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在りし日の空【架空戦記】~南方無人島の独立戦隊 零式観測機で かく戦えり~  作者: ともぞう


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第1話 再会

はじめまして。

本作は、太平洋戦争を題材にした歴史フィクションです。 実在した兵器や戦況を参考にしていますが、登場人物や物語は創作を含みます。

当時の空を生きた人々への敬意を込めて執筆しました。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。

激しい蝉時雨が、容赦なく五感に降り注ぐ東京の夏。

靖国神社の境内に、一人の老人が佇んでいた。

白髪に覆われ、深く刻まれた目元の皺。

だが、その眼光だけは驚異的なまでに澄んでいる。かつて「野生の目」で空の獲物を捉えていた、

東北の元猟師――新米だ。

老人は震える手で、懐からすっかり黄ばんでボロボロになった一通の手紙を取り出した。乱暴だが、どこか力強い筆跡。


『生き残れ。あとは頼んだ。

頑張れよ…そして…ありがとう。』


老人がその文字を愛おしそうに見つめていると、背後から聞き覚えのある、懐かしいだみ声が響いた。


「おい、マタギの兄ちゃん! こっちや、こっち!」


振り返ると、杖をついた小柄な老人――大阪の整備長のチーフが手を振っている。その隣には、仕立ての良いスーツを実直に着こなし、チーフを支えるように立つ大柄な老人――九州の若手整備兵の姿があった。

数十年ぶりの奇跡の再会。

3人のじいさんたちは、境内のベンチに腰掛け、自動販売機で買った缶コーヒーをカチリと並べた。

手のひらは、あの油まみれだった頃の硬い感触を今も忘れていない。


チーフ(老人):「しかし、東京のボンも、ここにおるんやろか。あんな軍律違反ばっかりして、上官ドツき回した荒くれ者が、こんな神聖な場所に静かに収まっとるとは思えんけどなぁ」


九州(老人):「(静かにこやかな笑みを浮かべて)ばってんチーフ、あの旦那のことですたい。きっと英霊の先人様達とも喧嘩して、今頃空の上で赤い零観ばブイブイ言わせとりますバイ」


新米(老人):「(缶コーヒーを見つめ、静かに首を振る)……旦那は、ここに居るよ。オレたちの胸の中に、ずうっと居るだ」


九州(老人): 懐かしそうに目を細めてぽつりと言った。


「……まだ

飛んでるじゃないですかね、あの人は……」



その言葉が境内の空気に溶けていく。

さっきまでの雨が嘘のように止み、青空が広がっていた。…と同時に、現代の青空が激しい太陽のギラつきと、乾いた大陸の埃っぽい空へと変色していく。


そこは1930年代後半――激動の中国戦線の上空だった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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