表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/646

話すだけで気持ちが晴れるって、あながち間違えていないかもな

 掲示板には、昨日の受付嬢の死因が細かく書かれている。


 アマリアも、やっぱり管理者なんだな。

 だが、引っかかる。


 たしか、アマリアはギルドの管理以外は仕事をしないんじゃなかったか?


 処罰はアクアがすると聞いていたし……。

 なんで今回は、アマリアが直々に処罰したんだ?


 掲示板に書かれているのは、死因まで。

 経緯や理由は、一切書かれていない。


 アマリアに直接聞きたくても、今はどこにいるのかわからないし……。


「……ここにいても仕方が無いし、アルカ、部屋に戻るぞ」

「あ、ああ」


 唖然としていたアルカの手を引っ張り、部屋に戻った。


 アルカは椅子に、俺はベッドに座る。


「なぁ、今回の掲示板に書かれていた内容って、俺達に関係あるのかな」

「なんでだ」

「タイミングが、なんとなく……」


 顔を俯かせて表情は分からないが、相当に落ち込んでるな。


「なんか、嫌な予感がするんだ。この胸騒ぎはなんだ。これから、何が起きる」

「そんなもん、俺にわかると思うか? 俺は預言者でも占い師でもないんだ、そんなもんわからん。考えたところで意味もない、余計な思考を回してねぇで、今は休め」


 言い切ると、やっと顔を上げた。

 今にも泣き出しそうな顔だ。


 自分を追い詰めてどうする?

 どうにもならんだろう……。


「そうだな。でも、なんとなく、休めなくてな」


 まぁ、その気持ちはわからんでもない。

 この世界に来て、二人の知人が死んだ。

 村長と受付嬢、どっちも管理者の手によって。


 アクアとアマリアは、どんな気持ちで人を殺していたのだろうか。

 今まで、どんな気持ちで人と関わってきたのだろうか。


「…………チッ」


 今までの俺は、人との距離感が近くなってしまうのがめんどくさいと思って、最低限の付き合いしかしてこなかった。


 一人の時間が楽だったから、無駄に人と関わらなかった。

 だから、こういう時、なんて声をかければいいのか分からない。


「────カガミヤは、今までどんな生活をしてきたんだ?」

「なんだ、藪から棒に」

「なんとなくな。カガミヤは友達とか恋人はいたのか? 家族はどんなだったんだ?」


 アルカの方を見ると、何故か笑顔を浮かべていた。

 無理して笑っているのは、さすがの俺でもわかるけど。


 はぁ、めんどくさいな。

 でも、時間つぶしにはちょうどいいか。


「別に話してもいいいが、気持ちのいいものじゃねぇぞ」


 一応確認すると、アルカは頷いた。


「お前は、ネグレクトって知っているか?」

「ネグレクト?」

「知らんか……。簡単に言えば、育児放棄だ」


 言うと、息を飲んだ。

 予想通りの反応だ。


「俺は、育児放棄をされていた。まともな飯は与えてもらえず、親はいつも出かけていて家にいない。最初だけは食事代などを貰っていたが、どんどんそれすらなくなり、催促すれば殴られた」


 今改めて思うと、俺、よく生きてたなぁ。


「その過去が俺を金に縛り付けたんだ。金があれば一人でなんでもできるからな」


 ひとまず、軽く話したが……。


 ――――――――グスッ


 ……………………ん? グス?

 なんか、鼻をすする音が聞こえた……?


「えっ、なんで泣いてんの?!」


 俺?! 俺が泣かしたの?!

 どうすればいいの?!


「わ、わりぃ、でも、涙、止まんねぇ」


 手で強く握ってるから目元が赤い。

 今の簡単な話で、ここまで泣くか? 


 ただ、”育児放棄されていた”。

 それだけを伝えただけなのに……。


 ────そうか。こいつは、人の感情を感じ取りやすいのか。

 子供って、そういうところは鋭いって聞いたことがある。


 これが、純粋な子供なのかな。

 俺には、アルカみたいな綺麗な感情はなかったなぁ。


「…………お前は、そのままでいてくれ」

「え、カガミヤ? それは、どういう意味だ?」

「特に。ただ、少し羨ましいなと思っただけだ」

「羨ましい?」


 羨ましい。

 これは嘘でもないが、本音でもないか。

 まぁ、どっちでもいいな。


「気にすんな。話はこれで終わり、もう寝るぞ」

「お、おう」


 俺もなんとなくだが、気持ちが晴れたし寝れそう。


 ベッドに横になると、リヒトの寝息が耳に入ってきた。


 さっきまで聞こえていなかった音。

 いや、耳に入っていなかった声というべきか。


 後ろでは、アルカがまだ困惑してる。

 ふっ、笑える。


 気にせず目を閉じると、不思議なほど簡単に夢の中に入れた。心地の良い感覚。


 こういうのもいいなと、少しだが思ってしまった。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