第67話 転職にご縁はなかった。
いろいろ開放はされたのですが回。
一応自分のステータスも確認したけど、やっぱり転職関連の表示はなしだ。
もっとお札書かないとだめっぽいね。
何故か符術師と呪符作成士はどっちもサブジョブに選べないらしいから、出たところで、どのみち選択はしないけど。
報告用パーティは解散したので、今ログインの残り時間はソロでうろちょろかな、と思ってたら、アンファルからパーティの誘いが来たので受領する。
ひまり:どしたん?手助け要る?
アン:いえ、ソロだと無言誘われが結構あるので緊急避難です。
ひまり:フレンドから以外拒否にしておきましょう!
アン:あっ。
ひまり:まあ今日はこのままいこっか。町から出る予定ないけど。
アン:私もありませんねえ。騎乗仮免の解除は行かないといけませんが。
ひまり:あっそうだった!騎獣乗り場でいいのかな?
早速冒険者組合から表に出たら、さっき解散する前にフレ登録したメンツもいた。
いや、ギュンターさんがいないね?まだ試験中?
「ギュン太なら再試ヘマって今実技からやり直してる」
きょろきょろしたらサルガルさんから情報が。って文字起こしがギュン太って!
「あれ多分せっかちな人だと選択ミスるんですよね」
「あー、その傾向は確かにあるなあ」
「ですよねー、っと、そうだ騎乗仮免!限定解除の手続きってここですか?」
一般会話でそんな話をしながら、騎獣乗り場の係員さんにも話しかける。
「ん?ああ、ここで大丈夫だよ!冒険者証を出しとくれ。お嬢さんがたもCランクおめでとうさん!」
係のおじさんはそう返事をしてくれて、冒険者証に軽く触れて何か操作する。
『騎乗免許の仮制限が解除されました。正規免許ではエリア間移動、及び市街への乗り入れも可能です。
レンタル騎獣の料金は変わりませんが、最大騎乗時間はゲーム内6時間に延長されます』
クエストクリアの時と同じ表示で、アナウンスだ。
ちなみに仮免だと騎乗時間はゲーム内3時間までだったよ。
流石に大蜥蜴さんでも3時間あれば大抵のエリアの端っこまで着くんだけどね!
ただ、町からしか乗れないから、仮に狩場に向かうのに使うと、帰りは徒歩だ。そこが現状最大の問題点だよね。
まあ今回Cランクになった人はだいたいカンスト勢か、もうすぐカンストの人が大半だから、当面は問題ない。
そもそもベータの間は30制限は解除されないらしいしね。
私も運営さんのその判断は妥当だと思う。RTAでもないのにちょっと急ぎすぎたかなー?って、自分でも思うもの。
[玉兎]すまないがひまりさんのパーティ、今は空き、あるかい?
[ひまり]私とアンだけだよ!
[玉兎]じゃあそうだな……僕とサルガル君を拾ってくれないか?アライアンスを組みたい。
[ひまり]ほーい。
ひまり:アン、玉兄さんとサルガルさんを拾ってー。なんかアラ組んでやりたいことがあるらしいよ。
アン:はあい。
玉兎:いやすまないね、検証し足りない部分があるので、少し付き合ってくれるかい?
ひまり:私はおっけー。
アン:私もとりあえずは大丈夫です。
サルガル:やあすまないね、人数がどうしてもはみ出ちゃってさ!
アン:このアライアンス編成を受けるんですね?
玉兎:うん、よろしく。
ディ::やあやあ!さっきぶり!人数不足でもアライアンス要請出せるようになってるな!
ひまり::ああ、そういえばそこ弄ったんだっけ。
シング::Cランクに!なった!
ユー::いやぁ、ミケさん強かったですね、生産職でトップですよねあれ?
……んん?
あっそうか!ミケさんが生産職の順位トップか!!
途中までは認識してたのに、いつの間にか盾職で考えてた!
だって、盾職カテゴリに入れても3位くらいなんだよミケさん……!
ひまり::生産職で50に入ったの、もしかしてミケさんとミューちゃんだけ?
ゴノダン::ワシが51位で、それより上はその二人だけだの!
玉兎::アラリーダーが意外と貢献度高いんだなあ。
サルガル::ゴの字は道中で虎に結構どつかれてたからなあ。
ゴノダン::幸い死に戻りはせんですんだがなー。あれ結構な減点だったんだの。
ギュンタ::やっと!終わった!C!!
アン::お疲れ様です。
お、ギュンターさん無事追試の追加と実技、終わったんだ。
なるほど、私とアンを除いて7人、ひとりはみ出すんだね。
ひまり::そういえば何するの?
玉兎::6時間でどこまで行けるか。アラである必要は本来ならないんだが。
サルガル::騎乗しながらだと通常会話じゃ厳しいからねえ!
ひまり::そっかー、いってらっしゃーい。
ギュンタ::あれ、ひまりさんこないんだ?
アン::今日は私に付き合ってもらうのです、ごめんなさいね。
ゴノダン::先約アリですな!致し方なし!結果は掲示板にでも?
