表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/97

第45話 北へ向かおう!

NPCとの遭遇、そして。

 短期ログアウトをいつもより手短に済ませてログインしたら、知らないNPCのおじさんたちと目が合った。わあ。


「おはようございますー。北に行く途中で場所を借りました!」

「お、おう、おはようさん。見慣れない格好だが漂流者さんかい?

 オレらはそこの幌馬車の護衛さ、白金樺から来たんだ」

「はい!黄金桜の方に割と最近流れ着きました!今は冒険者組合所属です」


 当たり障りなく挨拶したら、あちらから仕事を明かしてくれたので、こちらも冒険者だよ、と返事をする。


「ああ、あの辺空間の歪みが出来たのか、漂流者が急に増えたと聞いているな。

 こちらから吸い出されるとかはないから問題ないって話も聞いているが、現状はどうだい?」

「地元の人の行方不明の噂とかは多分ないです、組合掲示板にも出てませんでした」


 目視できる組合内部の掲示板はランク不足で受けられない依頼も参考資料的に見ることはできるから、一通り目を通してきている。

 クエストリストには出てこないけどね!


 玉兎:ん?そっちのおじさんたちは?

 ひまり:我々が寝てる間に北から隊商が来たみたい。護衛さんだって!

 ミケ:ほー?我々どういう風に見えてんだろな、落ちてる時って

 アン:神殿でちょっと聞いたんですが、人それぞれらしいですよ。

 ひまり:見えたり見えなかったりだったりする?

 アン:触ったりできるのは神殿の人と冒険者組合の一部の職員さんだけらしいですね。

 玉兎:そういえば運ばれ案件があったばかりだね……


 アンファルによれば、神殿の人はログアウト中の我々もきっちり視認できるし干渉もできるけど、普通の一般人に近づけば近づくほど、触れなかったり良く見えなかったりになるんだそうだ。


 鯖メンテの時に、神殿の人たちに運ばれましたもんね、ログアウト中かつメンテ中の我々。

 特殊技能が要る奴だなきっと?



「おはようございます。場所お借りしてます」

「おう、兄ちゃんらも……申し訳ないが、ホント変わった集団だな?全員漂流者さんかい?」

「ええ、その中でも変わった種族が多めですね」

 私に続いて玉兄さんも挨拶からスタートだ。

 ミューちゃんもキャラが実体化してるから起きてるはずだけど、なんか寝ぼけ顔してるね?


 ミュー:あれぇ、なんか眠い。先にログインしてたから15分要るのかも?もっかい落ちるぅ。

 北斗:思い付きでやってみたが、ログイン時間もきっちり揃えてからやらないとだめかあ。

 アン:明日以降の課題ですね。


 そんな感じでミューちゃんが出たり消えたりしてたら、おじさんたちに二度見された。

 これはどう説明したらいいんだろうね?


「……漂流者は変わった現象を起こしやすいというが……見えたり見えなかったりするそれはなんだ?」

 説明どうしようかな、と思ってたらどストレートに質問された。まあそうよね、消える人間とか警戒して然るべきよね……


「おはようございます、皆さん。

 黄金桜にできた神殿の方にお伺いしたんですけど、我々漂流者は世界にまだ馴染んでいないので、眠ってしまうと存在の位相がずれるそうなのです。

 神殿の方だと大抵の方は、我々が眠っていてもちゃんと見えているし触れるそうですよ」


 どうしよう?と首を傾げたら、アンファルがさらっと説明してくれた。

 そういや神殿で聞き込みしたんだっけ。


 玉兎:ゲームらしい設定だが地元民に通じるのかなその説明?

 アン:地元民である神殿の方にこのまんま説明されたんですよ!


「はー!そんな生態なんだ!つまり消えたまま移動したり人の話を聞いたりはできない?」

「隠密系の技能があればできるかもですが、それは地元の人も同じでしょう?」

「確かにそうだ!なるほど、説明ありがとうな!納得いったわ!」

「えー、俺よくわかんないけど」

「お前は学校出てねえからなあ、後で説明してやるよ!」


 おじさんは納得した顔になり、後ろで話を聞いていた、若そうな茶色い柴犬っぽいわんわんおが首をかしげている……ってえ?わんわんお???おるの???

 この世界わんわんお族存在するの?


 いかん、つい興奮した。

 わんわんおはファイトファンシーでの犬獣人の愛称だけど、割と見た目はほぼ、あっちのわんわんお族なんですよね、この柴犬系お兄さん。

 性別?声が明らかに男性だった!


 ミケ:わんわんおだ!

 玉兎:多分コボルトでは?

 アン:なんかファイトファンシーで見た顔……

 ひまり:これ見たら絶対ポインテッドさんが参戦する奴だ(

 北斗:ん?ひまちゃん、ポチと知り合いなの?

 ひまり:え?北斗さんまさかB鯖なの?

 北斗:いや、俺は参戦遅くてB鯖入れなかったんでS鯖なんだ。尚ポチはリアフレ。

 ミケ:B鯖……だと……?!ポチを知ってるひまちゃんとアンちゃんがリアフレってことは、俺こっちでも同じ人にメシの世話になってる?!


