表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/57

part41

爽やかな風が少し冷たくなり、その冷たい風が頬に

触れます。思わず「寒い」と言ってしまいそうな風が

国一帯を占拠しました。少し大きめのマフラーで身を包んだカルラの目の前には、あの時の食糧泥棒の

小さな生き物がたくさんいました。


カルラ「これで全部?」

民兵「ええ、捕獲できた個体だけではありますが」

カルラ「じゃあ今のうちに殺しちゃおうか」


カルラは自身の体の2倍ほどの大きさの弓を取り出します。矢は魔力で擬似的に再現。たったの一矢から

放たれる直線的な軌道が、いつの間にか何本にも

増殖し、害獣を撃ち抜きました。


カルラ「終わったね!皆んなありがとう!」

民兵「では我々は警護に向かいます。敬礼」

カルラ「えへへ、敬礼!」


カルラが額の前に手を当てて敬礼をすると、民兵は

何も言わずに自信の持ち場に戻りました。若干の

疲れが民兵の顔に見えたカルラは、ポケットから袋を取り出します。


カルラ「これあげる。私が作ったお菓子だよ!」

民兵「…ではありがたくいただきます」


菓子袋をもらって背中を見せる民兵に、カルラは

尊敬と労りの気持ちを持って手を振ります。


カルラ「…うん分かってるよ。でも国の外に出る

    までは待ってて」


独り言のように呟いたカルラはスキップをしながら

郊外に出ます。道ゆく人々はそれを不思議そうな目で

見ていました。


カルラ「ここまで来たなら大丈夫。

    特別に出ておいで。もう1人の私」


カルラがそう言うと、背格好がいつもの少女の

ものではなく、美しい女性の姿へと変わりました。

その目は真っ白のはずなのにどこか黒みを帯びて、

笑っている顔の口角も、自然と恐怖を感じられる

ものとなっていました。


カルラ(大人)「さて、お前ができないというのなら

        私がやってやろうじゃないか。

        かくれんぼの時間だぞガキども」


カルラは地面に手を置くと、一度深呼吸をしました。

その瞬間細部までとはいきませんが、風の国全ての

情報を一気に鷲掴みします。法外な魔力をもつカルラにしかできない芸当です。色々な人の声、魔力、

温度、表情が一度にカルラの頭の中に入ってきます。


カルラ(大人)「こんなことになるのが嫌だからって

        やらないというのは理由になって

        ないって何度も言ったんだがな。

        箱入り娘には分からんことだな」


他人に見せびらかすように弓を携えて、カルラは

小高い山脈を目指します。麓の看板までおよそ10分、

看板には『戻らずの山 一合目』と書いてあります。

カルラが山に入っていくと、先程もう1人の自分が大量に駆除をした害獣がたくさん列をなしています。

蠢く姿、走る姿が、最早虫のようです。


カルラ(大人)「ここらに大元がいるのか」


そう言うとカルラは何の迷いもなく矢を放ちます。

矢の先端には魔術が組み込まれていました。


カルラ(大人)「手間暇かけさせたお前らに介錯が

        あると思うなよ」


矢は地面に突き刺さると、竜巻のような風を起こし

ます。その風に巻き込まれた小さな害獣たちは、

空中へ放り出されたかと思ったら、突然辻斬りにされました。


カルラ(大人)「あのなぁ、風なんていうここまで

        鋭い切れ味があるものは、他には

        ないんだぜ?」


害獣たちは苦しんでいるようですが中々死ねないようです。精度があまり高くないのか、一部を切り落と

されて、地面に叩きつけられる個体が多くいたの

です。それを当たり前の日常の一部として、何の表情も浮かべずしてカルラは見守っていたのでした。


カルラ(大人)「酷いだって?お前がやらないから

        私がやっているんだぞ我儘娘」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