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Rd end (アールドエンド)  作者: 十画
第二章 旅立ち
32/216

10 ガンダーラ

※一部コアな話がありますので、苦手な方はご注意です

 ヴァルとの話が終わり、ケイ氏の元に戻った二人。早速馬車に乗せてもらえる人を見つけたと報告する。


「よかーったね、それでー、いくらかー言ってーた?」

「「?」」

「お金ーかからーない?」

「そうね、何も言ってなかったね」

「はい、ついでに乗せてくと仰ってましたが……」


 そう言えば契約がどうとか言ってたなぁと思いつつも、お金の話はしていないことを二人は説明する。ケイ氏は馬車に二人を乗せてお別れする予定なので、とりあえずヴァリという人物に会いにいくことに。


「よぅ、準備は出来たかィ?」

「大丈夫よ、でも大事な事聞くの忘れてて……」


 馬車の所で出発の準備をしていたヴァルに、リヴィアが申し訳なさそうに話す。


「んん? 大事な事?」

「いーくらで、乗せてくーの?」

「あぁ、金の事か。それなら気にしなくていい。俺の用事のついでだかんな」


 顎に手を当てて何を言うのか考えていたヴァルだが、ケイ氏の言葉に笑い飛ばすように笑顔で答えたヴァリ。


「んー、そーれはー、たすかーる」

「アンタが引率の人かィ?」

「そんーな、とこーろ」

「そうかぃ、俺ァヴァル。アンタは?」


 握手を求めるヴァル。その手を握りながらケイ氏も答える。


「ケイだーよ、でも一緒、いかなーい」

「ほぉ、んじゃこっからは俺との三人旅ってこったな」


 ニヤニヤと笑顔でリヴィアとラリィに指で作った鉄砲を向ける。何となく、こんな所もジオラルっぽいなぁと二人はあはははっと乾いた笑いをする。


 馬車は木製で、屋根のように白い布が覆っている。引く馬は一頭で、ヴァルは馬に乗って行くようだ。ウキウキで馬車に乗り込むリヴィア達。


「さぁ、乗ったかよ? お二人さん」

「「はーい!」」


 ハットを手で押さえながら、振り向くヴァル。相変わらずニヤっとした顔つきだが、目にはやる気がない。元気良く返事する二人の顔は輝いていた。


「そんじゃいっちょ行ってみっか!」


 そう言うと、馬のお腹辺りを足で軽く小突いて合図をする。すると馬がヒヒーンと軽く鳴いて、パカッパカッと馬車を引き始める。

 馬車の二人は引かれる馬車におおおっと唸っていた。


「いってーらーしゃい!」

「ケイさーん、ありがとーう!」

「ギャバンさんにー、よろしくお伝え下さーい!」


 お互い笑顔で手を振ってお別れをしたのだった。ケイ氏は馬車が見えなくなるまで手を振り、やがて見えなくなったのでその場を離れようとした。その時。


「た、大変だー!馬と馬車を盗まれたー!」

「んんー?」



 _______________________



 パカッパカッパカッパカッ


 馬の蹄の音が心地よい、ゴトゴトと馬車が揺れ動く中、ラリィは男を見せていた。



 知っているだろうか、膝枕というパワーワードを。その名の如く、頭を乗せる枕を膝で代用するというものだ。しかし、膝と言えば関節だし、骨は硬いしで枕には到底向かない。


 そこで考えられたのが太ももである。太ももは人間の身体を支える大事な筋肉であり、腕の力の約三倍と言われている。


 それ程の筋肉を有する太ももは、勿論一般人であればある程度の脂肪に包まれ、膝では実現出来ない程よい弾力と感触というガンダーラがあった。


 しかし、ガンダーラにだって拒否権はある。貴方が沙悟浄のような頭でなければ、ガンダーラが拒むことはまずないだろう。猪八戒のような鼻でなければ三蔵法師も、ガンダーラに居る事を拒むことはないはずだ。つまり、孫悟空になれることが出来れば良いのだ。


 ここまではあくまでも膝枕のエチケットような物だ。真に学ぶべきは、ガンダーラに招かれた時の対応だろう。大体の場合、ガンダーラに頭を乗せると頭の向きに困るのではないだろうか?


