第36話 メンテ明けはいろいろ大変!
さて、無事メンテナンスも終わった通知が来たのでログインです。
といってもこの時間からだと晩御飯と被るよなあ、と思ってたら、花枝さんが既にメールで晩御飯と被るので20時から希望です!って送ってたらしく、時間修正のお伺いがミューちゃんから来ていたので、OKスタンプを押しておく。
ちょっと待機していたら、ミューちゃんから時間変更承認のお知らせが届いていたので、まずは掲示板周りのチェックからだ。
思考制御入力、視線誘導より楽だな?!
これ、多分思考を普段から言語化して整理する習慣のある人の方が楽なんだと思う。
それにしても玉兄さんとエルリさんはバレバレですねえ。特定しますた☆
……っていうかエルリさん低レベルチャレンジやってたはずなのに、Lv20?マ?
一通り新スレを回って、閲覧オンリーのスレッドも見落としがないかチェックし終わったところで晩御飯だ。
「今日は夜更かしモードですねえ」
今日の担当は藤垣内さん。
そうね、普段だと23時に寝るから、ログアウト処理のあれこれやお風呂タイムも合わせると、ちょっと寝るのは遅くなりそう。
藤垣内さんが好きかつ得意な料理、少し辛口のトマトリゾットに、いつもと違ってチキンローストが乗っかっている。
むむ、胸肉なのに柔らかジューシー!やるな、藤垣内さん!
「おいしー」
「ほほう、腕を上げましたねえ」
「今日はログイン時間遅めにするって聞いてたから、ちょっとだけボリューミー」
ベータ外れたネタでしょっちゅうぐぬぬってる藤垣内さんだけど、こういう時にはさらっとフォローしてくれる。
お腹も膨れたので、歯磨きして麦茶を飲んでトイレ行ったら今度こそゲームサーバーへログインですよ!
ひまりちゃんが目を覚ましたのは、見慣れない場所だった。
あれ?冒険者組合の空き会議室で雑魚寝してなかったっけ?ここどこ?仮眠室でもないし、真新しい白いトラバーチン風の天井とか冒険者組合の建物内には多分ないぞ?
「あ、おはようございます。ご気分は如何ですか?
先日、冒険者組合の者が空き会議室に男女ごっちゃで漂流者さんを突っ込むという事案があったとのことで、一旦皆様を丁度新築完了したこの女神神殿の方でお預かりさせて頂きました」
縁取りに装飾のあるローブ系の衣装の、ゲーム的にはザ・神官さん、みたいな女性が、穏やかな笑顔でそう述べる。
「おはようございます。身体的には問題ないです、ありがとうございます」
そっか、神殿的には男女雑魚寝ってアウトなんだ。
仮眠だからいいよね!って思ってたし、冒険者組合の人もそんな感じだったから気にもしていなかったけど。
そもそもノの字の初期装備は脱げないしな、現状。このゲームは全年齢版よ!
神殿かー、お布施とか要るんだろうか。
と思っていたら、今回は臨時措置ですのでお布施などは不要です、とあちらから先に言われた。
(個人的に気に入ったなら10エン程でいいから布施を包むのはアリだ)
珍しく、アクションを起こす前に朔夜からアドバイスがある。
言われた通り、10エンを気持ちです、と、渡したら、ニッコリ微笑まれた。
「浄財をありがとうございます。女神様の祝福がありますように」
そう言うと丁寧にひまりちゃんの服装を整えてくれる神官さん。
「ありがとうございます!一緒にいた人たちはみんな起きてますか?」
「それぞれ隣同士の個室に配置させていただいていますので、廊下に出て、扉が開いていればもう起きておられますよ」
ほう、そういうシステムか。
と思ったら私が出る時に神官さんも出て来て、扉の下に三角のドアストッパーを挟んだ。
なるほど、空き室はこうやって知らせるシステムか。
「お、おはよう!」
「おはようございます」
「おっはよー!まさかログインした時点で居場所が違うとは!」
ちょうど、玉兎さんとアンも出てきたところだったので挨拶をする。
当然のようにミューちゃんから誘いが飛んできたので受諾。
そういえばパーティ情報保持してるの、短期ログアウトの時だけだなあ。
ミュー:流石にサーバーリセットかかるとパーティ情報系の設定は全部飛ぶ!おぼえた!
ひまり:おっはよー!全部飛ぶのかー。
玉兎:つまりパーティ情報もサーバ保管なんだな?ってそりゃそうか……
ミケ:おっはよう!謎の知らない天井ワロタ!
北斗:おはー。寝てる間に移動させられてるのは想定外。
アン:流石に驚きましたね。
全員想定外の事態だったのを確認して、ちょうどいいのでまずは神殿内を確認することにする。
とはいっても、今入れる場所はこの個室仮眠エリア(仮称)と、礼拝堂の手前の前室と呼ばれる場所だけらしい。
玉兎:礼拝堂に入れないのは想定外だな。
アン:ですが、信者の方しか入れないと言われたら納得ではあります。
ひまり:つまり信者になって神官職ルート、あるね?
