第三話4『波乱の幕開け』
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「・・・やっと出来たぞ!」
ついに勧誘紙が完成した。ここまで長かったな。10分しか経ってないけど・・・。
「ホントだ!やったね!・・・ってあれ?」
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┃モテてることがうんざりな君! ┃
┃ きたれ悲恋部に❗ ┃
┃【重要】 ┃
┃ 日付 四月第四週火曜 ┃
┃ 場所 第二音楽室 ┃
┃ 時間 放課後〈四時から六時〉┃
┃ ┃
┃この世の理不尽な恋を共に終わら┃
┃せ幸せな余生を過ごしましょう!┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ 追筆 リア充爆ぜろ! ┃
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「ねぇ。楽斗、追筆要らなくない?」
何を言っているんだ?
「何を言っているんだ?むしろそこが重要なんだろ!」
「そうかな・・・・・・?」
「そうだよ!」
「そうか。そうだよね!」
そう言って蓮宮は消しゴムを取り出し、追筆をきれいさっぱり消した。
・・・・・・なんてことを。
「蓮宮、お前・・・・・・!!!」
「ハイハイ。分かった分かった。それじゃあ僕は先生に勧誘紙届けてくるから。今日はここで解散ってことで!」
「チョッと待・・・・・・」
「じゃあね~!」
ガラッ。ピシャン。
蓮宮は呼び止める俺を無視してそのまま素早く教室を出ていった。
何か最近蓮宮の俺に対する態度が酷くなってきた気がする。あくまで、『気がする』だが。
もしかして、もしかしたら嫌われたのかも知れない。
蓮宮に嫌われたら生きていける気がしない。嫌われてないことを祈ろう。
◇
教室に静寂が流れる。
「・・・・・・はぁ。俺も帰るか」
時刻は五時半。帰るのにはちょうど良いくらいの時間だ。
俺は溜め息をつきながら荷物を片付けて教室を出た。
この勧誘紙が波乱の幕開けになることは、今はまだ誰も知らなかった。




