冷静さを欠くととんでもないことを呼び寄せる
村長が死んだことは、すぐに村中へ広がったらしい。
混乱が起き、元受付嬢が走り回っているという話も耳に入った。
最終的には、村を担当している管理者が収めたようだ。
まだざわつきは残っているが、一応、日常は戻っているらしい。
管理者が殺し、管理者が諫める。
……本当に、この世界は管理者によって回っている。
直接やり合って、よくわかった。
あいつらは、桁が違う。
俺が魔法に慣れていなかったとはいえ、あそこまで差があるとは思わなかった。
魔力の多さを過信していたな。
……まぁ、慣れていたとしても勝てたとは言い切れないが。
何が起きたのか理解すら出来なかった。
相手の属性も、能力の正体もわからない。
ダンジョンにSSSまであるなら、冒険者にも同等のランクはあるだろう。
だが、管理者はそのさらに上。
今の俺では、絶対に届かない。
それに――この世界について知らなすぎる。
何が出来るのか。
どんな属性が存在するのか。
管理者を……倒すために。
……頑張るしかないか。
「カガミヤさん、休まなくて大丈夫ですか?」
ベッドに座る俺のもとへ、リヒトが珈琲の入ったマグカップを持ってきた。
隣には、水を持ったアルカ。
「サンキュー。体はもう大丈夫だ」
「でも……」
マグカップを受け取り、一口。
その間に、リヒトが隣に座る。
アルカも反対側へ。
二人とも、心配そうな目だ。
「カガミヤがこんなに考え込むなんてな。やっぱ管理者は……」
「今の俺なら確実に死ぬ。今回助かったのは奇跡だな。完全に冷静じゃなかった」
……本当に馬鹿なことをした。
黒歴史確定だ。
遠い目をしていると、突然扉が開いた。
受付嬢か?
「…………」
「あ、餓鬼……じゃなくて、アマリア。……え、アマリア?」
なんでギルド奥の空き部屋にいる?
まさかトドメか?
……いや、こいつはそんなことしない。
でも、命令なら――。
警戒していると、普通に入ってきた。
「そんな警戒しなくていいよ。僕は戦闘向きじゃない。今の君とやっても負けるのは僕だ」
「信じられるかよ」
「まぁ今はいい。それより、アクアに喧嘩売ったんだって?」
うっ。
黒歴史掘り返すな。
「……売った」
「せめて、違う相手なら良かったのに」
「どういうことだ?」
「管理者には担当がある。僕はギルド」
まぁ、当然だ。
最初にそうやって自己紹介もしていたしな、お前の場合は。
「アクアは“処刑”。規則違反者の捕縛と執行担当」
……納得。
「あいつは冒険者相手でも同じ。抗っても瞬殺。負けたことがない」
「つまり、どんな相手にも勝てる戦闘能力が必要な役職、ってことか」
アマリアは首を横に振る。
「少し違う」
「え?」
「役職が必要だったんじゃない。アクアの力を抑えるために、その役職が必要だった」
……怖。
役職がなかったら、もっと暴れてたってことか。
「自分から暴れはしない。上には従う。クロの言葉も聞く。ただ、興奮すると止まらない」
「律儀では、あるんだな」
「問題は執着。面白いと思った相手は絶対に忘れない。必ず追う」
……ホラーか?
「君がもっと強かったら、今頃ここにはいなかったかもしれない」
「待て、強い方が危険なのか?」
「伸びしろを期待して泳がせてる状態。犯罪も犯してないから処罰理由もない。だから“今は”生かした」
うわ、面倒くさ。
「ちなみにアクアは管理者二番目の強さ」
「最悪」
「喧嘩売ったの君でしょ」
「……うっ」
冷静さ大事。
本気で。
「で、僕が来た本題は別」
「え?」
「君、完全に目を付けられてる。これからの行動、気を付けて。大きな騒ぎは起こさない方がいい」
……………………。
「え、マジ?」
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