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Rd end (アールドエンド)  作者: 十画
第三章 魔の歴史
80/216

26 来たか。私の見せ場が。

 檻の中で奴らが寝静まるのを待つリヴィア達。しかし、奴らはお楽しみ中のようで、中々寝静まる様子がない。


「チッ……奴らいつまで楽しんでやがんだァ?」

「今は大人しくしましょ……。今騒ぎになると面倒だわ」


 ヴァルは舌打ちをして不機嫌そうにしている。まぁニコレットも内心穏やかではなかった。同じ女性として、奴らの行いには心底腹に据えかねていた。


 イライラとする中、再び大男が手下を連れてやってくる。


「ダァーーハッハッハ、どうだ気分は? お前らもアアなるんだぜ? 楽しみだろ?」


 大男の指さす方から、ボロボロの女の獣人がピクリともしない状態で引きずられて行くのが見える。連れてきた手下共も下衆(げす)な笑みを浮かべて立っていた。



 あまりにも酷い姿に目を伏せるリヴィア達。



「アンタ達……絶対に許さないわよっ!」


 リヴィアは涙を堪えながらも、大男を睨みつける。大男もその表情におどけるような顔で馬鹿にしてくる。


「絶対に許さないわよ? だって? ハッハァー、やってみろよ小娘がぁ。ダァーーハッハッハ」


 手下共もゲヘヒッヒッヒとキタねぇ笑いを披露する。唇を噛み締めるリヴィア。そして、余計な事を口走ってしまう。


「ダールを見つけてミロを助けたら、アンタ達なんてボコボコにしてやるんだからっ!」


 大男は急に笑うのを止める。そして、鋭い視線を向けてリヴィアに問いかける。


「おい、嬢ちゃん。今なんつった?」

「? ボコボコにしてやるって言ったのよっ!」

「ちげーよ、その前だ。ダールとミロと言ったか?」


 大男の眼光が鋭く光る。手下共もその雰囲気に気が付いたのか、いつの間にか笑うのを止め、(おび)え始める。凄む大男に(ひる)みつつもリヴィアは頷く。すると大男は大きくタメ息をついた後、「そうか……」と言ってリヴィア達を改めて眺める。


「そういう事か……お前が()()()()か」

「!?」


 名前を言われて驚くリヴィア。しかし、名前ぐらい誰かが呼んでいたのを聞いていた可能性だってあるし、そこまで驚く事ではないと後から気付くが。


「ニコレットにヴァル……貴様は分からんなぁ……そういや、レッドと呼んでいたか、あの黒いローブの野郎は」


 全員の名前を言われ驚くリヴィア達。緑の生体兵器だけは別の意味でヘコむ。しかし、大男の態度がダールとミロの名前を出しただけで明らかに変わったのが分かる。


「な、なんで名前を知っているのよっ!」

「知ってるさ……何でもな……っつーことはだ」


 ククク……と笑いを噛み殺すように大男は身体を震わせる。その表情は、まるで鬼のような怒りを纏い、目の瞳孔が開きっぱなしとなる。


 異様な雰囲気にリヴィア達は後退する。やがて大男は笑うのを止めてリヴィア達を見て言った。


()()()()のやろうは元気かぃ?」

「!? な、なんでその事をっ!」


 大男は「やはりか」と小声で呟き、檻から離れていく。手下共も急いで後を追っていく。やがて怒声が響き渡り数人の武装した手下達と共に、四足歩行の動物に乗って大男は外へと飛び出して行った。


 リヴィア達は何が何だか分からず混乱する。ニコレットやヴァルの名前を奴らの前で呼んだだろうか……? さらにジハードちゃんの名前を知る人物は数える程しかいない。


「に、ニコ姉! これはどういうこと!?」

「…………」


 ニコレットもあの大男の話を聞いて考えていたようだ。ヴァルも顎に手を当て考えている。すると、充電中のグリーンメイルが身体中に走るコバルトブルーの光を光らせて立ち上がる。


「チョウド良い。早速ココから出ましょうか」

「えっ、もう充電はいいのっ?」

「マダ本調子ではありませんが、コノ好機を逃す手はないでしょう」


 そう言って扉に近付いてガゴンっと壁から外す。()()()外れたことにグリーンメイルは「拍子抜けだな」っと言って出ていく。


「あ、ちょ、ちょっと!」

「仕方ないわね。ここに居ても分からないことだらけだわ。後を追いましょう」

「だァな、ったく、トラブルにトラブルの連続か……ついてねェ」


 そう言ってヴァルも外に出ていく。ニコレットは軽くリヴィアの肩を叩いてから外へと向かう。何か良からぬ事が起きている。そんな胸騒ぎを胸にリヴィアも後を追いかけるのだった。



