第七話 赤飯の手毬寿司でっせ!
視界が曇る…
というかなにも見えない。
地盤改良剤の入ったフレコンバックは、100体召喚され、ポンプ車でぶち撒けられた。
在庫切れである。
「まぁ〜…ぶっちゃけセメントとたいして変わらんし、セメントなら石棺するくらい在庫あるからどうでもいいんだが…。」
俺を押し潰そうとしていた、屋根のお化け…
を…潰されてしまった生コン車とポンプ車…をギリギリ躱した高所作業車のカゴの中から見下ろす。
まじでヤバかった。あと数秒遅れたら、俺も生コン車になってた。
もうもうと煙る下界…
一瞬で動かなくなった屋根
「まるっきり屋根だよなこれ」
一般的に想像できる楕円形の甲羅の亀のお化け…
とは違う歪な形…
「いやふつうに方形だな」
方形屋根とは…
テレビをご覧の良い子にも分かりやすく説明すると、
「あれだ、ピラミッドを緩くしたやつ」
だそうである。
目見当で見ても、サイズも勾配も美しさも…
我が家にぴったりである。
誂えたような鼈甲素材の瓦。
しかもシームレス(継ぎ目がない)である。
「瓦の素材拾いにきて、屋根拾うやつなんているんか?」
沼に溶け込んだ地盤改良材は一瞬で硬化し亀の甲羅以外の手足を、見栄えの悪いコンクリートで固めた。
顔は退避したようで、引っ込んでいる。
あいつら…無事だったんだろうなぁ…?
リモコンを落っことしちゃったので、操縦できない…高所作業車のカゴから縄梯子を降ろして、腕力だけで降りて来た。
さっきまではべちゃべちゃしてた泥沼地帯は、スーパーの駐車場みたいにカチカチで歩きやすくなっていた。
屋根も気になるが、まずは娘達だ。
たぶん家の方に向かって逃げてったように見えたので、軌跡を追って帰ってみる。
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「ほらねーなんともなかったでしょー」
「mちぇtdきkh」
「おかえりなさいおとーさん」だってー
すっかりシャワーを浴び綺麗になってシャンプーの香りを漂わせながらハウスでくつろぐパジャマ姿の娘達。
と、雨と泥と粉塵と汗と加齢臭にまみれたスメルを漂わせながら玄関につっぷすおっさん。
いや…まぁ無事でなりよりだったよ。
若干の余燼を燻らせながら、風呂で身を清めるおっさん。
夕食はまだか?と娘達に急かされ、急ぎめに浴室を後にする。
生命の危機から五体満足での帰宅なわけだ。
お祝いに赤飯でも炊くか…
おかずは何が合うだろうか…
とわいえ、現場事務所内で済ませねばならないので、焼肉とかは論外だ。
多少の調理で子供らが喜びそうなメニューねぇ…
「アレをアレしてみっか?アレとアレは合うべし、アレとアレも…おぉ見えて来た。よしやろう!」
もち米と白米を2:1で研ぎ水に晒す。
小豆はザル越しのボウル内で洗って、水気を切っておく。
宝石箱専用冷蔵庫から、マグロとサーモンを取り出し、刺身包丁で薄めにスライス。
ボウルにめんつゆ、砂糖、胡麻油、おろしたニンニクを加えよく混ぜ合わせ、そこに刺身を漬け込み、冷蔵庫で休ませる。
漏電しない方の鳥で挽肉を作り、玉ねぎ生姜はみじん切り。生卵、片栗粉、醤油と一緒にボウルでこねる。
ちょっと分厚い500円玉?くらいに形成し、胡麻油で焼く。
わりとすぐ火が通るので、裏返して蓋をし火を弱め蒸し焼きに。
様子を見て蓋をとり、
醤油、酒、みりん、砂糖を合わせたタレで煮からめる。
同時進行で小豆を茹でる。タイマーを15…分っと…セットする。
茹でたらお湯を切り米の入ってる炊飯器へ。
さっきの茹で汁をちょっと加え水を調整し炊飯
待ち時間は、冷した酒をコップでぐいぐい。
「時は来た…」
炊き上がった赤飯を大きいボウルに開け粗熱を取りながら、甘酢とごま塩を振りかけ、いい匂いにする。
トゥエラの掌に丁度よいサイズに握り、漬けてた刺身やツクネを乗せ、ラップで包んで、
キュキュキュのキュ♪
鮮やかな花柄の絵皿に並べたら完成。
「赤飯の手毬寿司でっせ!すしくいねぃ!」
豚汁はインスタントで…
いつもの一点豪華主義




