表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャルロッテは華麗に笑う ~新興貴族令嬢と護衛騎士の冒険~  作者: 朧 李奏
4章 ワイバーン討伐編
44/44

EX02 報告書(ベアトリクス・フォン・クラム)

 グリムヴァルト山脈付近ワイバーン討伐任務に関わる報告書



【任務概要】

 任務内容:大陸公路に出没するワイバーンを騎士団で討伐するための先行派遣

 参加人員:ベアトリクス・フォン・クラム騎士隊長、アルブレヒト・フォン・プフェル(護衛騎士)

 協力者:シャルロッテ・フォン・ヴェルザー(ヴェルザー伯爵令嬢)、レオンハルト・フォン・ユーリヒ(ヴェルザー伯爵令嬢護衛騎士)、エリカ・シュミット(回復術師)


 任務結果:対象ワイバーン討伐に成功


【討伐を行った経緯】

 ワイバーン討伐のため先行派遣として、現場の調査を行った際、襲撃現場に遭遇。偶然居合わせたヴェルザー伯爵令嬢(冒険者プラティンランク)が討伐にあたるとのこと。大陸公路への影響と被害の大きさを考慮し共闘を提案。翌日討伐へ当たる。

 必要経費:牛30頭貸借料・牛1頭料金(ワイバーンをおびき出すために使用、1頭逃走したため、牛の賃借料と1頭の代金)


【討伐概要】

 おびき出されたワイバーンの翼を魔法で破壊する

 右翼をヴェルザー伯爵令嬢ゼピュロス使用し、破壊

 左翼をクラム騎士隊長テンペスト使用し、破壊

 地面に墜ちたワイバーンをユーリヒ卿・プフェル卿が攻撃

 攻撃中にプフェル卿、受傷し戦線離脱。

 ヴェルザー伯爵令嬢・クラム騎士隊長、攻撃に合流。

 攻撃途中でクラム騎士隊長フィジカルドライブの効果時間が切れたため援護に専念。

 ヴェルザー伯爵令嬢・ユーリヒ卿、ワイバーンの首を切断し討伐完了。


【結果】

  本来は騎士団本体派遣のための現地調査を行う予定だったが、冒険者ギルドの討伐が行われるということで共闘した。その結果討伐でき、大陸公路への悪影響・公路利用者の被害共に最小限で抑えることが出来た。

 以上


 帝国暦1218年 9月 28日 第二騎士団遊撃隊隊長 ベアトリクス・フォン・クラム

 ________________________________________



 報告書を書き終えて、私はペンを置く・・・・疲れた。

 事実を正確に記載し、本来は現地調査の予定が討伐に至った経緯を騎士団へ報告する。

 今回の任務は異例づくしで通常の任務よりはるかに疲労を伴った。


 ・・・シャルロッテ・フォン・ヴェルザーという存在が、私をいらだたせる。

 実力は、認めざるを得ない。

 魔法の威力、詠唱の短縮を含めた詠唱速度、更に途切れない《フィジカルドライブ》による継戦能力、剣技の冴え・・・どれをとっても超一流だ。

 帝立学園時代から、いつも実力で私の一歩先を行く存在・・・・・・彼女は強い。


 間違いなく、帝国でも最高クラスの実力者だが、それでも彼女のやり方は、認められない。

 貴族としてあるまじき態度、規則を軽視し、独断専行で協調性がない・・・だが、結果は出している。

 彼女は所属や立場に縛られていないからこそ、今回のようなスピード討伐をなしえたのだ。

 騎士団では討伐までおそらく30日から40日はかかっただろう・・・


 彼女とは別にもう一人、レオンハルト・フォン・ユーリヒ卿。

 第一騎士団で「前線の悪魔」と呼ばれていた男・・・その噂は、聞いていた。

 国境での防衛線で、半日以上にわたり最前線で戦い続ける姿が、まるで敵を刈り取る地獄の悪魔の様だということでついた異名らしい。

 そして、今回共闘して、分かった・・・噂は、事実だった。


 ワイバーン相手に1時間以上戦い続ける姿は驚異的だった。

 特にワイバーンのブレスを回避した時、私の眼には彼が消えた様にしか見えなかった。

 身体能力だけでなく、戦況の判断も的確で騎士としてこの上なく優秀だと思う。

 本人と話した感じでは、ごく普通の好青年で、どうも自分のことを、「多少戦える普通の騎士」と評価しているようだ。

 自分に付けられた異名も知らないようだ。

 私は近接戦闘において、彼ほど実力のある戦士を他に1人しか知らない・・・そのもう1人が彼の護衛対象というのは笑うしかない。


 今回はシャルロッテのやり方が功を奏したが、私は私のやり方で帝国に貢献していく。

 彼女のやり方は、どうしても受け入れられないし、自分のやり方を変えるつもりもない。

 できれば一緒に作戦行動を取るのは今回限りにしたいものだ・・・・



 だがおそらく、また会うことになるだろう・・・そんな予感がするのも事実だ。

 彼女は自由奔放に今後も、大きな事件があれば、必ず首を突っ込んでくる。

 そして、私も騎士団の遊撃隊隊長として、大きな事件に派遣される。

 そういうことだ・・・次に会うのは、いつになるだろうか?

 その時は、共闘するのか、それとも、対立するのか分からない。

 私は、帝国騎士として、正しいと信じることを続けていく。

 訓練を続け、実力を磨き、規則を守り、正しく行動する・・・それが、帝国騎士として、帝国貴族としての務めだ。

 私は、そう心に誓いながら、窓の外を見つめた。


拙い文章、読んでいただきありがとうございます。


多少なりとも楽しんでいただけたのなら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