第三話 多連式空中浮遊台座カーペタス
スカイツリーの天辺で鼻歌混じりに仕事の出来るおっさんは…
オバケは怖いのである。
結局オシッコに行けなかった。
娘達に見えぬ様に…
物陰で…
ペットボトルに…
これ以上はおっさんの、
尊厳に関わるので、
割愛しよう。
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新しい朝は来た。
希望もある。
家族でわちゃわちゃと、
伊勢海老の出汁の効いた味噌汁を頂き、
ベーコンエッグというふつーの朝食を済ませ、
テンションの上がりすぎたトゥエラが…
伊勢海老の殻を腕に着けて、
「さいきょーのよろいー」
とか騒いでいる
そんな妹の愉園を見て、
テティスは微笑む。
二人とも、出会った頃とは明らかに変わった明るい表情に、
おっさんもニチャァっと
気持ちの悪い顔を晒す。
跡形も無くなった砂上。
昨夜のパレードは、幻だったのか?
そこまでおっさんはボケてはいない。
なので歩き始める。
干物達の向かった先へ。
陽も上がり、遠くにゆらめく街並み…
否、蜃気楼。
空調服を纏い、プレハブを送還し、
また今夜の、美味しい晩酌の為に…
おっさんは歩き始めた。
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歩くことにも飽きたのだが…
こんな砂漠、車ではスタックしてしまう。
トカゲと竜車はどうした?
と思った諸君、
トカゲは還ったのだ。
荒野の環境が心地良すぎて、
旅を放棄した。
仕方がないので、黒猫に世話を頼み、
里親になってもらった。
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名称:《多連式空中浮遊台座カーペタス》
おっさんは過去に、数多の新築住宅を建築し、
記念用の動画としてドローンを飛ばし…
撮影、編集、商品化に励んだ。
大工ならではの作業である。
その時の歴代のドローンを全て召喚し、
コンパネに固定してゆく。
乗り心地にも気を配り、薄いウレタンフォームと、カーペットを施工し
異世界版、魔法の絨毯が爆誕した。
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細部にも拘った。
910ミリ×1820ミリ
コンパネの規格の大きさだ。
家族三人で座るには、申し分ないが、
整い過ぎている。
ジグソーを召喚し、歪に切り込みを入れ、
カーペットもわざと、
ほつれを作り…
ボロボロの、だが貴賓ある絨毯を演出した。
しゃがんで覗き込まれて(誰に?)
ドローンが見えてしまっては台無しだ。
魔力感が消えてしまう。
思案したおっさんは…
ファン以外の部分をウレタンスプレーで纏い、
あたかも、
雲の上にいますが何か?
と偽装した。
流石に…
【本物の魔法の絨毯】
のようにひらめく? ゆらめく?
ことは出来ない。
そこはおっさんのパッシブスキル:貧乏ゆすり
で間に合わせた。




