ダンジョンにも種類があるんだな、新しい発見だ
「今日のダンジョンは、どこに行く?」
「二つあるうち、どっちがいいかなぁ」
アルカとリヒトが二枚の地図とにらめっこしているため、俺は蚊帳の外。
部屋の中で窓から外を眺めている。
今日もものすごく天気がいいな、鳥が自由に羽ばたいている。
ぼぉっとしていると、アルカが俺の肩をトントンと叩いてきた、なんだ?
「どっちがいいと思う?」
「……あ、俺に聞いているの?」
「うん」
二人で話しているのかと思ったら、俺にも質問していたらしい。
「どっちも行くはないのか??」
「え?」
「どっちも行く。今日で二つのダンジョンを終らせる」
「…………え?」
「いや、え? じゃなくて、二つのダンジョンを終らせるぞ」
なんだよ、お前ら。俺の話を聞いているのか?
二つ行くんだよ、今日で。
昨日は魔力の消費を考えずに使っていたから行かなかったけど、今回はそれも踏まえて一回目のダンジョン攻略。その後にすぐ、二つ目のダンジョンを攻略。
スムーズにいけば出来るはず。
今は朝の十時だ、時間的にも楽勝だろ。
「一日で二つのダンジョンを攻略なんて、聞いたことありませんよ?」
「そりゃそうだろうな。でも、する。”今までがこうだったから、俺達もそうする”は違うだろ。俺達が出来る事をやり、俺達がやりたい事をする。自分の出来る範囲を狭め、過去の奴らと同じ事をする必要はない。俺達だから出来る事をして、それを未来に繋げればいい」
とか、それっぽく言ってみるけど、実際出来るかは謎なんだよなぁ。
でも、法律的に無理じゃないのなら、やってみたい。
早く、金が欲しい。あと、宝石の山が見たい。
「ま、まぁ。カガミヤがやるというのなら付き合うが、無理だけはするなよ?」
「わかっとるわ。魔力の使用削減練習も込めて今回はやってみる」
今日で終われば、次はまた違うダンジョンを希望する。
このまま、順調にダンジョン攻略をして行こう。
※
ワープで最初のダンジョンに到着。
ここは、砂漠かぁ? めちゃくそ熱い。
それと、目の前にそびえたつピラミットが高圧的に俺を見下ろしてくる。
あれが今回のダンジョン? ダンジョンにも色んな形があるんだなぁ。
「それじゃ、行こうぜカガミヤ」
「おう」
アルカは足早にピラミットの中に入っていく。
おいおい、置いて行くなって。
中に入ると、左右に広がる空間が一つ、広がっているだけ。
地面は砂で埋め尽くされ、上には穴が開いている。
そこから、砂が一本の柱を作りだすように落ちていた。
奥や左右を見るけど、壁から砂が落ちてきている以外には、特に気になる物はない。
抜け道も、扉も、なにもない。
「珍しい作りをしているダンジョンだな。奥に行けばいいのか?」
アルカも不思議そうに首を傾げている。
俺も奥を見るけど、砂の滝以外には何もないぞ。
「もしかして、ここには雑魚モンスターはおらず、いきなりラスボスパターンか?」
「まさかぁ、Bランクでそんなことありえないですよ~」
「そうだよなぁ~」
アルカとリヒトの掛け合い、もうフラグじゃないか?
でも、最初からラスボスなんて、そんなこと――……
――――――――ドシン
ん? ドシン??
後ろから、なにやら嫌な音と気配が…………。
え、こんなお約束な展開って、ある?
恐る恐る後ろを振り向くと…………。
――――――――ガルゥゥゥゥゥァァァァァアアア!!!!!
「でたぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」
「なにこれぇぇぇぇえええ!!!」
リヒトにもわからんのなら俺にもわからんぞ絶対に!!
「お? あれは、たしかムーンバースト。姿を自由自在に変化できると聞いたぞ」
アルカは知っているのか。
と、いう事は、今のドデカイヒキガエルのような姿も、変かできるという事か。
意外と厄介だな。
「どうしますか、カガミヤさん」
「どうするも何も、いつも通り。相手の動きを止めたり、背後から攻撃が出来る様にするしかないんじゃないか?」
「はい!!」
アルカも剣を構え、リヒトも杖を持ち直す。
腰にくくっていた魔導書を手に取り、俺も準備完了。
「さて、どうやって調理しますか」
見た目からして、本当に気持ち悪いから早く終わらせたい。
形を変化できるというのは、どこからどこまでなのか。
無限に様々な形になれるなんてことは、流石にないだろ。
それを確認するため、まず一発、お見舞いするか。
右手に炎を溜め、放てる準備。だが、それに気づいたムーンバーストは、大きな口を開け、叫び声を上げた。
ギャァァァァァァアアア!!!!!!
「うっさい!!!」
耳が痛い、鼓膜が破れる!!
頭まで痛くなってきた、一体なんなんだよ!!!
「っ! あれ、収まった?」
な、なんだぁあ??
「……カガミヤさん、あの。至る所から、モンスターの気配を感じませんか?」
「え、まさか……」
何だこの、嫌な感覚。
なんだよ、これ。なんか、面倒臭いことが起こりそうな予感……。
――――――――バサバサバサ
っ! いたるところから蝙蝠が突進してくるだと!?
「ここにもいるのかよ!!」
あ、だからこのダンジョンには、一室しかないのか。
雑魚がラスボスの声に反応し、出てくるシステム。
「ちっ、flame」
横に薙ぎ払うように炎の玉を放つと、蝙蝠達はすぐに死ぬ。
強さは昨日のダンジョンと同じだな。つまり、蝙蝠は特に気にする必要はない。
「アルカはムーンバーストに集中してくれ、俺が蝙蝠を倒しつつ、アルカの援護を行う。リヒトはムーンバーストを拘束してくれるか? アルカが気を引けば出来なくはないだろ」
「「了解」」
よし、すぐに終わらせてやるよ。
金になれよ、ムーンバースト!!!
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