第46話 新たな村はわんわんお祭り!
ゴブさん村があるんだからコボルト村もあるに決まってんだろ?回。
たまに接近してくるオオヤマネコを倒しながら暫く進んでいくと、野原の真ん中でうっすら光っているラインが見える場所に来た。
玉兎:境界線が目に見えるってこれか!
ひまり:なにこれ判りやすい。
ミケ:久しぶりにゲームらしいところを見たな?
ミュー:予想外にあからさま。
北斗:とはいえ案外うっすらなんだな。
アン:遠方からは見えないように、でしょうか?景観を妨げない程度に感じますね。
全員で一通り確認してから、皆でえいやっ!とラインを踏み越える。
りんごーん!とベルの音が響くかと思ったら、何もない。
玉兎:町まで着かないとアナウンスはないんだな?
ひまり:あー、そういえば掲示板に転載されてたアナウンス、町の名前だったもんね。
ミケ:そもそもフィールドでは表示されんからなあ、あれ
北斗:そういや俺ら見逃したもんな、狩ってる最中で。
そういえばそうだった、町に着かないとアナウンスは流れない、把握。
そんなわけで、獲物を探したり確認したりしつつ進んでいく。
レベルの方はLv23~27といったところ。
生き物は引き続きオオヤマネコ、コモンシャコ、そして新規参入のアードウルフという灰色と茶色の縞々で、黄金桜周辺で見る狼よりは小さい動物と、ランドディアという小柄な鹿。
但しレベルはこちらの方が断然高い。
狼と鹿は、ソロのものと小規模な群れをつくるもの、両方がいる。
あと頭上で声がするなと思ったら、キツネリスよりだいぶ小さいリスと、色違いの小鳥が数種類発見できた。
そして、小鳥を一種類ずつチェックしていたら、ぴこん!と通知音。
ひまり:おお!【動物鑑定】が取得可能になった!安地まで取れないけど!
玉兎:お、僕も生えた!ラッキー。
ミケ:鑑定系は【観察】あるとホント早いな?
北斗:【観察】が生えねえ……ぐぬぬ……
アン:私も生えないので知識+知性の総合値辺りが関連していそうですね。
ミュー:【観察】生えた!
そういやミューちゃんとアンファルは種族違いでスキル取得チュートリアルも早かったんだっけ。ミケさんを含めて生産職向けのスキルを取ったって話は前に聞いたな?
玉兎:このタイミングで【観察】の方が生えるんだ……
ミュー:実は技能で生えてたからスキルの方は取ってなかったんだー。スキル化しました!
なるほど、技能からスキルに育てたって訳か。その方がSPの節約にはなるんだろうなあ。
そんな感じでワイワイと草原から続く疎林を歩く。
アードウルフはアクティブだけど、数があんまりいない。
ゲーム的には我々しかプレイヤーがいないから、だろうけど。
ミュー:アードウルフって狼にしては愛嬌ある顔だなあ?
ひまり:リアル実在系。アードウルフは狼じゃなくてハイエナの仲間。といっても本物よりはだいぶ大きいね。
玉兎:普通ならダイアウルフ辺りが来そうなもんだが……
ミケ:王都に近づくにつれて敵が強くなるのは違和感あんなあ
アン:王都は安全であるべき理論ですね、判ります。
(王都界隈は高レベル捕食者、つまり強いアクティブはおらんからな)
珍しく、そこで朔夜から情報が入る。
ひまり:朔夜がね、王都まで行くとアクティブで強いモンスターはいなくなるって。
玉兎:レベル分布が謎になった……
ミケ:人口による捕食圧が強いから人類以外の捕食者は淘汰されてる感じか?
北斗:意図的に排除しないとそうはならんぞ?
アン:でも確かに、スタンピードが発生するような場所に都は置けないですよね。
うーん、ここまでの会話内容は大幅に外したことは言ってないだろうけど、なんか要素が足りないなあ?
幻獣とかそういう管理者がいるんだったりして?
まだ見ぬ土地の話をしながら歩いていたら、素朴な村、としか言いようのない集落が見えてきた。
長い長い木の柵がぐるりと草原を切り取り、その中には白い羊がたくさんと、茶色い牛もそれなりに。
玉兎:お、牧場だねえ。ここも酪農村か。
ひまり:わー!羊だー!かわいい!
更に近づくと、村も木の柵の中に取り込まれているのが判る。
そして出入り口の簡素な門の横には、二人のわんわんおが!?
「おう?見たところ冒険者さんのようだが、こんな田舎の村になんか用かい?」
「ここはクラバル村だよ!僕らみたいなコボルトばかりの村さ!羊毛や乳製品の小売りもやっているよ!」
北斗:まさかのわんわんお……w
ミケ:なんかいにしえのゲームっぽい台詞キタw
ミュー:犬種ばらばらなんだ?
ひまり:なんか用かいの人はダルメシアンっぽいねえ、もうひとりはどう見てもボダコリだけどw
玉兎:犬種とかそういうのは聞いてもいい話題なんだろうか……
アン:どう聞いたものだか……彼らの自認が判らないと何とも言えないですね?
