第130話 配信取材回:偏在キャラの日常とは?
時系列:配信開始してまだあんまり経ってない。
なので配信お誘い回よりは後だけど他の配信回全部よりは前。
配信者には、ファンレターやらリクエストやらが、意外と届くらしい。
勿論、届く先は基本的に私本人ではなくて、まりコポのご意見窓口辺りだけども。
なお現在のご要望のダントツ一位はスパチャ機能を付けろ、だそうです。
流石に弊社の存在理由的に無理ですねえ、と一蹴されているけども。
余りに多いので配信ページにFAQが作成され、一番上にスパチャ機能がない理由をつらつら書かれるレベルだよ!
そもそも『5D!』専用ギアセットである『ブラックボックス』がレンタルなのも、高校生のお小遣いで出せる程度のレンタル料金で運営しているのも、実はこの会社自体は非営利団体だからだ。
当然非上場。株式なんて買えない。
医療法人ではないんだけど、医療周辺団体の扱いであるらしい。
この辺りは玉兄さんからの又聞きだね。
そう、我々はあくまでも医療向けデータの集積の為に遊ばせてもらっているのだ。
その割に空飛んだり歩いたりなんて機能も出てきたりしてちょっとカオスだけど。
そのくせ水泳は未解禁なんだよねえ、謎だ。
北斗さんみたいに水辺スタートの特殊種族だとデフォで泳げるそうだけど、それでも海のアレにはどざえもんさせられるので……
そして今回のリクエストで、実行不可能なものを除いての最上位は、『偏在キャラが普段どんな感じなのか知りたい』だった。
そういえば中身入ってるときしか配信には載らないから、我々もあんまり判ってないな、それ?
「取材の時だとほぼ本鯖の自分と変わらない動きではあるよね」
「でもそれ以上のオートで動いてるときの偏在キャラって想像もつかない」
「たまにうっかり順番飛ばして間が開くと、違和感あるときはあるなぁ」
ログインしてそこらへんにいた偏在組、ソロモンさんと玉兄さんとぎゅん太さんに話を聞いたら、そんな返事だ。なんか変わった組み合わせだな今日?
っつかぎゅん太さん順番飛ばしやらかしたことあるのか。私も気を付けようっと。
「ん?ひまちゃん例のリクエストにお応えする構え?」
「お応えするっていうか、自分も純粋に興味があって!」
「それはそう」
追加で現れたミケさんも当然偏在+配信組だ。
生産職のあれこれを追及する動画なので、固定視聴者が多いらしいよ。
なんかリアルクラフターからも絶賛される回があったとかなんとか。
「それじゃあお互いの偏在キャラを取材して纏めて編集してもらう?」
「誰のチャンネルで流すんだよそれ」
「言い出しっぺでいいじゃん!」
そしてぎゅん太さんの提案にその場の全員が了承したのでそういうことになった。
言い出しっぺなのは間違いないし、しょうがあるまい……!
偏在キャラを取材する先だけ、それぞれ違うサーバーを選ぶということで、一旦配信組全員にフレンドメールを回して、っと。
言い出したからにはやるけど、調整が割と手間だなこれ?!
なお取材したいキャラはダントツでHiMaRi☆ちゃんでした。偏りすぎ!
私はミサキちゃんの偏在キャラ、みさきち☆ちゃんをセレクトだ。
だって空飛べる人じゃないと追いつけないからね!配信組で飛行系技能持ってるの、ミサキちゃんと私しかいない!!
HiMaRi☆ちゃんは普段は多分空飛んで移動とかはしないから大丈夫なはず。
運営からの説明だと符術師向けの導線整理とお札書き補助が仕事だそうだから!
みさきち☆ちゃんは、天狗なので空を飛ぶ。
私も何故か【飛行】も【空中歩行】も持っているので、隠蔽だけ掛けてついていくよ!
ただ、うっかりしてたんですがね。
ミサキちゃんもジョブは私と同じで符術師+呪符作成士だ。
つまり、普段やってること、空のお散歩以外ほぼ一緒!!!
それでも空からの風景とか、開くと元の大きさより大きくなる翼を姿勢制御に器用に使って飛ぶ姿とか撮れたので、撮れ高自体はいい感じにできたと思う!
厳正なるじゃんけんの結果、HiMaRi☆ちゃん当番になったソロモンさんからは、
「ひまちゃん偏在だと延々お札書いてるだけじゃん!!」
という苦情を頂きました。ごめん、それが仕様だから。
なお実際の配信では正座姿が新鮮!と意外と好評だったよ。
確かに普段の取材だとあっちこっちうろうろしまくるもんね。
もにもにもーにーさんは当然のようにうりぼう君とこに行き、うりぼう君ももーにーさんとこに行ったらしい。
というのも、この期に及んでもーにーさんがちっちゃいの以外不可!とか粘ったせいですね。
うりぼう君がどこでもいいよー、というユル勢だったんで助かった。
なおサウルさんとこが余ると予測してたら、何故かミサキちゃんが速攻でサウルさんを選択していた。なんでだろう?
