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第三話 多連式空中浮遊台座カーペタス

スカイツリーの天辺で鼻歌混じりに仕事の出来るおっさんは…


オバケは怖いのである。


結局オシッコに行けなかった。


娘達に見えぬ様に…

物陰で…

ペットボトルに…


これ以上はおっさんの、

尊厳に関わるので、

割愛しよう。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


新しい朝は来た。


希望もある。


家族でわちゃわちゃと、

伊勢海老の出汁の効いた味噌汁を頂き、


ベーコンエッグというふつーの朝食を済ませ、


テンションの上がりすぎたトゥエラが…


伊勢海老の殻を腕に着けて、


「さいきょーのよろいー」


とか騒いでいる



そんな妹の愉園《はしゃぎっぷり》を見て、

テティスは微笑む。


二人とも、出会った頃とは明らかに変わった明るい表情に、


おっさんもニチャァっと

気持ちの悪い顔を晒す。



跡形も無くなった砂上。


昨夜のパレードは、幻だったのか?


そこまでおっさんはボケてはいない。


なので歩き始める。


干物達の向かった先へ。


陽も上がり、遠くにゆらめく街並み…


否、蜃気楼。



空調服を纏い、プレハブを送還し、


また今夜の、美味しい晩酌の為に…


おっさんは歩き始めた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


歩くことにも飽きたのだが…


こんな砂漠、車ではスタックしてしまう。


トカゲと竜車はどうした?


と思った諸君、

トカゲは還(辞めた)ったのだ。


荒野の環境が心地良すぎて、

旅を放棄した。


仕方がないので、黒猫《ギルドマスター》に世話を頼み、

里親になってもらった。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


名称:《多連式空中浮遊台座カーペタス》


おっさんは過去に、数多の新築住宅を建築し、

記念用の動画としてドローンを飛ばし…


撮影、編集、商品化に励んだ。


大工ならではの作業である。


その時の歴代のドローンを全て召喚し、


コンパネに固定してゆく。


乗り心地にも気を配り、薄いウレタンフォームと、カーペットを施工し


異世界版、魔法の絨毯が爆誕した。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


細部にも拘った。


910ミリ×1820ミリ


コンパネの規格の大きさだ。


家族三人で座るには、申し分ないが、

整い過ぎている。


ジグソーを召喚し、歪に切り込みを入れ、

カーペットもわざと、

ほつれを作り…


ボロボロの、だが貴賓ある絨毯を演出した。



しゃがんで覗き込まれて(誰に?)

ドローンが見えてしまっては台無しだ。


魔力感が消えてしまう。


思案したおっさんは…


ファン以外の部分をウレタンスプレーで纏い、

あたかも、

雲の上にいますが何か?

と偽装した。


流石に…


【本物の魔法の絨毯】


のようにひらめく? ゆらめく?


ことは出来ない。


そこはおっさんのパッシブスキル:貧乏ゆすり


で間に合わせた。

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