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Rd end (アールドエンド)  作者: 十画
第三章 魔の歴史
71/216

17 断固、要求しますっ!

 リヴィア達が駆けつけた時、ダールやヴァル達の姿はなかった。


「アイツらこんな時にどこへ行ったのよっ!」


 リヴィアが声を荒らげるが、目の前の悲惨な状況に手も足も出ない。


「こんな時、魔法が使えたら……」


 ニコレットが辛い表情で炎を見つめる。リヴィアの初級魔法程度では、この規模の炎は消せない。


「ううう……」


 ミロも涙を流して俯く。


 するとーーーー


 グオオオオオッ


「! レッド!」


 大きな咆哮を上げ、レッドが村の上に滞空する。そして、翼を大きく広げる。


「……な、何を」

「これは……みんなっ! 木にしがみつくのよっ!」


 ミロが呆然と呟く中、ニコレットが叫ぶ。リヴィアもミロもニコレットに従って近くの木にしがみついた。するといきなり突風が吹き荒れる。


 ブオォォン、ブォォォォォン


「「きゃぁぁぁぁぁあ!」」

「しっかりーーーー、離さないでっーーーー!」


 足が宙に浮かび、身体ごと突風に流されそうになる。その突風はレッドの大きな翼により巻き起こされたものであった。


「くうううう、どうなってるのよーーー!」

「きゃぁぁぁ」


 リヴィアが叫ぶが風はまだ収まらない。ビュンビュンと風が駆け抜けていく。


「こ、これは……」


 ニコレットは飛ばされそうになりながらも、この突風が起こす奇跡を目にしていた。


「! アレはっ!」

「!!!」


 リヴィアもミロも目にする。炎が突風によって消えていくのだ。燃え移る事すら許さない強力な突風は、燃え盛る炎を次々と消し去っていく。


 黒く焼け焦げた後だけが残された時、レッドは翼を止め、突風を巻き起こすのを止めた。


 リヴィア達も解放され、滞空するレッドを見上げながら様子を窺っていた。


 するとーーーー


「…………ーーーーぁ”ぁ”あ”あ”あ”あ”」


 ヒュゥゥゥウウウ……ドオオオオン


 叫び声と共に、地面に落下するものがあった。


 驚くリヴィア達。


 地面に深くめり込んでいるため、近付かないと何が落ちてきたのか確認出来ないでいると。


「お”あ”あ”っ!」


 ガバりと地面から起き上がる。ビクッと後退するリヴィア達。

 しかし、その姿はどこかで見たことが……あっ! とリヴィアとニコレットが声を上げる。


「「変な人っ」」

「人違いデスっ!」


 首をグルンと回して即座に突っ込む緑の落下物。ミロは見たことも無い物が目の前で喋っている事に驚き、口をパクパクさせていた。


「いゃあ〜、忘れてたよっ! 生きてて良かった!」

「忘れられてて残念デスよっ!」


 リヴィアはあっちゃ〜めんごめんごっ、という表情で謝るが、バイザーを真っ赤にして怒りを表す緑の落下物。


「えっと、あの……」

「あ、ごめんねっ、コイツも私らの仲間なのっ! えっと名前は……」


 バサッバサッ……


 レッドがリヴィア達の近くへと着陸してくるようだった。身構えるリヴィア達だったが、遠くから声が聞こえる。


「お姉ちゃ〜〜ん、お姉ちゃ〜〜〜ん!」

「! えっ、ウソっ! キアラっ? キアラなの!?」


 レッドの鼻先におーいっ! と手を振るキアラが見えた。状況が掴めず固まるミロだが、目の前にレッドが降りてくるので緊張している。


「お姉ちゃん!」


 レッドがゆっくりと着地し、身体を倒して顔を地面に寄せる。キアラはぴょんと飛び降りて、リヴィアとニコレットに走り出す。


「キアラーーっ」

「キアラちゃんっ!」


 リヴィアもニコレットも涙を浮かべてキアラを抱きしめる。抱き合う三人を見て、ミロが仲間と会えて良かったと心から思う反面、すぐそばにいるレッドが気になって仕方がなかった。


「キアラ、無事で良かった!」

「うんっ! ジハードちゃんにね、一緒に探してもらってたんだよ?」

「「ジハード……ちゃん?」」


 目が点になるリヴィアとニコレット。


 ガルルッ(えっへん)


 ビックゥゥ! とするリヴィア、ニコレット、ミロの三人。


「そうっ! ジハードちゃん!」


 キアラはとても素敵で可愛らしい笑顔で紹介する。ジハードも身体を持ち上げ、腰に手を当てて胸を張っていた。冷や汗が止まらないリヴィア達三人であった。


「えっと、じゃあ私達を探してたら、この村が燃えてるのを発見して、助けてくれたって事?」

「うんっ!」


 ガルルッ(えっへん)


 ジハードの反応にまだ慣れない三人は汗が止まらない。


「それで、村の様子を確かめるためにコレを落としたと?」

「うんっ!」

「コレとはなんですかっ! 大体ですね、私に対する扱いが皆さんおかしいのですよっ! 待遇の改善を要求しますっ!」


 待遇に納得いかない緑の不遇紳士。


「助けて……くれたの?」


 ミロがやや離れた場所から、ジハードに問いかける。


 ガルル(まぁな)


「ジハードちゃんはね、優しいんだよ? だから、怖がることなんてぜーんぜんないんだから〜」


 キアラがそう言いながら、ジハードの鼻先に抱きついている。ジハードも喜んでいるようで、目を瞑ってキアラとじゃれている。


「アハハ……本当に、本当なんだ……」

「! ミロっ!」


 急に力が抜けたようにその場へ座り込むミロ。


「ご、ごめんね。安心したら腰が抜けちゃって……」

「ううん、いいのよ」

「でも、せっかく助けてくれたのに村は……」


 そう言って悲しい表情で村に目をやるミロ。真っ黒に焦げてしまっており、中の住人達はもう……と諦めていたその時。


 きゅ?


「「!」」


 入り口から一匹のアライグマさんが顔を出す。つぶらな瞳でじーーーーっと見つめあった後、トテトテと出てくる。


 きゅきゅ!


「迅速アライグマさんっ!」

「無事だったのっ!?」


 一匹の迅速アライグマさんが後ろ足で立ち上がり、短く小さな手を高く伸ばす。それは無事の意味を身体で精一杯伝えていたのだった。


 しかし、迅速アライグマさんは、横目でジハードと目が合い。


 きゅう〜


 バタり


 迅速に倒れたのであった。



最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

そんなにシリアスにならなかったw

じ、次回シリアスモード!


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✧‧˚\\\\‎٩(*´▽`*)۶////✧‧˚

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