 まさかの:ミケさんが同鯖。

 誰だ?アンフィニのごはんって判定してるってことは、こないだのレイドアライアンスの中にもいたってことだよね?流石に気になるぞそれ!


(もしかしてラスちんですか!俺クレドっすw)

 そしたら本人からフレチャで答え合わせが来たよ!!

 それにしてもクレっちだと!?あっちじゃこんなにぎやかしキャラやってないじゃん!

 でもチャットの癖は似てなくも、ない?

 このゲーム、音声チャットは自動変換で文章ログに保管されるんだけど、そういう癖も反映されるんだろうか……


 いや、☆とか記号がちょいちょい補完されてるから反映されてる可能性が高いな……?


(アンー、ミケたんクレっちだってよ!)

(うわあマジですか。生産職なのにタゲ取りとかよく知ってると思ったら!)

 まずはアンに報告してっと。ファイファンのクレドさんは盾職専業だから、盾役に慣れてる気がしたのも納得だ。


(あてられたー!盾役挙動上手いの納得したわ!)

(盾は持てないし、敵対心の挙動、あっちとはだいぶ違うけどな。ヘイトの揮発が殆どないよこっち)

 ミケさんにも返事をしたら、改めて答え合わせが入って、ついでに同鯖なのは多分ミケさんだけだと教えてもらいました☆


 玉兄さんは北斗さんやイノさん共々S鯖だそうだよ!

 多分なのは、ミューちゃんがこっちに来てからのフレだから判らないそう。

 この間のレイドの話からすると少なくともうちアラじゃないけど。


 ミュー:ただいまー。おじさんたちとの話は進みましたか!

 ひまり:だいたい納得してもらって終了したけど後ろの方に柴わんわんがいた!


「……ヴァシに驚くかと思ったらそうでもねえんだな。黄金桜にはコボルト、いないだろ?」

 おじさんの方がそう話を進めてくる。


「そういえば黄金桜では見たことないですね!コボルトさんなんだ!」

「はい!この大陸だとコボルトは北の方にしかいないんですよね。南の方が涼しくて住みやすそうなんだけど!」

 種族を改めて確認したら、コボルトさん本人から快活なお返事が来た。かわいいな!


 ひまり:首回りふかふかー!耳かわいい!でも褒めていいのかどうか判らない!

 玉兎:多分大丈夫だとは思うが……かわいいとか言われ慣れてそうな顔だし……

 北斗:そういうの言われてる犬って判りやすい顔するよなあ。


「ああ、多分知らないだろうから先に教えてしまうが、こいつらは毛並みを褒められると喜ぶぞ?」

 そしておじさんからは補完情報が!そうか褒めていいんだ!


 改めて観察すると、コボルトのヴァシさんは直立するでっかい柴犬、というふかふかわんこだ。

 指は人間のそれに近いけど、肉球が付いていて、爪は平爪ではなくわんこらしい爪だ。綺麗に切り揃えているね。


「首回りがふっかふかで暖かそうですねえ、色合いも素敵」

「ありがとうございます!そのくらいしか取り柄がなくって僕!」

「いやいや、可愛いは正義だし、耳の毛の厚みもいい感じじゃん」

「尻尾丸まってるんですねえかわいい!」


 私と北斗さんで褒めてたら、ヴァシさんはすっかり照れてしまった。すまぬ。


 ひまり:いいなあわんこ。

 アン:ひまりさん、犬好きでしたっけ?

 ひまり:自分では命に責任取れないから飼いたいとは思わないけど、好きだよ!変に吠えなければね!

 北斗:無駄に吠える犬や噛み癖のある犬は飼い主が悪いんだ、犬のせいじゃない。

 ミュー:なんか北斗君、犬に嫌な思い出でもあるん?

 北斗:犬にはないよ!うちにもいるし!


 そういや北斗さんはお兄さんが狩猟やってるって話だから、猟犬がいるのかもしれないな。


 アン:そういえば猟をするご家族がいらっしゃるんでしたっけ。

 北斗:うん。だからうちの犬はでかいのもいるよ。家で無駄吠えはしないけど。

 ミケ:家では?

 北斗:獲物を追い立てる犬だから、流石に山に連れて行くと吠えるぞ^^

 玉兎:そうじゃないと危なくて逆に連れていけないよなあ。


(……犬っぽいのが好みか?)

 おもむろに朔夜に謎の質問をされたけど、生き物はだいたい好きだからね。

 朔夜が変化するにしたって、朔夜のなりたいものになるんでいいと思うよ?

 ああでも、今後もふかふか手触りだと嬉しいけどね!


(成程、考慮しておく)

 ふくっと毛を膨らませた朔夜の頭だけをちょっと撫でる。

 うん、今日もいい手触りだ!



「ではまたどこかで!」

「ああ、縁があったらまた!」


 おじさんたちは南の黄金桜に向かうから、私たちとは逆方向だ。

 お別れの挨拶をして出発するよ!


 この休憩場所は、黄金桜エリア最後の安全地帯だそうだ。

 つまりもうちょっとで隣の白金樺エリアですね!頑張りましょう!

流石におとモフ仕様のコボルトだと不便そうなのでちょっと変えた(手指の設定)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