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Rd end (アールドエンド)  作者: 十画
第二章 旅立ち
23/216

1 夢

新章スタートです


(ここは……どこ?)


 意識が浮上して行くのを感じる。


(私は……あぁそうか。死んじゃったか……)


 身体は何も感じない。動かす感覚もない。


(バカみたい……世界を救うだなんて……死んだら意味……ないじゃない)


 自分自身に呆れる。タメ息をつきたい程に。


(ごめんね。父上。……ラリィ)


 謝るが死んだら同じ場所でばったり会えたりしないかなぁなんて考える。

 そんなバカな事を考えてると遠くで呼ぶ声が聞こえる。


「ーーーーちーーん」


(? だれ?)


「ーーーーちゃーん」


(? どこ?)


「おーーぇちゃん」


(? 私?)


 段々と近付いてくる声。それと同時に意識がハッキリとする。


「おねぇちゃん!!」

「! ーーっだ! 誰!?」


 ガバッと起き上がるリヴィア。


「あ、あれ? 私生きて……ってここ何処!?」


 生きていた事にビックリするリヴィア。しかし周りは真っ白な空間で何も無い。暑くも寒くもない。

 自分の身体がある事を確認し、状況を把握しようとしたその時、すぐ横に立っていた人物に気が付く。


「あ、あなたは?」

「やっと起きたなの、おねぇちゃん」


 そこに立っていたのは白いワンピース姿の少女であった。髪はリヴィアと同じで白いがピンクよりも赤に近い色で毛先が輝いている。ショートヘアーにクルクルっと所々に寝癖のようなカールかある。目はクリクリしていて、真っ赤な瞳をしている。

 身長は上半身だけ起こしているリヴィアよりもやや視線が高い位置といった所だろう。


「えっと……」

「んんー?」


 何から聞いていいか分からず戸惑うリヴィア。しかし少女は無邪気な笑顔でこちらを見ている。


「わ、私はリヴィア。リヴィア・レーベンよ。あなたは?」

「わぁ! リヴィアお姉ちゃん! リヴ姉なのっ!」


 名前を教えてくれたのがそんなに嬉しいのか、両手を上げて飛び跳ねる。寝癖のようなものがみょんみょんしていて可愛らしい。

 リヴィアはその姿に妹がいたらこんな気持ちなのかなっと微笑ましく見ていた。すると少女は思い出したように立ち止まる。


「そうだそうだ! あたちね! ルゥっていうの! よろしくなの!」

「ルゥちゃん? 可愛い名前ね!」

「わぁ! 可愛いって褒めてくれたぁ! やったー!」


 ルゥと名乗る少女は飛んで行ってしまいそうな勢いで、リヴィアの周りをクルクルピョンピョンと走り回る。

 あまりにも嬉しそうに走るルゥに、心が癒されるリヴィア。しかし、まだ聞かなければならない事があると思い、無邪気にはしゃぐルゥに尋ねる。


「ねぇ、ルゥちゃん。ここって何処なの? なんだかとても不思議な場所なのだけれど……」


 先程から分かっていたが、いくら遠くを見ても何一つない。そもそも地平線すら見えない。天井も壁もすぐそこにあるのか、そもそもないのかすら分からない。


「んー? ここは夢の中なの?」

「えっ?」


 ルゥは立ち止まり、人差し指を咥えながら答える。混乱するリヴィアを置いて続けて答える。


「えっとねー、あたちはずうっとここに居て、おねぇちゃんを待ってたなの」

「私を……待ってた?」

「うん! やっと会えた! あたちすっごく嬉しい!」


 そう言うとまた走り回るルゥ。リヴィアは整理する。夢、待ってた、謎の少女ルゥちゃん……分かるわけない。もうちょっと情報を引き出そうと声を掛けようとしたら、ルゥが急に思い出したぁぁあ!っというように戻ってくる。


「大変大変! あたちお姉ちゃんに伝えないといけないことがあったなの!」

「え? うん、なぁに? ルゥちゃん」


 子供の言う事だからという軽い気持ちで構えるリヴィアだが、すぐに後悔する事になる。


「もうすぐ大勢の人が()()よ」

「! ーーえっ?」

「沢山、たーっくさんの人。みんな死んじゃうよ。」


 小さな身体をいっぱいに動かす。小さな手を目いっぱい広げ、どれだけ多いのか表現する。しかし、さっきまでの無邪気な様子はない。寧ろその表情と瞳が少し怖いと感じた。


「ど、どういうこと? 何を言ってるの?」


 動揺するリヴィア。急に夢の中と言われ、次に言われたのが人が大勢……死ぬ? 全く脈絡のない話はさらに続く。


「仲間を見つけて! 頼りになる仲間! 世界を救うための仲間!」


 その小さな両手をグッと握り、ルゥは懇願する様にリヴィアへ訴えかける。


「なか、、、ま?」


 リヴィアの言葉にルゥは小さな頭を忙しなく動かして頷く。


「そうっ! そして世界を超えて、魔王を倒して!」

「ま、、、おう」


 必死なルゥ。でもリヴィアには何を言ってるか分からず混乱する。すると、どこか遠くから声が聞こえる気がする。驚きリヴィアは辺りを見渡す。


(なに? なんて言ってるの? だれ?)


「もう、()()だね。」


 少し寂しそうにルゥが告げる。


「な、なに? どういうこと? ルゥちゃん?」

「大丈夫! お姉ちゃんなら きっと……」


 ルゥの姿が少しずつ離れていく気がする。


「ま、待って! 一体どういうこと? 仲間って? 魔王を倒すってーー」

「お願い。世界を……ーーーーを救ってあげて」


 段々と遠くなるルゥ。逆に先程から聞こえる声が大きくなる。


「ルゥちゃん! 待って!」

「ーーーーーーあ、ーーーーりーーあ」


 立ち上がり追いかけるリヴィア。しかし、ルゥとの距離は縮まらない。

 そしてルゥの姿は消える。代わりに聞こえてくる声が明確に、はっきりと聞こえてくる。




「ーーヴィア、リヴィア!リヴィア!!」


(……ら……りぃ?)




最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

遂に新章が始まりました。ここまで読んでくれた方々、本当にありがとうございます。

よろしければ第一章までご感想など頂けると幸いです。

これからもぜひ読んでくださいね!


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