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姉かわ  作者: 春波流音
第三話『地獄から脱出するための部活』
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第三話1『悲恋部』

「ねぇ。楽斗」


「何だ、蓮宮?」


「ちょっとお願いしていい?」


「何をだ?」


「僕と─」


「僕と?」


「─僕と一緒に部活やらない?」




 満開だった桜が散り始めた四月の第三週の月曜日の放課後。俺は蓮宮に部活を誘われていた。

 当然俺は、蓮宮の誘いを断るなんてことはなく二つ返事でOKした。後悔はもちろんない。


「ところで何の部活をやるんだ、蓮宮?」


 確か蓮宮は俺と同じ帰宅部だったはず。転部した何てことは聞いてない。


「とりあえずこれを受け取って」

 

 蓮宮の手から差し出されたのは、一枚のプリントだった。

 よく見るとこれは、入部届?なになに?部活名は・・・『悲恋部』!?


「蓮宮、何だこの部活・・・・・・悲恋部って、オイッ!?」


 説明しよう。悲恋とは、実らずに終わる悲しい恋のことである。

 悲恋の部活ってなんなんだよ!?


「恋を終わらせる部活だよ」


 何故か瞳をキラキラさせる蓮宮。

 終わらせてどうする!?

 ていうか、俺に至っては始まってすらないぞ!?


「っていうかこんな部活あったのか!?」

「ううん。これから作るんだよ!」


 驚愕する俺にガッツポーズを決めながら返事する蓮宮。

 なるほど。かわいい─じゃなくてそんな部活が成立するはずがない。

 大体、何が悲しくてそんな部活に入らないといけねぇんだよ!?前言撤回だ。悪いが俺は遠慮させてもらう。


 俺は握っていたペンを机に置いて入部届を蓮宮に返した。


「がんばれよ。じゃ」


 蓮宮には悪いと思うがこんな部活には入れない─入りたくない。

 人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られて死ぬらしいからな。俺はそんな死にかたはしたくない。


 すると、蓮宮は悲しそうに笑って


「そっか。楽斗は今の現状に満足なんだね?」


「どういうこと?」


「男子からモテているこの現状にだよ。僕が作りたい悲恋部は,そういった悲しい恋を終わらせるための─」


「詳しく話を聞かせてくれ!!!!」


 気づけば俺は入部届にサインをしていた。

 後悔はしていない。

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