ルディとの食事会
ルディがうちに遊びにきてから2日後――。
俺は父上に呼び出されてルディたちダルク家と一緒に食事をしている。
理由はルディがまた俺に会いたいと珍しく自分の願いを口にしたこと、それとこの前のことで俺に感謝と労いを込めてとのことだ。
労いは実際のフレッドがポンコツだとティムさんは知っているようで、目の離せないフレッドに、フレッドにやたら噛み付くロッドの面倒を見ているところにまだ幼いルディまで見て苦労をかけたいうことらしい。
それで時間が取れないかと父上にティムさんが相談した結果、ルディたちが帰る前に実現したということだ。
父上も誘われていたようだが断ったらしい。俺は仕事で返してもらうとかなんとか言って。
そんな経緯で現在高級すぎないカジュアルなレストランでダルク家と一緒に食事をしている。
今日のルディはこの前と違って冷めきった表情はしておらず、年相応というのか明るい表情をしていた。
時折、俺の方を見てはすぐに目をそらすルディに、ルディの母は耐えきれなくなったようにクスクスと笑い出す。
「もうルディったら」
ルディの母は全くと言って俺に謝罪の言葉を口にする。
「ごめんなさいね、シャール君。この子、シャール君に会えて照れてるのよ」
「えっと、それは……」
そんな風になるような理由に心当たりもなく、疑問が浮かぶ。
また会いたいと思われるようなことすら疑問に思っているからこそ訳がわからない。
「経過はどうあれ、結果シャール君に助けてもらって、ルディにはヒーローのように見えたみたいだよ」
ティムさんの解説が入り、ルディのことが分かったがそれにしても大げさじゃないかと思うが。
それともこんなものなのか?
状況はかなり違うけど、ロッドが過剰に懐くようになったのも似たようなものか、ピンチだったときには変わりないよな。
「……そう、ですか」
ヒーローね、言葉に困るな。
「そうなの。クレヴァン家の家に行ってからずっとシャール様シャール様ってシャール君たちと一緒に遊んでいた時のことを教えてくれるのよ」
シャール様?
確かに侯爵家だからそう呼ばれるのはそうなんだが、それを鬱陶しいと嫌う我が家に対してそう呼ぶのはクソ真面目なやつか、公的な時だけだ。もしくは嫌がらせ目的か。
だから、そう呼ばれることは滅多にない。
「――母さま、父さま‼︎シャール様に教えないで下さい、恥ずかしいですから」
気まずそうにルディが言う。
みるみる顔が赤くなるルディにとって、それはトップシークレットだったようだが両親は微笑ましそうにしている。
「シャール様まで……」
初めて会った時よりよっぽど子供らしいといかなんというか。
俺も笑っていたことにショックを受けるルディは、さっきまでの緊張は何処へやらヤケにヤケになったように言葉を紡ぐ。
「と、とにかく、あの時のシャール様は格好良かったんですっ‼︎」
なんていうか照れるな。
だけど、これがルディなんだな。コロコロと表情が変わって他の誰よりも表情豊かだ。
真っ赤になったルディは恥ずかしさに呻きながら、俺たちに早く食べて帰りましょうと言って急かし始める。
最後に食べ終えたのはルディだったが。
それから半年ほど過ぎてルディが王都に引っ越してきて、よくうちに遊びにくるようになった。
初めこそ全力でからかっていた父上も使用人たちだったが、それに慣れきってしまったルディには効果なく今や普通の対応になっている。
シャールにルディが懐く経緯はこんな感じです。




