23 野心家イーモン
あっと言う間に検問所と門が出来上がって凄いと思った。凄い職人さん達だな。オーキッド領マジで大丈夫なのかな??
前公爵と現公爵の格の違いが明らか過ぎだよ。もしかして殆ど空とかないよね??明らかに此方の人数凄いんだけど…。
だからなのかどんどん土地が広がってるよ。壁にぶち当たるのも海が見えるのももう直ぐなんじゃないかな?
そろそろどの位置に何を建てるかとか考えないと行けないんじゃないかな?そういえば魔法とかで建物は建てられないんだろうか?アクアなら出来そうだけども。多分3人だったら建ててたんじゃ…?我が家だけアクアが建ててくれないかな?ちょっと考えがあるんだよな…。
考えてみると乙女ゲームの情報少ししかこの世界の事知らないんだよな。お金の価値すら知らないからな。どの位国があるとかどの位種族がいるとか魔法の事とかお金の単位とか全く分からない。アイノルン様に最初に聞いとくんだった。まぁ、気付いた時には赤ん坊にされてたからな。
その頃イーモンは王と対峙していた。
「手紙を読ませて貰ったが…前代未聞の事態だぞ!領地の全てが空になるなんて事はない!しかも教会や各ギルド迄とは一体どうなっている!!どうしてきちんと領地を治めなかった!!しかも、しかもオーキッド領を拠点にしていたAランク冒険者達迄こぞっていなくなったのだぞ!!Sランクに匹敵するこの国に貢献していた冒険者チーム達だったのだぞ!!この事態を解っているのか!?」
「私にも何がなんだか分からないのです…。いきなりの事でしたので…」
「他国に渡られたら国が傾く事になるんだぞ!?それを知らないとは…!!この国にいればまだ良いのだが…冒険者達は拠点を他の領地に移しただけなら良いのだが…!?女性が少ない国で女性達もこぞっていなくなったのだぞ!!前公爵は何処に行った?」
「夫婦で旅に出るとだけ聞いてまして居場所は分かりません」
「屋敷に自分で赴き居場所特定はしなかったのか?」
「……はい」
「ふぅー。頭が痛い…。そなたは公爵としてだけじゃなく騎士団長としても相応しくないな…。騎士団長の任を解任する事にした。騎士団長は副団長のミッターク侯が相応しいんじゃないかと話をしたがミッターク侯から推薦を貰ってな…。騎士団長はアイオネ・サフィスを任命する事になった。第一騎士団はアイオネなら命を預けられるとの事だ。剣も強い、魔法も強い、ガイドロスを慕ってガイドロスの様になりたいと…。散々若い頃にガイドロスに教わったそうだ。先人を切れる、仲間を護る、国に対する忠誠心も持つ民思い、ミッターク侯が推薦するのも納得だな」
「待って下さい!いきなりどうしてですか!?」
「そなたは全く分かっておらんな。第一騎士団は国になければならない騎士団だ。勿論、他の騎士団もだが…。団長となれば国の為、民の為、命を賭して先人を切らねばならんのだ。皆、第一騎士団はガイドロス前公爵に忠誠を誓っていてな。お主は息子だからとガイドロスの様な人物である事が望まれていたんだ。だがしかし、妹のエノーラが亡くなった時ガイドロスの様に魔獣と戦い必死にエノーラを探す事はなくただ騎士団を率いてただけで魔獣とも戦わない、エノーラを探すのも必死ではない。ただ騎士団を率いてただ王都に戻って来ただけ。他者に戦わせ自分は戦わない。それを全騎士団に見られていた事は知ってるか?今迄、不満が出なかったのはガイドロスのおかげだ。領すらまともに治められないのだから仕方がないよな?そなたの事は王妃にも聞いている。それだけで判断するのはと思い調査をさせて貰ったが何故いきなり税を跳ね上げた??オーキッド領は税を跳ね上げなくても暮らしていける豊かな土地の筈なんだが?」
「…それは…子供が産まれるのです!だから…」
「それはめでたいな。しかし、税を跳ね上げる理由にはならん。領民の事をきちんと考える事はしなかったのか?領民を疎かにしすぎだな…」
「……それは…」
「ふぅー。公爵を傾ける理由にはいかないので人員は送ろう。ただし、税を他の領地より安くする事。でなければオーキッド領に行きたい人間等いないだろうからな。ギルドや教会は王族の力が効かないから自ら赴き頭を下げ新たな人材を派遣してくれる様に頼むんだな。それから即時ガイドロスの場所を特定し相談するのだ。ガイドロスが戻れば民達も戻って来るかも知れないからな。ガイドロスは人望があるからな」
「かしこまりました…」
王の間を出てイーモンは考えていた。父が人望あっただと?ただの筋肉馬鹿ではないか!父と同じ様にしていたら領地は広がらないし、オーキッド公爵が豊かにならない。
民達が逃げ出したせいで私の計画が…。
せっかく父から奪った騎士団長の座も…。
必ず逃げ出した民達を探し出す。足取りを追えば何処に行ったか分かる筈だからな。
ギルドや教会は仕方ないから頭を下げ新たな人材を用意してくれる様に頼もう。この私が頭を下げるのだから。
公爵交換にならなかった事は良しとしよう。税は一旦安くして頃合いを見てから民達が逃げぬ様にしてから一気に跳ね上げよう。税が安いとなれば噂を呼び他領から此方の領に来る人間も多い筈だからな。そうすれば領地は豊かになる。
騎士団の仕事が無くなったのだ。領地にかかりきりになれる。領地を周り良い領主だと印象付けよう。そうすれば民達の顔も覚えられるしな。きちんと領民の情報を資料に纏めよう。
散々父と比べられたのだ。相談なんかするものか!旅に出たなら帰って来なくていい!!探す事は勿論しない。父がいたらまた比べられて惨めな思いをするだけだからな…。
公爵として父が優れているだと?私の方が優れている!必ずオーキッド領を豊かにしてオーキッド公爵を他の公爵より上にするのだ!私を馬鹿にして来た者達を見返してやる!!必ず!
先ずは妻が娘を産んだら野心は隠し必ず王族との婚約に漕ぎ着ける。それまでは人の良い振りでも何でもしよう。王と王妃に善人だと思われる様に振る舞う事にしよう。娘が産まれる迄子供を作ろう。何人いたって構わないからな。娘が産まれる事が重要だ。
私の娘だから美しく可愛らしいだろう…。それで王子の目にとまれば…。王妃様に娘が産まれたなら息子を…。必ず王族との繋がりを作る。必ずだ。




