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第68話 お馬さんと行こう!

 というわけでおでかけするよー。

 翌ログインも、お馬さんのところ、もとい、騎獣乗り場にゴーだ。


 いや、せっかくだから馬で一気に白金樺まで行けるかどうか試そうって話になりまして。

 ログインできないミューちゃんと、やっぱり馬には重種でも乗れないミケさんが置いてけぼりになっちゃうけど……


 なお騎獣の体力は騎乗中は基本無尽蔵だそうだ。ゲームですから?


 玉兎:つまり純粋に時間単位でどこまで進めるか、だね。

 アン:軽種でも重種でも速度は同じなのですね。

 ひまり:ゲームですから?

 ディ:そもそも体力無尽蔵な時点でなあ。

 ユー:絡まれも発生しないそうですしね。

 シング:リアルでも馬は案外強いとはいうけどねー。


 今日のメンツはディギーさん達三人と私とアンファルと玉兄さんだ。

 北斗さんは昨日騎乗練習してなかったそうで不参加、なのだけど。


[北斗]馬にビビられます。

[ひまり]わあ。

[玉兎]なかなか致命的だな?

烏哭(うこく)]種族適応を下げてみては?

[北斗]下げてこれ。切るのは不具合あるんで無理だしなあ。

[ミサキ]ノの字、尻尾あると種族適応下げた時に勝手に動くってマジなんですか。

[北斗]大聖含めてマジっす。狐もなのかな?

[ひまり]私下げたことはあるけど切ったことはないんで判んない。

[キリカ]そこまで激しくないですけど通常より派手に動きますね。


 なんだって……?!

 北斗さんの場合、種族適応をカットすると、左右にぶんぶん振れだしてバランス崩しそうになって危ないんだって。


(不具合じゃのう。他種族の場合も振りっぱなしになるそうじゃが、動きが穏やかなのと、和邇ほど重い尾ではない故な、そこまで危なくはない。槍蛇がちと怪しいくらいか)


 朔夜の解説。なるほどな?

 そういや北斗さんの尻尾、いかにもワニ!って感じで重そうでタテに平たくてギラギラしてるよね。


 なおこの不具合があるのはノの字と大聖だけだそうだ。普通の獣人は対象外。

 でもそういや特殊種族じゃないノーマル獣人系の人の尻尾も、常時ふわふわゆっくりと左右に揺れてたりはするんだよね……

 あれがうっかり激しめに実装されちゃっている、らしい。


 不具合っていろんなところに潜んでるんだなあ。



 現状で来れない人は仕方ない。そもそもミューちゃんが戻るまでは自由行動なので、無理に皆で合わせる必要もない。

 素材狩りなんかもしたいよね。30カンスト組はこれ以上経験値稼げないそうだけど。

 20の時にあった持ち越しはなしだって。

 これは次のレベル解放が正式版になってから、というのが主な理由だ。

 まあ現状Lv30あればCランクにはなれますしね。


 というわけで、騎獣乗り場で皆で馬を借りて出発だ!



 大アライアンスで押し通った場所を、馬で逆方向に駆けていく。

 虎はリポップしたものが時折見えるけど、威力偵察クエの時のような酷い密度では存在していない。

 だいたい黄金桜のオオヤマネコよりちょっと少ないくらいかな。


 玉兎:リポップも落ち着いたようだね。

 ディ:このくらいなら普通にパーティプレイで進んでこれそうだよな。

 ユー:ちょっと川沿い行っていいですか。カピバラさんに会いたい気分。

 ひまり:カピバラとハクチョウとカモノハシ!

 玉兎:川までのマップがないから任せる。


 三人組の方がこのエリアのマップが広いそうなので、こちらはお任せだ。

 思ったよりはルートが逸れないな、と思っていたら、前方に川だ。


 ひまり:これ黄金桜と黄玉橘の間の川とは別の川?

 ディ:調べたが竹林から流れてきて竹林の端で分岐して翡翠経由で海に行く流れと、黄金桜経由で黄玉橘の東の境界線を半分がた形成してる流れに分かれるらしい。

 ユー:黄玉橘側の川の最後は代々柑子の海に出るので、泳げない芋虫は黄玉橘側には出てこないんだそうです。

 シング:セリーテも泳がないみたい。イタチと狸は泳ぐんだって。


 なかなか設定が細かいなあ。

 そんな話をしながら覗いた川だったけど、カモノハシはどこにいるんだかさっぱりわかんなかった。残念。


 シング:カモノハシって数がいないのか、警戒心が強いのかどっちだろ。

 ユー:目が悪い分振動などに敏感だと聞いた気がするので、馬の足音で隠れちゃったんですかね。

 アン:カピバラさん、のんびりしていてかわいいですねえ。

 ひまり:かわいいねえ!ハクチョウも綺麗。

 ディ:癒し系すぎて狩る気になれない辺り……

 玉兎:カピバラ、怒らせると結構強いらしいけどね。


 幸いハクチョウはそこそこいたし、本命のカピバラさんは予想以上にいっぱいいて存分に拝めたので、姿を堪能したらルートを戻して、一気に黄金桜に戻る。

 通りすがりに見た限りだと、グリズリーのポップも行きと同様、いつも通りくらいなので一安心。

 黄金桜エリアに入った途端にレベリングパーティが一気に増えるからね。

 格上はあんまりいっぱいいても困るのだ!


