第40話 レベリング、どこまで行こう?
内容はほぼチャット回。
神殿の個室エリアを借りての短期ログアウトを挟んで、再度集合だ。
ひまり:寝床快適、クランよーし、騎乗よーし、後はレベリング?
玉兎:申請もちょっとは落ち着いたかな。
アン:一旦締め切って後はそちらから逆指名でいいのではないですかね。
北斗:今20名か。後5人くらいじゃない?囲えてないの。
ミュー:大聖もあらかた来たねえ、パンダさんとイノっちがいないくらい?
ミケ:大聖でもノの字でもない俺みたいなのがまだ数人いるから
玉兎:だなあ、ノの字はほぼ全員いるようだから一旦締め切るか。
うん、お札の練習中も私と玉兄さんはずーっと、お札とも境界の子とも関係ない人からの申請を撥ねる仕事してましたからね……
[キリカ]結構人数いるんですねえ、境界の子って!
[烏哭]ノの字これもしかして全員いる?
[ひまり]人数的には全員の可能性が高い、かも。
[豊前]お初の人ははじめまして!飯綱の一刀豊前だよ!
[北斗]ん?一人いないかも。覚賀ってノの字じゃなかったっけ?
[キリカ]あー、そういや見ないですね、金翼至海ノ鶚の覚賀さんですよね?
[ひまり]鶚?鳥の人いるんだ??
[北斗]鳥というより天狗!
[ミサキ]ちょうどいいタイミングなのではじめまして!黒翼紫峰ノ鵲、御先ミサキです!
[ミケ]ほほーう
[ミサキ]覚賀君ともども、天狗って奴です!衣装も修験者風ですよ!但し翼は飾りで飛べませんし、ジョブ自体は符術師ですが!
そんな感じでクランチャットはしょっぱなから大盛況だ。しょっぱなだから、ともいう。
ミュー:ミサキちゃんは取引あるけど覚賀くん?は知らんなあ?
玉兎:フレンドリストには載ってるが、最終ログインがメンテより前だなあ。
北斗:知り合い勢にちょっと聞いて回ったが、どうもあいつこないだの回線切断騒動の時から来てないらしい。
ミケ:……あー、イノから聞いた奴かな?なんか就職以降住所隠してたはずなのに親凸食らってブラックボックス奪われた奴がいたって聞いた覚えが
ひまり:わあ。
ミケ:機器は無事運営に回収されたそうだが、住所変更と正式な絶縁の手続きが終わるまで機器が戻せないんでログインできねえとかなんとか
アン:親は選べないですからねえ……
ミュー:いや待って?イノっちとかミケの知り合いの時点で成人だよねその人?親?
ひまり:……ミューちゃんは家族に恵まれているね?いいことだ!
親だから子供のためになることをする、とは限らない。私は、知ってる。
うちの親も、多分今の私の環境を知ったら、ゲームを取り上げるまではないだろうけど、楽な生活のためだけに乗り込んでくるだろうし。
昭和中盤までのド田舎の人はそういう厚顔無恥なところ、あるよね。
(あなたの御両親はこちらでも全く行方を掴めていません。調査は続けているのですが)
アンから、申し訳なさそうなフレンドチャットが届く。
(よく判らないけど、二度と現れない気はするから、調査は近隣にそれっぽい人がいないかどうか、くらいでいいと思う)
そう、なんでか知らないけど、あの人たちもう国内にいない気がするんだ。
死んでもいない、とも思うんだけども。
パーティチャットがちょっと重い雰囲気になったけど、それでも皆の足はフツーに歩いて騎獣乗り場だ。
レベリングは決定事項!ですので!
大蜥蜴とセリーテにそれぞれ騎乗する。レンタル料金は前払いで500エンだ。
ひまり:高いとも安いとも言い難い。
玉兎:安いと思う。
ミケ:絡まれが500エンでなくなるなら激安
アン:オニヒトデをスルーして森の反対側まで出られるのは有難いですね。帰りは徒歩だとしても。
北斗:状況次第では次の町目指しちゃうんでもいいんじゃね?
ミュー:あー、それだったら黄玉橘じゃなくて北の白金樺を狙いたい!
確かにそれもそう。北側のモンスターとかあんまり知らないけど、調べればいいだけだしなあ。
全員ミューちゃんの案に乗ったので、騎獣さんには北門から出てね、とお願いする。
行き先は音声で伝える式だから、近くにいるプレイヤーさんには聞こえたりもする。
なお現在クランメンバーの大半が騎獣乗り場にいますね……!地味派手!!!
[烏哭]お、北行くんだ?
[ミュー]Lv20にはなってるから、第二の町方面狙いで、どうせなら王都に近い方ってね!
[キリカ]いってらっしゃーい!我々もレベリングしよかー!Lv14か15あたりで回避盾パやりたい人3名募集!
[豊前]俺・烏哭・キリカが釣り役であとはアタッカーでいい奴だぞ!
[烏哭]どうせなら生産職でも、ってこのクランだといねえか!
