっ……なぜ娘だと……ヒュース!」

「今は性別はどうでもいい」


 王の怒声を遮る。


「問題は、この依頼をどう納得のいく形で遂行するかだ」


 沈黙。


「……先ほどの情報、どこで得た」

「正直に言う。あんたの心を読んだ。透視で」

「透視は物を見るスキルだ。心など読めぬ」

「俺は読めた」


 簡潔に言う。

 王の視線が変わる。


 警戒。

 だが同時に――希望も混じる。


「なぁ、俺たちはただの冒険者だ。だが、力にはなる。報酬をがっぽりくれるならな」

「そんなこと出来るわけがない! なぜなら今回の件は――っ」


 止まった。

 やっぱりな。


 王をここまで縛る存在。

 もう一つしか思いつかない。


「俺は、管理者の処刑担当アクアと対峙したことがある。アマリアとも話している」


 空気が凍る。

 ヒュースも驚いている。


「少し、俺に賭けてみないか?」


 手を差し出す。


「王も娘も守る。国も守る。その上で依頼は達成する。――もちろん報酬は、最大限でな」


 王は俺を見定める。

 鋭い眼光が戻る。


「……お主は何者だ」

「別世界から転移してきた一般人、鏡谷知里。少し魔力が多くて、子を大事にする親の味方だ」


 笑って言う。

 王は深く息を吐き――小さく、頷いた。


「……もう少し、今回の件について話そう」


 よし。

 一歩前進。


 今回の護衛任務――大金の匂いがする。


 もしかしたら俺、今回の依頼思っている以上にもらえるんじゃないか?

 九百万+五十万。さらに――ひひひひっ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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