最終話
最終話です。読み飛ばしご注意を。
千枝利夫ことチェリボ。
意識が覚醒すると、日本での人生が終わり、チェリボとしての人生を始めた、同じ白い空間に居た。
チェリボは、自分の置かれている状況を把握すると、大きな声で叫んだ。
「おい! 何なんだあの世界は!!」
『何か、おかしな事でもありましたか?』
千枝利夫ことチェリボが叫ぶと、またどこからか声が聞こえてきた。
「何で俺が、あんな豚女と結婚しなきゃ駄目なんだよ!」
『世界には、世界の数だけ、価値観の違いがあります。あの世界では、太っている事は、苦労も無く、食べる物に困らずに生きて来たと言う、みなが羨む価値観の世界なのです』
「それと! 何で可愛い顔して痩せてる女は全員がビッチなんだよ!」
『ビッチ? 処女では無かったからビッチなのですか? おかしな価値観ですね 少し待っていて下さい』
『今、貴方が最初に生きて来た世界の事を調べて来ましたが、そんな価値観はありませんでしたよ?』
声の主は、千枝利夫ことチェリボにそう問い掛けた。
「とにかくだ! やり直しを要求する!」
どこまでも、自分勝手な男は、訳の分からない請求をしてきたが、声の主は、そんな請求には、まったく取り合わず、ただただ静かに、千枝利夫ことチェリボに告げた。
『残念ですが、貴方はもう既に転生をしてしまいました、後は天国や地獄に行くしかないのです、そして……与えられた命を自分の手で粗末にしてしまった貴方は、天国にも地獄にも行けません……』
『その自分勝手な妄想を、この何も無い空間で、存分と楽しむがよいでしょう、未来永劫、飢えることも寝る事も無く、存分に妄想を楽しみなさい、それではさらばです』
その言葉を最後に、千枝利夫ことチェリボがいくら叫ぼうとも、2度と応えてくれる事は無かった……。