「サテ、先ずは……」

「! て、テメェら! どうやって檻から出た!」


 早速敵に見つかる目立つグリーンメイル。オヤオヤといったように、敵に向き直る。リヴィア達も外に出てくるが、敵に見つかりアチャーといった表情だ。


 幸い武器などは取られていないので、直ぐに応戦する準備をする。檻から奴隷が出てきたぞぉ!と叫ぶ三下の手下をグリーンメイルがうるさいっとばかりにはたき倒す。


 ボカァン


 近くのカマクラに激突し、グペェと伸びる三下。


「ちょ、ちょっともっと静かに……」

「敵だぁ! 敵が現れたぞぉ!」

「なんだこりやぁ! 糞がぁぁ! ぶち殺してやるっ!」


 言わんこっちゃないとばかりにリヴィア達は垂れる頭を手で押さえる。今の衝撃で近くのカマクラに駐屯していたであろう獣人達がワラワラと出てくる。


 あっという間に武装した獣人達に囲まれるリヴィア達。わたわたと焦るリヴィアだが、グリーンメイルはその囲まれる中心で堂々とした佇まいで周りを見渡している。


 殺気立ち、今にも襲いかかってきそうな獣人達相手にグリーンメイルは言葉を発する。


「オマエ達に慈悲はない。か弱き者をいたぶり、食い潰してきたオマエ達を私は許さないっ!」


 そのセリフと共に変なポーズを取る。リヴィア達は目を点にしてその情けないポーズを見つめる。


「行くぞっ! 三下共がァァァア!」

「! ぐ、グハァァ!」


 高速で走り、目の前の獣人を殴って吹き飛ばす。さらにその両隣で何が起きたか分からずに動転する獣人をハイキックと裏回し蹴りで吹き飛ばす。


「ぐぁぁ!」

「ギャァァ!」


 一気に三人の獣人が倒される。残心を解いてグリーンメイルが片手を前にスっと出して、チョイチョイっと手のひらを上にして掛かってこいと合図をする。


「す、すごい……けどかっこ悪い」


 感嘆するリヴィアだが、何故か締まらないポーズに半目となる。仲間がやられ、激昂する獣人達。なりふり構っていられないとばかりに()()()を出す。


「舐めやがってェェエ! 『原獣化』ァァ!」

「うおおっ!」

「がァァあ!」


「な、なにっ! 何が起きるのっ!」

「こ、これはっ……」


 一斉に獣人達が叫び出す。リヴィアとニコレットが目を大きくさせる中、身体の筋肉が隆起し、獰猛な野獣へと姿を変える獣人達。


 ある者は牙や角、ある者は爪が鋭く、長くより凶悪な姿へと変貌する。


「こ、こりャ……まるでダールの時みてェじゃねェか……」


 ヴァルは目を見開いて目の前の光景を見ている。凶暴化したダールとまでは行かないが、その変貌ぶりは明らかにおかしかった。


 しかし、グリーンメイルはフンっと体勢を深く構えて近くの獣人へと肉薄し、ワンツーの強力なパンチを浴びせる。その衝撃でズザザザザっと後方へ大きく後退する獣人だが、踏ん張り、グリーンメイルへと飛び掛る。


 グリーンメイルはデキルじゃなイカ……と余裕そうな口振りと共にヒラリと躱して、背後に回って獣人の胴体をガッチリと両腕で抱える。暴れる獣人だが、グリーンメイルはそのまま後方へと持ち上げるようにしてブリッジの形で、獣人の頭を地面へと激突させる。


 地面に突き刺さった獣人はビクンビクンと身体を痙攣(けいれん)させて動かなくなる。


 グリーンメイルは「フンっ、これが必殺グレイトフル・ガイア……」と何か言っているようだが、次の獣人が長い爪でグリーンメイルへと斬りかかっていた。


 すぐさま振り返り、鋭い爪を躱してその伸び切った腕を両手で掴むと、肩と背中を使って獣人の身体を持ち上げて、獣人の勢いを利用して投げ飛ばす。


 ボガァン、ボガァン、ボガァン、ガラガラ……


 投げ飛ばされた獣人はカマクラを貫通し、もう一軒のカマクラの壁を破壊した所で止まる。こちらももう動くことは出来ないようだ。


 グリーンメイルはポーズを決めて「ミタカっ! これが必殺デンジャラス……」と言いきる前にリヴィアから「危なーーいっ!」と声が響き渡る。


 ハッとしたグリーンメイルにあの白く太い糸が投げつけられ、片足と反対の腕を絡め取られる。「クッ!」という声の後、グリーンメイルは身体を回転させる。


「ハァアァア!」

「「!!!!」」


 両側から糸を投げつけた獣人は、糸を離すまいとしがみつくが、グリーンメイルの回転の勢いに、身体が宙を舞う。糸の付いていない足を軸にしてコマのように回転するグリーンメイルは、その勢いを最大限に加速させて壁へと二人の獣人を叩きつける。


「「「グアアアアアアアア」」」


 ボゴボゴォォン


 今の大回転攻撃は周りの獣人達をも巻き込み、辺り一帯が大掃除される。リヴィア達は咄嗟にしゃがんで避けることが出来たが、一歩間違えれば巻き添えを食らう所であった。


 辺りが静かになった事でグリーンメイルは腕と足の糸を指から出る小さなバーナーのようなもので焼き切った後、ポーズを決めて叫ぶ。


「コレガ必殺! ウルトラ・ジャッジ……」

「危ないじゃないのよっ! このポンコツロボットっ!」

「ア、アダッ!」


 リヴィアに瓦礫を投げつけられて、頭にクリーンヒットするグリーンメッドであった。



最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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