 一、膝側に向ける

 二、お腹側に向ける

 三、上を見上げる

 四、ガンダーラにこんにちわ


 The正統派は一を選ぶのではないだろうか? 目の置き場に困ることは無く、首が疲れにくいのも人気の一つではないだろうか。


 では、二はどうだろう?確かに目の置き場にも、首の負担も少ないので一と同じようではあるが、あまりオススメはしない。もし活用するなら耳掻きの時だろう。あとは……玄人のみぞ知るといったものだ。


 三はまさに至高のポジションだが、度胸を試されると言っても過言ではない。何故なら目の位置が太もも、自身の顔の大きさによって、ブースターされた状態で相手の顔と、合法的に見ることが出来る下〇があるからだ。相手の目を見ているようで視界に入る〇乳を貴方はどうするだろうか。


 四は一般人にはオススメしないのでネタでやる程度におさめよう。ガチでやるならある程度の失う覚悟かお金を握り締めるのをオススメする。


 さて、ここまで熱くパワーワードにスポットを当ててみたが、ラリィがどういう男になったのかを覗いてみよう。




「り、リヴィア。でも……本当に良いのかい?」

「う、うん。それより早……く」


「わ、分かった。それじゃあ、……いくよ」

「……あぅっ!」


「ご、ごめん! 痛かった?」

「ううん、大丈夫。そのまま続けて……お願い」


「分かった。」

「うう……気持ちいい」


「そ、そうかな……」

「うん……」



「……リヴィア」

「うっ……」



「リヴィア!? まさか!」

「うっ……ううっ……」

「リヴィアァァァァア!」





「おろろろろろろろろろろっ」

「ぎぃやぁぁぁぁあ!」

「おいおい、あんま汚すなよなァ」




 馬車の外は虹色に輝く吐瀉物が生成される。生産工場のリヴィアは完全に発注オーバーで、ラインが故障気味であった。ラリィは身体中が虹色に輝き、正座したまま、頬には熱いものが目から零れ落ちていた。呆れたようにヴァルは馬から野次を入れるが、二人ともそれどころではないようだ。


 途中仕方なく湖に寄って休憩をする。何を隠そう、三人が飛び出した滝の場所であった。


「う、うう、じ、地獄……」

「嬢ちゃん大丈夫かァ? ここまで来ればあと少しなんだがなァ」

「す、すみません。これが先程言っていた、乗り物酔いというものなんですか?」


 リヴィアは木陰で横になってダウンしている。ラリィは鎧や服、馬車を洗い流している。そしてヴァルは馬に餌や水をやっている。


「そういや、ボウズ! お前、剣の腕はなかなかなんだろ?」

「あ、そ、そうですね。」


 ヴァルが湖でしゃがんみながら洗っているラリィの肩に、組むようにしてしゃがむ。ヤンキー座りと言えば分かりやすいだろうか。


「なァ、あの嬢ちゃんの事、好きなんだろ?」

「えっ、ええっ!」


 突然耳元で小さな声で喋るヴァルに、図星を言われつい声を上げるラリィ。


「うう……うるさいわよ……ラリィの……くせに……うう……」


 リヴィアが怒るが苦しげで覇気がない。

 ラリィは咄嗟に自分の口を両手で塞ぎ、リヴィアに視線を送り、大丈夫か確認する。


「んで、どうなんだァ? んん?」


 ニタニタとヴァルがラリィの肩をグイッと引き寄せる。こんな所までジオラルに似てなくてもと、ラリィは独り言ちる。


「あ、あのぉ、確かにこ、好意はありますが、そのぉ」

「はっはーん、その様子じゃあ、まだって事かァ? シルトの街にいて何やってんだァ?」


 モジモジ答えるラリィに、ヴァルはグイグイとお構い無しに攻めてくる。傍から見たら仲の良い兄弟または、一部にぶっ刺さる光景だった。


 そんなこんなで、ラリィはリヴィアが復活するまで延々とヴァルの玩具にされるのだった。


 何とかリヴィアの体調も持ちこたえたまま、遂に三人はロンダーク王国へと到着する。遠くから見てもその大きさはシルトとは桁違いであった。高い城壁もまるでクラーゲン王国のようだった。


