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アルカディアリベル  作者: 描空


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132/132

132話 体育祭①

 いよいよ体育祭当日となった。俺たち生徒会は当日の朝他の生徒たちよりも早く学校で放送などの準備を進めていた。競技の準備などは委員会が手伝いをしてくれるためそれよりも前の段階の準備をしていたのだ。先生たちとグラウンドを均したり、マイクや競技で使う用具の確認、競技で使う器具の搬入などやることは多々あった。でも、これもみんなのためだと思い頑張った。先生たちと最終確認を終え少し休憩をすることにした。すると、鷲田先生が言った。


「本当に大変だっただろうけどよく頑張ってくれた。初めての生徒会でこんなに忙しいのに弱音一つ言わずみんなのために頑張れるなんて正直なところ驚いたよ。三年生とは言えまだ学生なのに本当によく頑張った。まだやることは残ってるけどひと足先に今までの仕事を労う意味を込めてそこまで等級は高くないけど、この中のアイテム一人一つ選べ」


「マジっすか!?」

「良いんですか!?」

「ラッキー!」


 そんなふうに俺たちはまさかのご褒美に歓喜した。鷲田先生が持つアイテムは全てアクセサリー系のアイテムで俺たちは誰がどれを貰うか話し合った。見た目的に欲しい物を選んだりして一人一つアイテムを手にした。そして、鷲田先生が各々選んだアイテムの効果を説明してくれた。


「まずユースが選んだのは断撃リングだ。この指輪にマナを込めると体に加わる外部からの衝撃を大半防げるアイテムだ。

 小出が選んだのは見弱のブレスレットだ。ブレスレットに触れてると相手の弱点が見えるアイテムだ。

 相川が選んだのは情熱のネックレスだ。やる気になった時いつもより良いコンディションで力を発揮出来るアイテムだ。

 中村が選んだのは直感のリングだ。いた効果が発揮するのかはランダムだが、ある時目の前に立ち塞がる物事に対して最適なことが直感で分かるアイテムだ。

 羽栖が選んだのは迷わずのネックレスだ。ダンジョンでも日常でも道に迷わなくなるアイテムだ。

 以上だ。これはみんなが頑張ってくれたこのに対する学校からの礼だ受け取ってくれ。でも、他学年にこれを言ったりしないように。生徒会にアイテムを貰うために入ってくるやつが出てくるだろうから」


 俺たちは首を縦に振った。それから俺たちは体育祭が始まるまで放送の原稿を読んだりして時間を潰した。後一時間もすれば体育祭が始まると思うと楽しみで仕方がなかった。中学以来の体育祭に心躍らせているとユースが言った。


「健斗は何の競技が一番楽しみ?」


 ユースの言葉に俺は深く考えた。俺たちが考えた体育祭はらしい競技がほとんどだが、一部攻略校らしい競技も考えていた。それは各部活の代表者による模擬戦だ。光正には俺と勝が所属している近接戦闘部の他に魔法をメインとしている部活や普通のスポーツ系の部活もある。その代表者たちがやる模擬戦は選抜戦と同じか近しいものが見られると思っている。その戦績で選抜戦までにどのぐらい訓練しなくちゃいけないのかも分かるため物差しにするのにも、一年生たちや他の生徒にもいい刺激になるだろうと思っている。他にもチームで先生と戦う競技もあるためどれが一番楽しみか決められなかった。するとユースがなんで何も言わないのと言いたげな顔で見てきたので言った。


「ごめんごめん何が一番楽しみか考えてた。でも、これだけ考えてもどれが一番かは決められないや。リレーも楽しみだし部活対抗の模擬戦も楽しみだし全部楽しみだよ」


「そうだよね良かった。何も言ってくれないから心配しちゃった」


 そんな話をしていると生徒たちが登校してきた。先生たちの指示で俺たちは教室に向かい朝のホームルームに出席した。塩田先生から注意事項や熱中症対策などの話を聞いてから俺たちは前日に用意しておいた各クラスのテントに向かった。テントに水筒やアイテムを置き体育祭開会式が始まった。開会式での生徒会の仕事はラジオ体操を生徒の前でやるだけなためゆっくりとしていた。開会式が始まると校長先生の前に三年生の団長が集まり選手宣誓を始めた。ありきたりな選手宣誓が終わるとラジオ体操が始まった。俺たちは普通にラジオ体操をやり開会式が終わった。開会式が終わると俺たち生徒会は放送の原稿を放送委員に渡し頼んだ。体育委員に一番最初の玉入れの準備をお願いし俺たちも一緒に準備した。普通の競技はアイテム、魔法を使うことは違反というルールにしているため普通の体育祭らしく盛り上がればいいなと思った。玉入れの準備が終わると放送委員が出場する生徒に招集をかけた。生徒たちの準備が整うと放送委員が放送を始めた。


「始まりました光正高校体育祭! まさかまさかの体育祭に生徒のみなさん心躍らせていることと思います。現に私も楽しみで仕方がなかったです。生徒会の方々が放送の原稿を書いてくださり私の仕事としては原稿を読むだけなのですが、ここで勝手なことをしたいと思います」


 俺たち生徒会と先生たちはなんだなんだと放送席に向かったが、他の放送委員が俺たちを宥めるため変なことはしないんだよなと心配で聞くと放送委員は聞いててくださいと言った。俺たちは心配だったが、放送が続けられた。


「みなさん生徒会の方々が今日私たちのためにどれだけ頑張ってくださったか知らないと思います。私も数日前まで知らなかったので何も言えないのですが、先生から話を聞いて驚きました。生徒会の方々は毎日夜遅くまで私たちのために膨大な仕事を引き受けてくださっていたのです。そんな生徒会の方々にまず私たちが言うことがありますよね? そう。感謝の言葉です。各々どんな感謝の言葉で大丈夫です。今回の苦労人である生徒会の方々に今までの感謝とこれからもお世話になることを込めてみなさん思いを言葉にしましょう!」


 放送の言葉が終わると俺たちは放送席の前に連れて来られ各クラスからの視線を感じた。放送委員がせーのと言うと各クラスから感謝と労いの言葉が俺たちを包み込んだ。ありがとうやお疲れ様と言った聞き慣れたはずの言葉なのに不思議と心に響いた。本当に頑張って良かったと心から思えた。そして、放送委員の粋な演出にも感謝した。


「さぁ! 生徒会の方々の努力を無碍にしないために最高の体育祭にしましょう! 体育祭第一種目は玉入れです。最初から盛り上げていきましょー!」


 放送委員のおかげで体育祭は最初からかなりの盛り上がりを見せた。玉入れは順調に終わり次は借り物競走だ。借り物競走は準備する物が多く少し時間がかかったが、何とか準備を終えた。


「第二種目は借り物競走です! どんなお題が用意されているのか楽しみなところですね」


 そんな放送をしていると全学年の出場者が集まったようで先生たちが生徒たちをグラウンド内の待機場所に入場させた。借り物競走とは言え普通にトラック半周を走るのと借り物を探すのでかなり時間がかかるだろうと見込んでいるため他の競技より多くの時間を確保していた。どんな借り物競走になるのか楽しみに観戦することにした。

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