北斗:あるだろうなあ。ノの字には現状関係ないから誰か人柱よろ?
ミケ:俺も無関係だぞ恐らく
ミュー:そもそも、転職システム自体がまだ未実装なんだよねー。
ひまり:それ以前に我々信仰の値がブランクのままですよ!
玉兎:そういえば項目だけで内容が未実装だったな……
つまり現状では神殿は緊急避難所としてしか使えない、って感じだね?
ひまり:お布施ちょびっと受け取って貰えたから、お布施で施設の拡充図るとかできそうかなあ。
ミケ:俺100エン渡したらこんなに頂けませんって突っ返された
アン:私は500エン出したら高額のお布施は記帳所にお願いします、ですって。
ひまり:仮眠所借りたくらいだと10エン程度でいいらしいよ。
玉兎:ソース?
ひまり:朔夜!
北斗:おおう、ほぼ公式回答じゃん。50エンは出しすぎ?
ひまり:受け取って貰えたなら問題ないんじゃない?
さて、ベータ期間では出来ることはあんまりないと判った神殿の方の調査は切り上げて、冒険者組合へ向かいますよ。
「申し訳ございませんでした!!!」
入ったなり、仮眠用の場所を手配してくれたおねーさんに平謝りされる我々であります。
「いえ、こちらの都合の緊急事態だったのですから、大丈夫ですよ。
神殿側から何かあるようでしたらお布施でも積んでおきますから」
そしてその場をさらっと仕切りに掛かるのは珍しくアンファルだ。
ミケ:発言がお大尽のそれ
ミュー:実際この中で一番お金持ちの可能性。
ひまり:ありそう。オークションも活用してるよね、アンって。
アン:ベータの間にNPC店員を雇えるショップが作れるか検証中なんですよ。
玉兎:知り合いで一番早く条件満たせそうなのがアンファルさんなんだよね。
ミュー:あー、食品だけは屋台形式でやれるからルート自体が短いんだっけ。
アン:というか、調理人だけは実店舗ルートが現状ないんですよ。
あれ?自分でお店持てないんだ調理人?
詳しく聞いたら、この町割と歴史が古いんで、新規店舗の出店の規制が厳しいんだって。
それでも過疎化で空き室自体はあるけど、食堂とか食べ物屋さん向きの建物は常時お店が入っていて空いてないんだと。
ひまり:じゃあ神殿が新しくできた辺りにいずれは店舗が作れるかも?
玉兎:そういえば広場の周囲は整備されたばかりで店ってなかったな。
ミケ:だがあの立地だとにぎやかな大衆食堂系は無理じゃね?
北斗:あー、ショップは現状あの場所も無理だって。神殿関係の建物で囲む予定だとか。
ミュー:そういえばこの国って貴族制度とかあんの?今のところ情報に触れてないけど。
ひまり:この町には貴族階級の人はご領主一家しか常駐してないらしいよ。冒険者組合で教えてもらったー。
以前、依頼票に偉そうな名前の人を見かけた時に聞いたら、それは他所の貴族様だから初心者にはお勧めできない、というか受けない方がいい、って言われたんだよね。
そのついでで、この町のご領主が 獅子吼ファイネリア香蘭 という名の女性領主様だと教えて貰ったのだ!
この方の依頼なら安心して受けていいよ、ひよっこにそんな依頼は取れないけど!ってオマケ情報付きだ。
玉兎:えー、ご領主が居る事しか教えて貰ってないぞ僕。
ひまり:ひごろのおこない?
アン:いうほど違う行動はしていない気がしますが。
北斗:かわいい子有利?
ミケ:ひまちゃんはNPC相手でもマメに挨拶するからなあ
ミュー:え、じゃあ名声度実装されてるんじゃ?
玉兎:いや、名声値は未実装って明言されているから、好感度だな、そっちは実装済みって明言されてたはず。
ひまり:かわいい子はきちんとあいさつもできるんですよ!
どうもイベントモード見る限り、ひまりちゃんってそういうコンセプトのキャラっぽいし、私の好みにもドンピシャなので、最近はそこを重視してややロールプレイをしていますよ。
現実でも挨拶はちゃんとしましょう?それは判ってるし実践もしてるけど、引き籠ってるのでいつもの三人しか挨拶する相手がいません!
ミケ:あー、この獅子吼なんとかってのが領主様か。依頼書の形式が他と違う
北斗:おお、D未満では受けられもしない。
ミュー:使ってる紙の品質がいいぞ……!
皆それぞれ好き勝手に依頼を評しているけど、我々の今日の目的なんでしたっけ?
どうせ狩場は激混みじゃよ。
……石人どうやって運んだんだろう……
なおショップに関してはこのVUでも未開放なので、下地の根回し済んだところでクエが止まります。残念。