HiMaRi☆ちゃん争奪戦に負けたレッキスさんはぎゅん太さんをセレクト。狸の尻尾で我慢する、とかぼやいてた。
サウルさんはというと、当たり前のようにソロモンさんを選んでいた。流石食欲魔人疑惑のある人は違うな!
ミケさんはレッキスさんを選択。生産者同士だから判りやすい、がその理由だ。
クレッシェンドさんは第二候補だったというミケさんを選択。音を聞かせてみたいって言ってたけどどうなるやら?
ぎゅん太さんはクレッシェンドさんとこになった。最後に残ったのがそこってなんでだろう?
オペ姉さんから届いた編集後ムービーを確認する。
……うへえ、このカオスをHiMaRi☆ちゃんチャンネルで流すんです……?
いやもう予想外のカオスでした!特にミケさんとことぎゅん太さんとこ!!
ミケさんはよりにもよって05:エレ鯖をセレクトしてたので、荒廃ぶりのほうに目が行くのはしょうがないんだけども……偏在生産職が頑張りたくても資材調達からしてままならないし、第三階位の町周辺エリアにもれなく魔物がいるという大惨事になってるよ。
なので生活物資の調達と魔物退治がエレ鯖の2大常設依頼だそう。
魔物は一般モブである動物やモンスターとは違う存在だ。
倒しても何も落とさない。経験値はくれるけどしょっぱい。
でも倒さないとどんどん増えるし、通常モブが減っていくんだそう。
おまけに放っておくと奴らの居場所が汚染されて、どんどん不毛の土地になっていってしまうんだって。
レガシー鯖では発生初期にメインクエストが進んで対処できたからか、散発でたまに討伐依頼があるだけなんだけどなあ……なお発注元は大体王家の誰かという……
ぎゅん太さんの方は取材自体はすんなりだったみたいなんだけどね。
終わりがけに10:ニヌルタ鯖のクレッシェンドさんファンクラブと揉めてしまったのよね。
……あの人鯖ごとにファンクラブあるそうだからなあ。いやそういうクランなんだそうだけど。
HiMaRi☆ちゃんにも鯖別ファンクラブクランはあるらしいけど、どこでも【いえすろりーたのーたっち!】がスローガンだそうで、トラブルを起こしたという話はどの鯖でも聞かないのよね。
っつかひまりちゃんてロリ枠でいいんだっけ……?いやそうだ、私も第一印象は和ロリだった!!あってる!!
とりあえず、『ぎゅん太さんパートが学級会案件になりそうですけど大丈夫ですか?』と、オペ姉さんに確認しておく。スタンプは保留だ。
程なくして戻ってきた返信には、『ちょうどいい機会なので釘刺しに使うんで大丈夫です』というおっかない文言が!成程わざとか!把握!!
ただ、実際に放送したら、思いのほか学級会にはならなかった。
コトが起こったニヌルタの鯖板ではがっつりシメられてたようだけど。
どっちかというと、総合板ではぎゅん太さんを取材したレッキスさんのパートの話題の方が多かったかな。
あと空中映像は予想通り過ぎて素敵だけどインパクトが弱いと言われた。ぐぬぬぬぬ!!
大体初動が落ち着いたら、総合板ではエレ鯖問題の話ばかりになった。
荒れっぷりがあそこだけ異様だもんね……
人口移入だけではどうにもならない感じがしだしているので、運営もなんとかしたいのだけど、初期住民がこれはこういうものだ、と言い張るので手出しがしづらいという話までファンダル氏が解説していたよ!
そしてアカウントメールの配信勢向け一斉送信で、エレ鯖取材が当面禁止になりました。
うぐう。
「まあ無理でしょうね、あの鯖、我々もいませんし」
夕食時にぼやいたら、魚売さんから衝撃発言だ。え?我々?って、真龍、いないの?
「いない……?」
「ええ、コピー時にエラーが出たとかで。まさかここまで影響があるとは思いませんでしたが」
「それって真龍だけの問題なの?」
珍しく詳細解説をしてくれた魚売さんに、藤垣内さんが聞き返している。
私も同感だけども。
「恐らく他にも欠けている種族はありそうですが……流石に他大陸の話ですし、私自身は偏在していませんから何とも言えないですね」
「セカンド作るにしてもそっちは通常種族だしねえ」
「ベータに居れば確定で偏在化してそうではあるのですがねえ」
そんな話に流れて、夕食でのゲーム話は一旦おしまいだ。
でもほんと、運営はエレ鯖をどうしたいんだろうな?
強制リセットかけてもいい権限は持っているはず、なんだけどな?
実際の放送内容は多分次回やるんちゃうかな。




