part29
メアリ「そもそもの問題であそこに住んでるヒトたち
が私たちを嫌っているのは、支配下に置か
れることや搾取が気に入らないからよ。支配
されたら自由がなくなるって言ってるのよ。
他の国のことを言っても言葉だけだって
信じないし。だからこの際だから、新しく
別のところから連れてくるのが手っ取り
早いわ」
ナンス「いや、だからと言ってどうして創るっていう
頭沸いた発言が出てくるんだよ」
メアリ「他国から引き抜くのは絶対に不平が出てくる
からよ。価値も生活基準も全く違うんだから
どこかで反乱でも起こされたらもっと面倒。
あくまで仕事量を減らすためにやっている
意味がなくなるのよ」
ジル「人体錬成は…禁じられているのでは?」
レイチェル「そもそもそんなこと誰も出来ないん
だから、アンタはどこからそんな確証が
出てくるのよ」
するとメアリは意気揚々と答えます。
メアリ「自分をもう1人創ればいいのよ!」
3人「…は?」
あまりの無鉄砲に3人は愕然としました。
人体錬成はダメだから自分をもう1人創るなど更に
有り得ないからです。
ナンス「お前どうやって創る気だよ」
メアリ「…私の身体を使うわ」
レイチェル「子ども創ったほうが早いんじゃない?」
メアリ「誰かと関係を持つのは論外よ!」
ジル「…勝手にしろ。俺は責任をとらない」
レイチェル「何を言ったって無駄よね。アンタは
頑固者よ。死にたいなら迷惑にならない
場所で死んでおきな」
ナンス「俺も人体錬成協力は却下。程度が知れてる」
こうして3人はメアリの考えに乗り気では無いことを示唆します。そんな3人をメアリは悲しそうな眼で
見つめます。
メアリ「分かったわ。この件は私が単独でやるから
あなたたちは見守っていてちょうだいな」
3人が拠点を去った後、リリアがメアリに聞きます。
休む前よりは顔色が幾分かよくなったように
見えます。
リリア「本当に大丈夫?私も正直に言っていけない
ことに加担することは少し嫌だよ」
メアリ「私が全責任を負いますよ。ですからお姉様も
安心してその時には遠慮なく突き出して
ください」
リリア(この子は…何処か逸脱している。自分が
やりたいと思ったことは、危険度度外視で
誰にも邪魔させたくない。でもどうして
そこまでするの…?)
メアリの行動意思を理解できない4人。その裏にあるものは一体何なのか?それが分かる日は来るの
だろうか?
メアリ「私…本当に最低だな」
メアリは何処かの暗い道を歩いていました。湿り気があって、光が差してこない舗装されていない道
でした。ところがそこは普通の道ではなく、洞窟の中にあった道でした。
メアリ「うん…ちゃんと育ってきてるね」
メアリの目の前には湖がありました。洞窟には光が
差していないというのに、その湖だけは美しく光り
輝いていた。そしてその中央には何かの物体が
あります。
メアリ「あ!もう眼が開いてるのね!流石天下の
『進化の湖』ね!」
その物体はまさかのヒトでした。透き通るほどの
白い肌、綺麗な女性らしい身体、流れるような茶色の髪、そして純粋の象徴の白色の眼。そう白色の眼…
メアリ「え?眼が真っ白?視力はちゃんとあるの?
そもそも核は大丈夫なの?」
メアリが訴えてもひとりごとに終わります。女性は
また眼を閉じてしまったからです。
メアリ「勝手に今までこの子を創ってきて、
皆んなには頼らないって啖呵切っちゃったし
正しく自業自得の因果応報かしらね…」
早速そんな頑固っぷりが痛手になってしまったよう
です。我儘は計画的にということでしょう。
メアリ「でも魔力とかはいい感じだし、人体錬成の
方法に則って私の細胞を組み合わせた結果と
してはいいのかもしれない…けどこの白い眼
はなんなの?」




