あとがき
「くノ一妖斬帖」の第四話「対決!雷音寺一門」と第五話「斬風!血を吸う妖刀」を読んでいただいて、ありがとうございます。
今回は伸びに伸びて、本来は一話分の話のはずが、四話と五話に分かれて掲載しました。
あらすじを振りかえって確認すると、第四話のあらすじはたったの四行でした。
それが随分と予定より伸びちゃいましたなあ……
それというのも、仕事の都合で数ヶ月ぶりに小説を書いたら楽しくなってしまい、話が脱線しすぎた、細かく書きすぎたのが要因だと思います。
江戸時代の古地図をながめ、各地の名所や歴史を調べながら、紅羽たちがここに来たら、どういった反応をするか、あれこれ考え、小説のあらすじや、忍法妖術、剣術対決などをあれこれ考え、空想の世界に浸ったことがとても楽しく、現実のストレス解消になりました。
映画を観たり、小説を読んだり、音楽に耳を澄ますのも、現実をしばし忘れ、空想の世界に浸ってリラックスするのが目的なのではないかと思います。
小説を書くのも同じような気がします。
もっとも、プロの作家さんになると、あまり自由に書けないので、執筆が楽しめないとよく聞きますが……
でも、某作家さんのエッセイによると、楽しく書けなくても、一発当てればウハウハだ、とかいうような事を書いていましたけどね(笑)
それから、紅羽・竜胆・黄蝶は豊後国の天摩忍群の隠れ里出身の女忍者という設定なので、豊後訛り(現在の大分弁)でしゃべるシーンを入れました。
紅羽は男装剣士らしく、ふだんは男の子っぽい口調ですが、気を抜くと豊後訛りになるという設定にしました。(今さらかよ……)
大分弁を調べてそれらしく書きましたが、実際に大分に住む方には、違和感を覚えると思いますが、なんちゃって大分弁なので、大目にみてくださいね……
ところで、今回は天明の時代に生きた実在の人物がかなり登場しました。中西忠蔵、杉田玄白、松平輝和、寺田五郎左衛門宗有がそうですね。
とくに剣豪の寺田宗有は天摩忍群の忍法のアイディアの元となった人なので、やっと登場できてほっとしました。
あまり、有名ではないですが、剣道史においては最強と呼ばれる剣士です。
尊敬する山田風太郎先生は、それまで絶対に売れない分野と言われた切支丹物や明治物を手掛けて、成功をおさめた方で、人の手掛けない物に取り組むパイオニアとしても有名な方です。
学生時代、歴史に興味のなかった私でも、山田風太郎先生の忍法帖シリーズを読んで、超人的な技を持つ忍者や剣士の活躍、空想的な忍法の数々、ストーリーテラーぶりを楽しみました。
が、同時に、有名無名を問わず、実在の人物や事件が登場し、「過去にこんな人物がいて、こんな事件があったんだ……」と、歴史に興味をもつ切っ掛けとなりました。
なので、私も見習って、時代小説を書くときは、有名無名を問わず、あまり知られてない歴史上の人々もピックアップして、小説で紹介していきたいですね。
「くノ一妖斬帖」のあらすじは、現在十本以上、あらすじのストックがあるのです。
が、時系列では五月の話なので、とうぜんながら雪女の話は使えないし、似た話は続けられない、変化球話はまだはやい……
などと色々、鑑みてから、プロットを作ろうと思います。
次回は、新元号の令和以降になるかもしれません……では、またお会いする日まで……
二〇一九年四月
辻風一