[観音]おはようございます、わたくし治癒師Lv14の『聖なる絡繰』種、観音藤古と申します。参加希望ですよ。
[ベル]ハァーイ!石人2号、ベル・ニッニよ!ってだめかレベル3だったわワタシ!
[ミケ]同類おるんかwwwwwwww
クランチャットは、これまで3人編成だったキリカちゃん達がフルパーティを画策したのでだいぶカオスになっている。
結局治癒師の観音さんと大聖獅子のロビンハートさんがレベルが同じだったので一緒に出掛けることにしたようだ。
それにしても『聖なる絡繰』さん、なんていうか、観世音菩薩像みたいな人だったんだけど。
いいのかあのデザイン?
いや、石人もどっかの美術館で見た事あるような勢だから今更だな……
ベルさんも騎獣乗り場にいたけど、何処かの聖母子像の母単体みたいな感じの方でした。着衣像だったよ!
玉兎:やはり生産職不足……
ミケ:そもそも生産職選んだプレイヤー、全体の2割だそうだからしょうがあんめえ
ひまり:むしろ境界勢だけでもきっちりその数字に近いのにびっくりだよー!
アン:なのに生産職と符術師しかいないこのパーティ。
北斗:驚くことにほぼ完全成り行きだ。
ミュー:ミケだけは呼び出しされたクチだけどね!
ミケ:俺、生産職として呼ばれたわけじゃないからなあ
そうだね、最初からミケさんは硬いから盾役な!で呼ばれてたよね……
生産職だと知ったの、レベルが随分上がってから、だったもんね……
北側の草原2は初めて来るエリアだ。
他所のスクショで見かけた通り、短い草の合間のところどころに、白い石の遺跡のような残骸物が頭を出しているんだけど、それらのスクショにはなかった細い道が一本、まっすぐ北に延びている。
ひまり:バージョンアップで追加されたの、この道?
玉兎:恐らくそうだな。スクショブログ類でも見た覚えがない。
ミュー:これが主街道だとは思えない細さ。
アン:隔絶していた期間が長かったけど最近やっと交流が出てきた、辺りですか。
せっかくなので、一列に並んで細い道を辿っていく。
というのも、道の上にはモンスターとかが出てこないっぽいんだ。
なのでここを通るのが一番、ここいらでレベリングしている勢の邪魔にならないってわけ。
「うへ、もう騎獣乗ってる」
「レベル上げ頑張れ。Lv18のDランクで仮免解禁だから!」
知らない人のぼやきに、北斗さんが律儀に情報を教えている。
「あんがとよ!やる気出た!」
「だが治癒師だとパーティ組んだ方がいいぞ?斡旋しよか?」
「あー、できるとこまでソロでやりたいんだ!助言はありがた!」
ひまり:いろんな人がいるからねえ。
ミュー:いい人で良かったね。
騎乗中は喋る以外の行動は基本できないので、がんばれー、だけ言ってその人とはさよならだ。
クラン会話の方でも、次々臨時パーティが組まれて、クラメンだけで、あるいはほかの人たちも交えて、三々五々レベル上げに散っていき、会話が途切れる。
Lv3だと言っていたベルさんも、レベル差補正の検証に付き合え!と連れ出された模様。
玉兎:こっちだと何が獲物にできるのか……
ミケ:東1と3の、正に中間レベルっぽいから、森を抜けて反対側じゃないと獲物が居ないな、多分
アン:森だと多少レベルが変動しますけどねえ。
ミュー:そういえばこっち側にもゴブリン村あるのかな?
北斗:エルリによれば普通のヒト族の多い村があるそうだが、例によってクエストが沸かないらしい。あいつ調べるの好きな割に、やたらフラグの見落とし多いんだよなあ。
ひまり:ゴブさん村周りのレベル分布を考えると、その村は今回はスルーだね。
玉兎:そうだなあ。レベル上げの帰りに休憩させてもらうくらいだろうか。
東のゴブさん村で適正レベルが14~16だったっぽいからねえ。
それより1~2レベル低いだろう北側だと、森の村の側は適正12~14ってとこだろうか。
どうもこのレベルに対する適正値も幅が狭すぎる気がするんだよねえ。
具申しておくべきでしょうか?それとももう修正入ってる?
(複数から上がっておったなあ。時間あたりの経験値係数としては妥当らしいし、今回少し修正したそうだが)
あー、確かにレベリングしてて最初の10レベルは上げやすかった気はするな。
難しくなるのは、草原からはみ出す辺り、って考えるとそんなにとびぬけて変な数字って訳でもないのか。
ひまり:そもそもこっち側の森って何が居るの?西がカブトで東がコガネだからクワガタ?
玉兎:クワガタもいるらしいがコガネよりレベルが下だとか。
ミケ:アヒルがいるって聞いたけど、野生なんだから普通カモだよなあ?
うーむ、やっぱり森そのものは通り抜けになる予感……!
え?天狗おんの?何故?!とどこかでデータ見直しが発生していますね^^
あとエルリ君に足りないのはフラグ立てるための『NPC共有好感度』です。乙。




