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チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします  作者: 桜桃
第一章 セーラ村

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俺は何も言っていない

 精霊を見せると、アマリアが目を見開き、そのまま固まった。

 だが、すぐに気を取り直し、無表情へ戻る。……冷静だな。


「まさか、精霊まで引き継いだ……わけじゃないよね。今回のダンジョンで手に入れたのかな」

「そうだよ。財宝を期待していた俺からすれば、残念極まりない代物だ」

『酷いです、ご主人様ぁ~~』


 泣きそうな顔を向けられてもなぁ。

 機嫌を損ねたスピリトの頭を撫でると、アマリアが顎に手を当てて首を傾げた。


「精霊より財宝の方が良かったなんて言う人、初めて見たよ。普通は精霊の方が嬉しいものだけどね。精霊が潜んでいるダンジョンは少ないから」

「あ、そうなんだ。でもなぁ、やっぱ財宝の方が良かったんだけ――……あ、ごめん。ごめんって。だから泣くなって」


 とうとう泣き出したスピリトを慰めていると、アマリアがじっとこちらを見てくる。


 ……何だよ。視線が痛い。


「懐かれているみたいだね」

「嬉しくないけどな」


 まぁ、これから報酬のために酷使する予定だし、別にいい。


「精霊は大事にした方がいい。何があっても助けてくれる存在だからね」

「見返りがあるなら一緒にいるけどな。売り飛ばすのも面倒だろうし」

「売れる場所なんて普通は存在しないよ」

「闇市ならいけそうだけど」

「裏社会の人間なら欲しがるかもね。あとは――僕、とか」

「…………は?」


 今までほとんど動かなかった口角が、ゆっくり吊り上がる。


 物欲しそうな目。

 その視線に、スピリトが震えながら俺の背に隠れた。


「言い値で買い取りたい。君の提示額を払うよ」

「管理者なだけあって金はあるってことか。本当にいくらでもいいのか?」


 空気が変わる。

 アルカとリヒトの息を呑む気配がわかる。


「いくらでもいい。精霊を売ってくれるなら、他にもオプションを付けよう」

「あ、それは悪くないな」

「話が早いね。じゃあ、いくらがいい?」


 ニヤつくアマリア。

 背後から制止の声。


 だが無視。

 俺は元々、金が欲しかったんだ。


 金のためにワイバーンを倒したんだ。


「じゃあ、金はお前の貯金全額でいい」

「そう来るか。まぁいい。それで、オプションは?」

「あぁ。《《管理者という立場を廃止する》》。それが最低条件だ」


 静寂。

 即答は来ない。


 ……愉快だ。

 予想通り、すぐには答えられないだろう。


「……驚いた。そう来るとは思わなかったよ」

「だろうな。でも精霊が欲しいんだろ? なら、出来るよな。口約束は信用しない。ちゃんと実行してから渡す」


 アマリアは俯き、無言。


「さぁ、どうする。この世界を仕切ってる外道集団の一人、アマリア君」


 笑みが消える。

 睨み合い。

 空気が張り詰める。


「……今回は、その交渉は見送らせてもらう」

「だろうな。受けるとか言われたら――……いや、何でもねぇ」


 あぶねぇあぶねぇ。


「受けたら、君は精霊を渡さないといけなくなるからね」

「黙れ」

「元々渡す気なかったでしょ?」

「黙れ」

「もう少し素直に――」

「マジで黙れ、このクソちび詐欺師」

「あはははっ」


 腹を抱えて笑うな。

 後ろではアルカとリヒトが安堵している。


 なんなんだよ、もう。

 だって、仕方がないだろうが。今も俺にしがみついて泣いてるんだから。


 はぁ、管理者の貯蓄、欲しかった。


「でも、精霊を諦めたわけじゃない。今回は見送るだけ」

「どんだけ欲しいんだよ」

「希少だからね。価値を知っていれば当然だよ」


 なら、普段は隠しておくか。

 奪われるのはごめんだ。


「あと、伝えておきたいことがある」

「なんだ?」

「僕はギルド担当の管理者。君の行動そのものには興味がない。でも、他の管理者は違う」


 うわぁ、そうなるのか


「勧誘する者もいれば、排除しようとする者もいる。だからこそ、自分が何のために動いているのか、忘れない方がいい」

「勧誘……。給料はいくら?」

「いくらだろうと、入るのはおすすめしないよ。ダンジョン攻略の方がよっぽど有意義だ」


 なんだよ、畜生。

 少し聞いただけじゃん、教えてくれてもいいじゃねぇかよ。


「まぁ、いいや。忠告どうも。でも、なんでそこまで?」

「さあね。自分でもわからない」


 左右非対称の瞳がわずかに揺れる。

 迷い。


「君は目立つ。良くも悪くも」

「……ですよねぇ」


 精霊持ちに加えて、この魔力量。

 目立たない方が無理だ。


「何かあればギルドを通していい。出来る範囲で協力する」


 信用はしない。

 だが、敵でもない。


「あんがとよ」

「信じてないね」

「当たり前だ」

「僕は君を気に入った。面白いことをしてくれそうだから」

「気に入った?」


 聞くけど、それ以上は語らない。


「じゃあ今度こそ行くよ。これから大変だと思うけど、諦めないで」


 そう言い残し、アマリアは手を振り、姿を消した。


 ……あいつ。

 管理者という立場を、どう思ってるんだろうな。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 色々と大変でしたが、なんとか無事ギルドへの加入は成功!試験合格おめでとうー!٩(*'▽'*)۶ 壊した機械の弁償も必要なくてホッとしました!(笑) アマリアくんから管理者というものについ…
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