第14話:生存者(中編)
「……裕太。外で何を騒いでいるんだ?」
小屋の扉が開いて、メガネをかけた少年が顔を出す。金髪の少年は、その姿を見てハッとした。
「……あ、そうだった。まだ自己紹介もしてなかったよね。オレは根巳。こいつはオレの友達で、名前は深命。この中にいる、もう1人の友達は十矢だよ。よろしくね!」
ハキハキと喋る少年を見て、浦見は苦笑を浮かべた。坂井はまだ、彼らを警戒している。
「……すいません。よく分かりませんが、このバカが迷惑をかけたようで」
メガネの少年は、その様子を見て頭を下げた。根巳と名乗った金髪の少年が、その言葉を聞いて声を上げる。
「えー?! ひどくない? アキだって、味方を増やすのは賛成してくれたじゃん!」
「だからって、僕たちの都合だけで話すのはダメだろ。相手の条件も聞かないと」
ズレたメガネを指で直して、深命と紹介された少年が浦見を見る。男は、たき火の方に視線を向けた。
「……なら、その火をいったん消してくれ。一応、俺はこいつらの保護者でな。お前らを信用してないわけじゃないが……。できれば一緒にいてやりたいんだ」
「なるほど。それは当然のことですね。じゃあ、裕太。たき火に土を被せておいて。ライターのオイルは残ってるから、いつでも点けなおせるし」
浦見の言葉を聞いて、深命は納得した様子を見せる。そして彼は、根巳に向かって指示を出した。
「……へーい。分かりましたー」
金髪の少年が、少し不満そうにしながら、たき火を土に埋めて消す。坂井はホリーを連れて、おそるおそる歩きだした。少女たちは男と共に、深命が開けた扉から中に入る。狭い山小屋の中には、十矢と紹介された、もう1人の少年が座っていた。他の2人と比べて、小柄で臆病そうな彼は、浦見たちの姿を見て飛び上がる。そして男から離れるようにして、部屋の隅に移動した。浦見は彼を気づかって、反対側の壁に背をつける形で立つ。坂井とホリーが、彼の隣で床に座った。最後に、頭の後ろで手を組みながら根巳が入ってくる。彼は少し不機嫌そうにしながら、部屋の真ん中で、あぐらをかいた。深命は全員が小屋の中にいるのを確認して、扉を閉める。彼は迷って、鍵をかけた。その様子を見て、根巳は頬を膨らませる。
「そんなに気にしなくてもいいのに……」
「……すまねえな。こっちも色々とあったもんで、最初から友好的にはなれねえんだ」
見かねた浦見が口をだす。深命は黙って根巳に近寄って、その後ろ頭を軽く叩いた。




