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第172話 冷凍焼き鳥

第172話

冷凍焼き鳥

夜も更けた頃。

暖簾が静かに揺れる。

ここは——深夜食堂 「忍」。

カウンターに座っていたマサは、

湯呑みを片手にのんびりしていた。

カラン。

扉が開く。

「マサさん、こんばんわ」

入ってきたのは常連客の鳥飼さんだ。

「おう、鳥飼さん。

今日は遅いじゃないか」

「いやぁ、ちょっと仕事が長引いちゃって」

鳥飼さんは席に座ると、

少し期待した顔で言った。

「マサさん。

鳥胸肉のパリパリ焼き、出来ます?」

マサは軽くうなずく。

「お、いいねぇ。

あれ好きだもんな、鳥飼さん」

その時だった。

冷蔵庫を覗いていた忍が、

慌ててマサのそばに来て小声でつぶやく。

「マサさん……」

「ん?」

「鶏肉、品切れになっちゃったわよぉ!」

マサは一瞬、天井を見上げた。

「あー……」

鳥飼さんが首をかしげる。

「どうしました?」

マサは苦笑いを浮かべる。

「鳥飼さん、悪い。

鶏肉、切らしちまった」

「えぇー……」

鳥飼さんがガックリ肩を落とす。

「今日それ食べたくて来たのに……」

マサは笑う。

「ほんと鶏肉好きだな」

「好きですねぇ」

鳥飼さんは足元の

クーラーボックスを軽く叩いた。

マサが気付く。

「……ん?

そのクーラーボックスは?」

「あぁ、これですか?」

鳥飼さんが蓋を開ける。

中には袋入りの——

冷凍焼き鳥。

マサが吹き出す。

「ほんと、鶏肉好きだなぁ」

鳥飼さんも笑う。

「まぁ、鳥飼ですから」

マサは腕を組んで少し考えた。

そして、ニヤッと笑う。

「……なぁ、鳥飼さん」

「はい?」

「その冷凍焼き鳥」

「えぇ」

マサが立ち上がる。

「焼いてやろうか?」

鳥飼さんの目が一瞬で輝く。

「えっ!?

いいんですか!?」

「材料持ち込みだ。

文句ないだろ」

後ろで忍が笑う。

「深夜食堂ルール、セーフね」

マサは炭火を用意する。

串を並べる。

ジュッ——

炭に脂が落ちる。

香ばしい煙が、

ゆっくりと店の中に広がった。

鳥飼さんが身を乗り出す。

「うわ……

もう旨そう」

マサが串を返す。

パチッ、と炭が弾ける。

「冷凍でもな」

もう一度、串を返す。

「焼き方で化けるんだよ」

やがて皿に盛られた焼き鳥が

鳥飼さんの前に置かれた。

「ほら、出来たぞ」

鳥飼さんは一本取る。

ふーっと息を吹きかけて——

パクッ。

しばらく無言。

そして目を見開いた。

「……マサさん」

「ん?」

「これ、店より旨いじゃないですか」

マサが笑う。

「そりゃあな」

炭火を見ながら言った。

「焼き鳥は、火が料理するんだ」

鳥飼さんは夢中で二本目に手を伸ばす。

その様子を見て忍が湯呑みを置いた。

「鳥飼さん」

「はい?」

「今度から店に来るとき——」

少し笑って言った。

「鶏肉持参でお願いね」

深夜の店に、

焼き鳥の香ばしい匂いと笑い声が広がっていた。



マサさん定番レシピ

フライパンで作る 冷凍焼き鳥

今回の小説では、マサが炭火で焼き鳥を焼いていましたが、

ご家庭ではなかなか炭火というわけにはいきませんよね。

そこで今回は——

冷凍焼き鳥をフライパンで美味しく焼く方法です。

実は少しコツを知るだけで、

香ばしさがぐっと変わります。

材料

・冷凍焼き鳥(塩でもタレでもOK)

・油(小さじ1)

・日本酒(小さじ1〜2)

・黒胡椒(お好み)

作り方

①弱火でゆっくり解凍焼き

フライパンに油をひき、

冷凍のまま焼き鳥を並べます。

ここでポイントは——

弱火。

いきなり強火にすると中が冷たいままになります。

蓋をして 2〜3分 蒸し焼きにします。

②焼き目をつける

蓋を外し、中火にします。

焼き鳥を転がしながら

表面に焼き色を付けます。

ここで少し香ばしさが出てきます。

③日本酒をひと振り

フライパンの端から

日本酒を小さじ1〜2。

ジュッと蒸気が上がり、

肉がふっくら仕上がります。

④最後に強火でパリッと

仕上げに 強火で30秒。

外側を軽く焼き締めると

焼き鳥屋のような香ばしさになります。

仕上げ

お皿に盛り、

お好みで 黒胡椒を少々。

ビールにも、

日本酒にも合います。

マサのひと言

「冷凍でもな……

火の入れ方で味は変わる。」

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