「こんにちは!北に向かう途中の冒険者です!乳製品ってどんなものを売ってるんですか?」
まずは種族の話じゃなく、売り物の話から攻めていこうね!
最初から提示してきたってことは売りたいはずだし、こっちとしてもアンファルが絶対興味あるはずだし、チーズ試食とかあったら私も嬉しいからね!
「チーズとヨーグルト、それに乳清の加工品も売っているよ!牛の乳でも羊の乳でも作るんだ!」
「まあ!バターやクリームの類はありますか?」
ボーダーコリーさんの返答に、アンファルが早速質問を返している。
「あるけど、日持ちがあまりしないねえ。あ、でも冒険者さんか、魔法収納持ってる?」
「ええ、時間経過のないものがあるので、一通り、買えるだけ買いたいですね」
ミュー:いつも思うけどひまりちゃんの交渉は初手を失敗せんなあ?
玉兎:エルリならまず最初に犬種聞きに行って失敗しそうだし、わんわんおだー!って騒いで失敗する人もいそう。
ひまり:いや、わんわんおだー!はお触り抜きなら許されそう。エルリさんはまあ……
ミケ:あいつの場合初手警戒スタートだから会話までいかないのでは
北斗:あー、NPC好感度マイナス個体^^
そんな感じでいい感じに買い物からスタートです!
私もチーズと牛乳とヨーグルトを買いました!ミルクとチーズはご試食ありでしたよ!
ひまり:チーズの種類が意外と多い!そして牛乳がおいしー!濃い!
アン:コボルトさんは獣人より匂いに敏感だそうで、チーズにはこだわりがあるんだそうですよ。
ミケ:あー、要するにグラスフェッドかー脂肪分濃厚だなあ
北斗:ノンホモ牛乳って奴だなこれ?ムラがある。
玉兎:そりゃあホモジナイズド工程はファンタジー世界じゃ難しいだろう……w
ミュー:魔法の組み合わせでぱぱっとやれそうだけど、概念がないかもしれない?
面白そうだからちょっと聞いてみようかな?
「牛乳とっても美味しいです!でもちょっと飲んだ時に濃いところと薄いところのムラがあるような気がしますね?」
「ああ、町の人にもよく聞かれるんだけどねえ、ウチの村はコボルトしかいなくて、均質化のための攪拌魔法を使える人がいないんだよー」
「君たち生活魔法はマメに使ってる?一般魔法のレベル5で〈攪拌〉が使えるようになるんだけど!」
「一般魔法……残念、まだレベル3なんだよね」
ひまり:くっクエストフラグは立ったのにレベルが足りないっ!
アン:もしかして、ドワーフだと調理人不利……いや大丈夫、【攪拌】は技能にあるわ!
ミュー:ほんとに魔法でいけるのかw
ミケ:それも組み合わせじゃなくてまんま技能や一般魔法なんだなw
「それって調理人の技能でも大丈夫ですか?」
「え、調理人さんなのかい?だったらお願いしたいな!」
アン:おっけー、クエスト確保です!
玉兎:ジョブ系クエストとも違うんだな、これ?
ひまり:一般魔法レベルが高ければいけるっぽいからジョブ系じゃないと思う!
攪拌魔法や技能は、作りたいもののイメージをすることで性能が少し変化するんだそう。
アンファルは調理人としての技能補正もあるからその辺りはお手の物だって。
アン:本当ならホモジナイズド工程には高圧条件も必要なんですが、流石にゲームだとそこまで考えなくてもいいみたいですね。
ミュー:アンちゃんも調理関連だと雑学王クラスになるな……?
ひまり:燻製とかプルドポーク自宅で作れる人だから……
ミケ:え、それひまちゃんも食べたの
ひまり:リアフレのつよみ。
北斗:うらやまああああ!
自宅ってかうちで作ってたんだけどね。やわやわほろほろで大変美味しゅうございました。
アン:BBQグリル2タイプあるんで、レベリング一段落したらブリスケットとかやりますか。
玉兎:うわあ期待しかない奴。
ミケ:だがレベリングの一段落はいつなんだろうな
ひまり:流石にLv30キャップは外れなさそうだけど……ベータだし……
北斗:そうだよな、これベータだよなぁ、楽しいから製品版これでいいんじゃね感はあるが。
ミュー:流石にそこまでバランスは良くない気がするけど?
どうなんだろうね。
あんまり先を急ぎすぎるのって運営としては非推奨な気もするけど、イノさんや我々みたいなレベリング突っ走り勢は製品版でも確実に出るから、そこらへんも検証の内だと私は思ってるけどね?
アンファルのクエストは無事エクセレントボーナスが付いて、我々全員に[コボルトの友☆]の称号が付いた。称号はパーティ単位なのかー、ラッキー!
称号追加:[コボルトの友☆]
クエをオファーできなかったけど起動させたのがひまちゃんだから<パーティに付く
なおバターの方は普通に人力力技で作ってる。