「ついに見えたなァ、あれがロンダーク王国だぜィ?」

「大っきいのね! さすが王国ってだけはあるわね!」

「楽しみですね!」



 ロンダーク王国は、上から見ると正六角形で、中央に城、更に中央から外側に向かって内・中・外の三段階で高級層〜一般層と分かれていて、時計で言うと

 0~4時が工業区画、4~8時が居住区画、8~12時が商業区画とかなり整備された王国であった。

 貧民層はいない訳では無いが、基本的にはそういう者達は王国外の街に住んで生産職に就いたり、出兵して国を支える人材として重宝されているのだ。

 その背景として、難民を大量に受け入れた事で取られた政策の一つで、国は斡旋をする機関を設けたことで上手く機能していた。



「さぁて、そろそろゲートが見えてきたぞ」

「あれが……」


 ゲートの前では商人らしき人達が数名並んでおり、門番に入国審査を受けられていた。


「そういえば、入国審査って何をするの?」

「んァ? んー、変なもん持ってなきゃ平気だァ」

「変な物……とは?」


 ラリィが何となく聞いてみた。


「あァ、何だ、そのォ……」

「「?」」


 急に歯切れの悪くなるヴァル。


「危ねぇもんとか、だな!」

「あ、俺の剣は!」

「あァ、そういうんじァねんだわ」

「「?」」


 余計に混乱する二人


「まぁお前さんらは平気だから安心しな」


 ハットを深めに被ってヴァルがこっちを見て笑う。そのハットで隠した目が笑っていなかったのを、二人は見抜くことが出来なかった。


 順番が回って来たようで馬車の裏側に門番が回ってくる。


「失礼します。積み荷と持ち物の検査にご協力下さい。」

「はい、どうぞ!」


 ラリィが門番を馬車へ招き入れる。


「失礼します。お二人でいらっしゃったのですか?」

「いえ、三人です! ーーあれっ?」


 馬に乗っていたはずのヴァルの姿がない。


「他には誰も居ないようですが……どちらからいらっしゃったのですか?」

「あ、はい、シルトという街から来ました」

「シルト……」


 少し考え込む門番。するともう一人の門番に声を掛け、何やら話し込む。


「「?」」


 二人は訳が分からず、ヴァルがどこに消えたのかも気になる。そして、外にいた門番が門の方へとかけて行く。


「ああ、失礼。それでは検査の続きを行います」

「はい」


 持ち物といっても剣や身につけている防具、装飾品くらいな物で、特にこれといったものはなかった。


「はい、大丈夫そうですね、それではお進み下さい。」


 そう言って門番は馬車から降りて、門へと馬を引いて誘導してくれる。


「フゥ、何だったんだろう?」

「さぁ……ヴァルさんも一体何処に…… ーーこれはっ!」


 門を潜った途端、複数の衛兵に囲まれる。


「動くな! 下手な抵抗はよせっ!」


 大人しく両手を上げ、二人は馬車を降りる。


「一体どういうことですか?」


 ラリィが両手を上げたまま、地面に両膝をつける。


「どうもこうもない。この馬車泥棒めっ!」

「泥棒っ!?」

「誤魔化しても無駄だっ!シルトからは盗難届けが出されている」

「そんなっ! 私達は何も知らないわっ! ーーーーあれはっ!」


 衛兵の言葉に耳を疑うリヴィアが、ふと屋根の上を走っていくヴァルを目撃する。目が合うとヴァルは軽く二本指を立てて、ウインクしながら「じゃあな」と言って建物の影に消えて行った。


 それを見た二人は気付いた。





((た、たばかられたーーーっ!))



最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

ラリィは変態ではないと長い前置きをしましたが、

結果、作者が変態であることが証明された気がします……っく。


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✧‧˚\\\\‎٩(*´▽`*)۶////✧‧˚

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