 今回は黄金桜の南から草原1、2と駆け抜けてそのまま白金樺コースだ。


 ディ:お、あれがオオヤマネコ。

 シング:シャコ……海産物じゃないシャコ……鳥まるいかわいい。

 アン:美味しいんですよ。

 ユー:サブジョブ上げるときにつまみますか。


 ああそうか、この3人は南を攻めてたから北は初見、しかもみんな通常種族だからサブジョブ上げ実質必須だっけ。


 ディ:製品版でここまでの駆け抜け、できるかなあ?

 玉兎:騎乗可能時間は変わらないだろう?

 ひまり:空腹度実装の件ですね、判ります。

 ユー:結構体力消費するんですよ、乗馬って。

 アン:なんだかサンドイッチ無双がまだ続きそうですねえ。


 携帯できる食事が今のところサンドイッチ一択なんですよね、とアンファルが言い、ディギーさんもそれなー、と賛同している。

 調理人がそこにいて、騎獣が個人契約のそれであれば、随時休憩してBBQだなんだ、ってこともできるだろうけど、レンタル騎獣は降りると帰っちゃうからねえ。

 でも我々のかばんの仕様って、ほかのゲームとあまり変わらないからなあ。


 玉兎:かばんに突っ込む分には焼き串も入れられそうなものだが。

 ディ:……そういやそうだな。かばんと言ってはいるが、中身同士干渉しねえもんな。

 ひまり:今までだって普通に戦利品の生肉突っ込まれたりしてるもんね?

 アン:あー!全体にリアル感覚に近いので、ついリアルのつもりで考えちゃってますねえ……!

 ユー:かばんももう少し容量大きいといいんですがね。

 シング:今の荷物は少ないから戦利品もそれなりにため込めるけど、食事持ち歩くようになるときついよね?


 軽快に走る馬の上で、みんなでこれから先の話をしていたまではよかったんだけど……


 ヒヒィィン!!


 唐突に馬が大きな嘶きとともに棒立ちになった。当然放り出される玉兄さん以下我々。

 ディギーさんとアンファルが載ってたでっかい子だけは、急停止して頭を下げると、ふたりのドワーフを比較的丁寧に降ろし、我々を放り出した馬たちと一緒に走り去っていった。


 玉兎:えらく扱いが違う!

 ディ:重種に棒立ちやられると危険が危ないからしゃーなし。

 ユー:時間切れの仕様が酷い!

 シング:なぜひまちゃんはコケないのか!

 ひまり:仕様?

 アン:あれだけ派手に飛ばされたら滞空時間でどうにかできるわけですね。


 というかひまりちゃんは物理的に軽いから、他の人より派手に放り出されたんで着地までに余裕があっただけだよ!


 ディ:うーむ、妙なところで落ちたな。

 玉兎:寄り道した分を差し引きしても、一気に白金樺は無理か。

 ひまり:素直に街道走ってて正解だったね?

 ユー:駄弁りに夢中で時間見るの忘れてた自分たちのミスですしね……

 ディ:これも検証とはいえなくもないし?

 アン:街道沿いを行けばアクティブはあまり寄ってこないのでこのまま白金樺に行きますか。

 シング:アナグマってアクティブ?

 ひまり:ノンアク。美味しいからよく狩られてるけど。

 玉兎:そもそもこの辺りまで来るとアクティブはもうほぼいないからね。


 そういや3人もレベルカンストしてるな。イベントの時に上がったんだっけ?


 玉兎:仮免の時も時間切れまで乗ったことはないしなあ。

 ディ:仮免だと放り出されはしない。立ち止まって降りるまで動かないだけ。

 シング:多分セリーテあたりだと本免でも動かないだけな気がする。

 ひまり:馬だけの挙動の可能性?ありそう。

 ユー:時間が少し半端ですねえ。

 アン:アナグマ辺り少し狩っていきますか?あれも美味しいですし。

 ひまり:少し東に逸れてハクビシン狙うとうまうまだけど、そこまでの時間はないかー。

 アン:サンバー肉がまだまだスキル上げに使えるんですが、在庫はあるんですよね。

 ディ:それ背伸びしてねえ?第二だよねサンバーて。

 アン:レベリング最後の方は紅玉椿でやってたので、そっちの素材が多いんですよ。


 ほー、加工難易度、町の階位指定でも変わるのか。

 レベルが大して変わらないのに何が違うんだろうと思ってた。


 そのままちょっとアナグマをつまんでから、余裕をもって白金樺入りして、こっちの神殿でログアウトだ。


 なんか神殿の人が何か言いたそうにしてた気がするけど、なんだろう?

 なんでしょうね。※次回判明。

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