ひまり::そうですねー、お願いします。
済まぬ、その種の野宿前提テストは今日はやる気になれないんだ……
と、見送る姿勢でいたんですが。
なおソロになると自動的にパーティ解除になるので、パーティとアライアンスはそのままだ。
玉兎::……だめだなこれ。
サルガル::だめっすねこれ。
ゴノダン::なぜ背伸びしていきなり馬を選んだ?
ギュンタ::いやだってかっこいいし早いし体力あるじゃん馬。
ひまり::どしたん?
ディ::乗馬経験ないからか、馬にバカにされてるなう?
ユー::普通はあんまりないですよね。
ギュンタ::ちゃんと乗れてる人が何か言ってるう!
シング::セリーテは仮免解除されてもエリア越えできないって盲点だったなあ。
うわ、最初の仮免の時にミューちゃんがセリーテに遊ばれてた現象が、馬でみんなに再現されてる??
どうやらユーさんは乗れてるっぽいんだけど。
ひまり:ねえアン、これ私も練習した方がいい奴?
アン:かもしれませんねえ。私も装備が軽装なら馬にも乗れるそうなので、せっかくだし、ちょっと練習しましょうか。
玉兎:お、カモンかもん。
サルガル:いらっしゃーい!みんなで馬にコケにされようず!
おお!馬、ドワーフが乗れるんだ!
早速騎獣乗り場で、二人で練習したいと申し出たら、なぜか嬉しそうな顔でおじさんが連れてきた、ドワーフが乗れるという馬は――
――足腰がっちり系のでっかい重種馬の血を引いてる感じの……おそらくこの世界の基準でも、農耕馬、って子だった。わあお!
「あらあらまあまあ、でっかわいいですね」
「ドワーフのお人には背が高すぎると不評なんだがねえ、大人しくていい子なんだよ?」
乗る前に馬の鼻面を撫でるアンファルの手は、めいっぱい伸ばされている。
馬の方もまんざらではなさそうな顔。
「嬢ちゃんはこっちな。軽種で足の速い奴。ちとヤンチャだが嬢ちゃんは身軽そうだから大丈夫だろう?」
私の前に連れてこられたのは、ちょっときかん気そうな、鼻筋に白い筋の入った鹿毛のスリムなお馬さん。
鼻面に手を持っていくのが危なそうな雰囲気だから、まずは首のあたりを軽くたたいて撫でる。
(安全は我が担保するが……一般的な手順に従うのもよかろうよ)
どうやら、何かトラブったときは朔夜が手伝ってくれるらしい。ありがとねー!
アン::では種族補正を下げて……かなり下げないとですね……いっそオフですかね……
ひまり::おっきいお馬だもんねえ。
玉兎::練習させてもらえるのか!ちょっと戻るよ!
ゴノダン::そうじゃなあ、このままじゃ落ちはしなくても危なっかしくて見ておれん。
アンファルは、踏み台を用意してもらって、よいせ、と大きな馬に跨る。
私はひまりちゃんの軽さを信じて、そのままノリでぴょんっと飛び乗る。
ちょっとお馬さんがびっくりした気がしたので、ごめんよー、とまた首を撫でる。
「嬢ちゃん達、馬は初めてなんだな?最初は係員が引いて歩くのがいいか」
係員のおじさんたちが寄り集まってくれて、気づけば玉兄さんたちも戻ってきて練習に加わり、騎獣乗り場の横の運動場が、乗馬倶楽部の初心者体験コーナーみたいになった。
なお私、意外と問題なく乗れております。アンファルも平気そう。
ってそうだ、アンファルの中の人は乗馬経験ある!!なんか雑談で聞いた覚えが!
ディ::なあ、狐ちゃんとアンちゃん普通に乗ってんだけど。
ひまり::私は初心者だぞ!
シング::は、ってことはアンさんは経験者か!
アン::こんなおっきな子は初めてですね!でも普通の軽種の子より大人しくて楽ですよ。
ユー::ああ、確かにここの軽種系、性格にクセのある子が多いですねえ。
サルガル::性格いい奴は軍馬行きでこっちに来るのは二軍らしいぜ。
玉兎::ようやっと、少し落ち着いてきたかな……
最終的には大蜥蜴に乗っていたゴノダンさんとディギーさんも農耕馬に跨ったりして、なんとか遊ばれない程度に乗れる感じになったところで、なんと短期ログアウト時間だ。
乗馬で1ログインの残り時間が溶けたぞ???
楽しかったからいいんだけど!!
アン::どうせなら和種馬みたいなのがいるといいんですけどね。
ゴノダン::我らドワーフぞ?
アン::和種って、完全武装の鎧武者載せて蹄鉄なしで山道駆け抜けるような頑丈な子ですよ?
サルガル::岬馬とかああいうやつ?
ひまり::リアルでは少なくなってるけど、ゲームでそういうの再現できたら面白いよね。
そんな感じで馬の話をしながら神殿に戻ってログアウトだ。
戻ったら今度は玉兄さん達に付き合って遠駆けでもいいかもしんないな、観光目的でさ!
※ユーだけじゃなくシングも乗れてます。二人ともリアル経験者組。




