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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 文月朔夜
第一章 セーラ村

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やっぱり何事も勢いが大事だな

 魔法を発動すると、俺の周囲に水が現れ、波打ち始めた。

 大きな音を立て、津波のように周囲の蝙蝠を巻き込んでいく。


「きゃぁぁ!!」

「ちょ、これ俺たちも巻き込まれないか!?」

「巻き込まねぇように操作してる。安心しろ」


 二人を避けるように水流を操り、蝙蝠だけを飲み込んでいく。


 俺たちを囲んでいた蝙蝠は、水とともに窓代わりの穴から外へと放り出された。

 金切り声を上げて抵抗するが、波の勢いには逆らえない。


「……全部倒したか?」

『はい、気配は消えました』

「よし」


 魔導書を閉じると、水は霧のように薄れ、跡形もなく消えた。


 息をつくと、アルカが目を輝かせて駆け寄ってくる。


「すげぇ!! こんな魔法もあるのかよ!!」

「本当にすごいです。でも、魔力の消費は大丈夫なんですか?」


 リヒトに言われて、確認してみる。


「アビリティ」

『はい、魔力量を確認します』


 表示された数値を見る。


 ……減ってるのか? よくわからん。

 でも体感では余裕がある。


「問題なさそうだ。次行こう」

「おー!!」


 再び蝙蝠が現れたが、後ろに回られる前に|flame Arrow《フレイムアロー》で一掃。


 階段を登り続けると、ついに雑魚も出なくなった。


「あ、もうすぐラスボスじゃないか?」

「気配が強くなってきてます。Bランクのボスって何でしょう……ちょっと怖い」

「カガミヤがいるから大丈夫だろ。俺も全力を出す。リヒトは援護頼む!」


 ……勝手に期待値上げるな。


 やがて階段が途切れ、広い空間に出た。

 中央には、またしても宝箱。


 ――ガシッ。


「……いい加減にしろ」


 また、両腕を掴まれた。


「突っ込まねぇって。………………多分」

「聞こえてるぞ、カガミヤ」

「やっぱり、抑えて正解でした」


 くっ。だって、万が一があるかもしれないじゃないか。

 まぁ、宝の気配は感じないし、違うだろうけど。


 手を振りほどき、気配に集中する。


 確かにいる。

 刺すような気配がある。


 だが姿がない。


「どこだ?」

「上じゃないか?」


 ――キュイン。


「今、鳴いた?」


 次の瞬間。


 ――――ギャアアァァァァァ!!!


 上から巨大な影が落ちてきた。


「うわっ!!」

「散れ!!」


 咄嗟にリヒトを抱えて横へ跳ぶ。

 アルカも回避。


 現れたのは――


 トラックほどの巨体。

 顔は鶏、胴は蛇。

 前足の爪は白く光り、後ろ脚はなく、尾で身体を支えている。


 黄色い瞳が、ぎょろりとこちらを向いた。


「コカトリスだ」


 ほう、コカトリスというやつが百万に化けるのか。


「猛毒持ちだ。ブレスに注意すれば倒せる」


 毒か。

 それだけは食らえない。


 三人で構える。


 しかし――


 俺の百万(コカトリス)は首を傾げ、毛づくろいを始めた。


 ……舐められてる?


「今のうちに仕掛けるか?」

「ああ」


 魔導書に魔力を込める。


 瞬間、百万が反応。

 翼を広げ、咆哮。


 ――ギャアアァァァ!!


 突進。


 リヒトを抱き寄せ、横へ跳ぶ。

 アルカはそのまま前進。


 背後を取る動き。いい。


 百万が振り向き、アルカへ毒のブレス。


「heathaze(ヒートヘイズ)」


 空中のアルカが揺らぐ。


 ブレスが陽(・)炎(・)の(・)残(・)像(・)を貫いた。


「今だ、アルカ!!」


 真後ろに現れる本体。


「|groundspada《グランド・スパーダ》」


 剣が伸び、横一線。


 百万の身体が両断される。


 耳をつんざく悲鳴。


 巨体が崩れ落ち、そのまま動かなくなった。


「ふぅ……」

「お疲れさん」

「カガミヤもな!! 最後助かったぞ。あいつの攻撃が逸れたおかげで背後を取れた」

「おう」


 戦闘を終え、拳を合わせる。


 誰かと連携して戦うのは、やっぱり気持ちがいい。

 一人で全部終わらせるのも楽だが、これはこれで悪くない。


 これで、楽勝に百万ゲット~。

 あとは、Bランクの宝はどんなものか、だな。


 精霊ではないよな、さすがに、

 宝、宝はどこだ。


「か、カガミヤ、笑顔が、怖い」


 にやけていると、隣から重たい空気が流れてきた。

 視線を向けると、杖を握ったまま俯くリヒト。


「ど、どうした?」

「私、何も出来なかった……」


 ……あー、そういうことか。


 アルカも苦笑い。

 これはフォロー案件だな。


「えっと……まだ始まったばかりだろ。次がある」

「そこは『そんなことないよ』じゃないのか?」

「え? あ、そんなことないぞ」

「雑……」


 言うと、余計落ち込んだ。

 えぇ、俺の頭の中はいま宝しかないから、これ以上の言葉出てこないんだけど。


「私、攻撃魔法一つも使えないし……援護しか出来ない。存在価値ないよね……」


 攻撃魔法ゼロ?


「援護特化なのか?」

「そう。でも普通は一つくらい攻撃魔法がある。私はない。それで前の仲間に捨てられた」


 ……なるほど。

 過去の傷か。


 簡単に「忘れろ」とは言えない。

 俺だって何も乗り越えてない。


「リヒト」

「……?」

「前で戦う俺たちにとって、援護特化は貴重だぞ。マジで」

「マジ、で……?」

「そうそう、マジでマジで。もし、管理者と戦った時、リヒトの回復なかったらどうなってた?」

「……死んでた」

「だろ。必要ない奴なんていねぇよ」


 リヒトは黙る。


「過去は消えない。でも今のお前もちゃんと見ろ。過去の自分に負けるな」


 これ以上は言えない。

 と、言うことで――……


「よし、宝はどこだ」

「待て待て待て!!」


 アルカに止められた。


「リヒトが立ち直るまで待てよ!!」

「言うことは言った。俺は金を探す」


 アルカと言い合っていると、後ろからリヒトが近づいて来た。


「……もう。もっと構ってくださいよ」

「それはアルカに頼め」

「カガミヤさんがいいです」

「俺は嫌だ」

「俺が一番傷ついてるんだが?」


 ……まぁ、立ち直ったな。


「で、宝どこだ? あの宝箱じゃないよな?」


 二人同時に首を傾げる。


「さすがに違うと思うが……壁とか怪しくないか?」


 アルカがそう言うから、なんとなく壁を触ってみる。


「……お?」

「何かあるか?」

「出っ張り。ボタンっぽい」


 赤いボタン。


「押していいのか?」

「こういうのはな――押すものよ」


 ぽち。


「なっ! おい待て!!」


 ――ガタン。


「……今の嫌な音なに?」


 次の瞬間。


 ――バッ。


「え」


 浮遊感。


 下は真っ暗。


 床、消えてる。


「お、おちるぅぅぅぅぅぅ!!!!」


 三人まとめて、真っ逆さま。

 宝箱が当たりだったのかぁぁぁああああ!?!?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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