第六話 地盤改良材フレコン噴霧!!
べチャリ……べチャリ……
長靴が埋まる。
娘らは何かあるとアレなので、
胴長靴を着せた。
再び訪れて、再確認した。
「こりゃーやべー粘土よ?」
おっさんは躊躇わない。
あれだ、青酸カリとかをぺろってしちゃう坊主…の心意気で。
手で掬い取り、観察する。
「鉄くっさ!やっぱこれだっぺねぇー」
フレコンバックをトゥエラに広げてもらい、沼地のような周囲の土をスコップで攫い回収してゆく。
相変わらずトン袋を被りくるくる回る…
もう幼女とは思えないレディーが愛おしい。
まぁ、あの程度の家なので…フレコンで7つや8つもあれば…
釜で焼いて瓦作ればいいんでないべかと……
思っていた時期が私にもありました。
ズズ…
なんか…
ズズ…
「ちょ、トゥエラ!テティス! 逃げろ!あっちの草の方まで!」
ズズズ…
沼っつーか…?
ぶくぶくぶく?
「ガスもヤバそうだな、マスク召喚」
い
ズズズ…
モタモタと退避する娘達にもガスマスクをぶん投げる。
「あっぢさ行っでろ!あどでいぐがら!」
マスクで籠る届きずらい声を…
ズズズズ…
娘達は理解したのか全力で走っていった…
ズズズズ…
彼女らが沼エリアを脱し、自宅方向に消えていったのを確認し…
ズズズズズ…
「これで、うるせーやつに対応できるな。ガキさえいなきゃ…」
言葉も悪くなる。
ちょっとビビってるし…
「いやドラゴンとか…美味しいだけだったじゃん?」
ズズズズズズズズズズズズズズズ…
それは…
屋根だった。
「瓦欲しかっただけじゃーん。」
すごい迫力だ。
そうだなぁ…例えるならば、、、
年末のMHKテレビの歌番組、某演歌歌手のセット。
「今の人は知らんか」
リハで急に故障したからと呼び出された三十日深夜。
ステージを埋め尽くす配線とコンパネ(表からは立派な城に見えただろうが)
あれの突貫修復工事。
それぐらいの泥(?)の壁が俺に押し寄せて来ていた。
「これってあれだべ、罠とかボスとかそーゆーんじゃなく…」
黙って立ってても、あっしが圧死する確率100パーなもんで…
「こうゆうこと当たり前にやっちゃうと、チートのインフレでネタ切れてきて作者エタったりするからやなんだg…」
謳ってる余裕もないので、全力を振り絞り、生コン車ポンプ車を複数召喚!!!
高所作業車もバケットが連なるように並べて配置して避難させてもらいながらの…
…地盤改良材入りフレコン噴霧!!!!




