第11話 決心
「なら、このゲームも一緒に脱出しようよ!孤立するのをやめたんでしょう?」
彼女が俺に問う。
「あぁ、確かに君の言っていることは正論だね。俺はあの時、孤立するのをのをやめようと思ったし、実際中学生になってからは友達との時間を大切に生きて来たよ。」
「だったらなんで?」
再び問い返す。
「結局、未来なんか見てなかったんだよ。何度も何度もみんなに流されて、毎回自分に未来を見据えるように言い聞かせて来たさ。それでもダメだった。周りの人がダメだと自分もダメになる。友達を否定するわけじゃない。それでも自分の生き方に反するのは嫌だ。だから、また孤立することを選ぶのさ。孤立すること、いわゆる“ぼっち”ってやつは、周りから見たらただの暗いやつで話しかけづらいマイナーなイメージだけど、自由度も高くて好きなことできるから意外と楽しいんだぜ。だから、このゲームをきっかけに変わるんだ。あっちに戻っても少しずつ悠人達との関係を薄めて行けばいい。あいつらとの楽しい時間や記憶を無くしたいわけじゃない。だけど、今の俺には孤独が1番なんだよ。それに、最低なことを言うようだけど、君が俺にそこまでする意味って何?俺にはそこまで俺に尽くしてくれる君の気持ちがわからないんだ。だから、ごめん。君と旅をするには今の俺じゃ無理だ。もう少し待ってくれないかな。」
熱くなりすぎた。でも、これが俺の今の気持ちだ。罪悪感なのか、彼女との別れを決めた寂しさなのか、涙が出てくる。
「……分かった。でも、いつでも頼ってね?その時になったらその“理由”も言うから……。じゃあね。」
彼女はなにかを言い残したかのように、だけど足早に去って行ってしまった。
俺は、前の自分が好きだった。前っていうのは小3の頃の話じゃない。ゲームに入る前の話だ。むしろ、小3の頃の俺は嫌いだ。言いたいことも言えず、ただ人のいいなりになっていたあの頃の俺は。そっから俺は変わった。言いたいことを言い、配慮しなければならないときは我慢して、TPOをわきまえて来た。じゃあ、今の俺は?俺自身はどうなのか。好きなことははっきりと言える。だから、嫌いだ。俺はさっきまで、ユキナさんの意見を受け入れなかった。あの頃の嫌ってた相手、そのまんまの俺だった。成長しても好き嫌いは変わらない。あの頃のアイツは今思い出も最悪だった。でも、今の自分だってそうじゃないか。身勝手な奴のこと嫌いな俺が一番身勝手だった。
…………俺は何も変わっていないのかもしれない…………
大きく変わったようで何も変わってない。結局は腐った心の持ち主なのだ。
自分の思い通りに行けばいい。それだけを願って生きているだけなのかもしれない。なんなら、あの時の俺の方が人の気持ちを理解していたのではないか。それはないか。相手のことを殴ってしまったんだからな。そう。結局は何も変わらなかったのだ。
〜宿屋 レーヴ〜
「ただいまー。」
いつもと同じように声をかける。
「お帰りなさいませ。本日のご夕食はカレーライスでございます。」
おっ、カレーか。ていうか、いつもとNPCが違うな。
「それと、明日は10日目サービスとなっています。明日の朝食が済みましたらお声かけください。」
ペコリと頷く。まだ、9日しか経っていないのか。明日は、ギルドってやつの申請してみるか。
〜1時間後〜
カレーが懐かしかった。それも、いつもは味わえないけど、辛いもの好きの俺に合わせたスパイシーカレーだったし。ここでの生活も充実して来たな〜。明日から気持ち切り替えて頑張りますか。
数日後、改稿します。改稿の報告は次話の後書きにて報告いたします。




