story2
―――剣は驚くほど簡単に抜けた。と、言うより触れた瞬間に抜け落ちた感じだ。剣自体もものすごく軽く、扱いやすそうだった。
ダイキはその剣を構えてゾンビ犬と戦う少女のもとへ走った。
「うおおおおおっ!」
「…え、その剣は―――」
ダイキは、振り上げた剣を力一杯に振り下ろした。すると、思っていたよりもとても軽い手ごたえが帰ってきた。ダイキに斬られたゾンビ犬は二つに割れ、赤黒い血液を吹き出しながら倒れ動かなくなった。
「た、倒した?」
「そう、みたいね」
あんなに頑張ってゾンビ犬と戦ってくれていた少女に申し訳なく思ったダイキは、少女に全力で頭を下げた。
「その、ホントごめ―――」
「―――ねえっ!その剣どうやって抜いたの!?」
「はぇっ!?え?この剣のこと?」
コクコクと勢い良くうなずく少女の表情は真剣そのものだった。その少女に気圧されたダイキは剣を抜いたときのことを話した。
「こう、なんていうかね。触れたらね?ぽろってね?だからね、べつに俺が抜いたっていう訳じゃないんだよ」
「うんうん。それでそれで??」
「それでって、そんだけだけど?」
「え…?だってその剣を抜けるのは伝説の騎士様だけじゃ…」
少女の興味が一気に薄れていくのが表情を見ているだけで良くわかる。でも、ダイキを期待の眼差しで見つめているのは同じだ。
「その、こんな話の途中に悪いんだけどさ、ここってどこ?」
「ここ?ディアナ王国よ。多くの伝説と大樹と草原がある王国だけど…もしかしてわからないって訳じゃないわよね?」
「あぁ。ごめん。やぁっとここがどこか理解できたところだから」
「ん?それってどういうこと?」
「ここは異世界で君はこの俺の専属ヒロイン!!で、俺はこの剣を抜いたから伝説の騎士だ!!」
と抜いた剣を高らかに掲げ、声高々と宣言したのだった。




