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part60

キール「オーヴィン、しっかり!」

オーヴィン「苦しい…誰か…」

???「おやおや、あなた方がこの時代の核でしたか」


紳士の姿、しかしその顔にあるのは紫の肌色、緑色の膨れ上がった血管。あまりにも醜いものだ。


キール「お前…確か数100年前くらいの…『反吐紳士』!」

???「とんでもない名前ですね。あのレディーの入れ知恵でしょうか。どうか私のことは『クチュルカ』とお呼びください」

キール「なんで今更僕の前に…」

???「時は来た、私たちがこの世界を支配する時がね!」


反吐紳士…もとい疫病と苦しみを支配する紳士クチュルカは自信に溢れた顔でキールとオーヴィンを見下ろした。再び火山に病が蔓延する…


キール【朽ちよ。我が国のために。あなた方が火を吹くその胎動を、我、借りることを申します。どうか、我に恵みを。キール・レヴィアタンの名において】


唄を歌うと、地脈の至るところから火が噴き出る。それはまさに地面の生命力そのものだ。マグマがクチュルカを覆い始め、目に見えない病を駆逐しているようだ。彼らの文明に「殺菌」などという言葉があるから分からないが、これはそれだと言える。


クチュルカ「ほう…」

オーヴィン「あれ…暑いはずなのにあったかい」

キール「炎は人を痛めつけるためにあるんじゃない。僕たちヒトをひとつにするためにあるんだ」


キールは持ち前の巨大な槌を振りかぶり、地面を叩き割る。炎の柱が三柱飛び出た。やがてそれは大きな炎を纏った渦となり、クチュルカに火の粉を散らす。


クチュルカ「くっ…!服に燃え広がる…!」

キール「100年がどうであれ、ここで終わらせるんだ!」

クチュルカ「…ふふ、なるほど…あなた方はどうやら、知能が足りないようだ」


クチュルカは服を脱いだかと思えば、その下から気色悪い触手をいくつも這い出させた。この触手で攻撃するつもりだろう。触手の有象無象がキールに飛びかかる!


キール「はっ!やぁ!ていっ!」


ひとつひとつを確実に捌く。重量級の武器なのが信じられない。


クチュルカ「あなた方が魔術を使うように、私も魔術を使うのですよ」

【豐サ逋ゅ@縺溘▲縺ヲ縲√♀蜑阪◆縺。縺ッ諱ッ繧偵☆繧句燕縺ォ豁サ縺ャ】


キールには何も聞き取れなかった。この唄は耳に届かない。耳に届かないなら効果はないはずだが、なぜか「理解しようと」意識を向けられるものだった。唄が終わると目に見えるほど濃い紫の霧が立ち込める。息を吸った瞬間、肺から血が吹き出すかのように、吐血する。


キール「ぐぇ?!あが!ああ!」


キールは激しくのたうち回り、水筒を求めて死にかけのセミのように暴れ狂う。


オーヴィン「な、何…?!キールさん!」

キール「水ぅ!!水をっ!誰かぁぁだずげでぇ!」

クチュルカ「おや…そこの少年には効いていない…」


オーヴィンは素早く水を手に入れて、キールの口に含ませた。しかしキールはその程度では良くならない。水を求めて今も苦しみ続ける。その醜態を見たオーヴィンや他の奴隷たちもまた、尻を抜かし動くことができなかった。


クルー「キール!『治療』!」


その時、白い髪を振り払いながらクルーがすかさず治療をする。たちまちキールオーヴィン容体が回復して、先ほどのように狂った人間の顔ではなくなった。


クルー「どういう状況ですか!」

キール「アイツ…例の奴らだ…」

クルー「数100年振りか…ふふ、ようやくぶっ殺せるわ」

クチュルカ「そう言えば、組織名を言っていませんでしたね。私たちは世界調律機関『シビリアンクローン』あなた方を何百年も併合すべく参りました、使徒でございます」


クチュルカの病の唄は、よほど至近距離で聞かなければ効果はないようだ。それに気づいたクルーは自身の能力『治療』を結界バリアーのように自身とキールに貼り付けた。


クルー「長きにわたる因縁に、決着をつけようじゃない」

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