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不幸続きで転生5回目、今回こそ生き延びてやる  作者: ubn
第1章 転生編 [天界]
6/110

6・ようやっと転生!

『そこじゃ遠くて話しづらいでしょ』

 フレンドリー過ぎるなぁ、こいつ。

『んじゃ〜さっきまでのアクーリス様の説明の中で、私が気になったところを少し補足するわね』

『能力のところだけど、特に誕生して直ぐからの幼少期の方が注意が必要よ。その頃の方が周りとの能力の差が、出やすいわ』


 意外とまともな事言うな、こいつ。

 まるっきり駄女神って訳じゃあなさそうだ。


「その為に創造神様の制限って奴があるんじゃないのか」


『創造神様の制限も完璧って訳じゃないのよ。貴方の場合、生まれて直ぐにでも、歩いたり、喋ったり出来ると予想されてるわ』

『だから意図的に歩かない様にするとかの対策が必要になってくるのよ』


「なるほどね、わかったよ」

「まあ俺から見ても、産まれたばかりの赤ん坊が飛び跳ねてたら怖いしな」


『そういう事。記憶についても同じよ。3歳児で医学論文書いたりしないでよ』


「しねえよ!」


 知識は読み書きさえ覚えてしまえば、直ぐ活用出来ちまうからなぁ。やっぱり文化を正しく理解してからじゃないと。

 更に年齢との兼ね合いも必要になると。

 結構めんどいな。


『貴方って名前なんていうんだっけ?』


「ああ。滝下那須香だけど」


『それ、今すぐに忘れなさい』


「なんでさ」


『貴方は既に滝下那須香ではないの。今はまだ天界だけど、貴方のいた世界とは違う世界にいるのよ』


『アクーリス様が話しの中で一度も貴方の名前を呼んでいなかったのもそういう事』

『資料を読んでいたアクーリス様が、貴方の名前を知らない筈がないでしょ』


「それでずっと貴方、貴方って呼んでたのか!」


『名前って意外と厄介でね。意図して忘れようと努力しないと、ずっとついて回るわよ』


「わかった。努力するよ」


「こっちの世界の俺は、まだ生まれてもいない名無しさんで、新たな両親がつけてくれる名前に慣れる準備をしとけって事だな」


『わかってんじゃないの』


 アクラの細かい説明は続いたけど、後は要するにこっちの世界の常識に慣れろっていう事だった。

 こればっかりは生まれてから徐々に慣れていくしかなさそうだ。

そうして慣れるまでは余計な事はするなと。


「ところでさあ」


『何よ?』


「大っきなくくりでこっちの世界・あっちの世界って言ってるけど、これから住む事になる星自体の名前はなんて言うの?あっちでは地球って名前だったけど」


『同じよ。地球』


「へっ?」


『こっちでは惑星や天体っていう感覚はあんまりないのよ。名前もついてなかったもんだから創造神様が同じでいいかって地球って名付けちゃったの』


『実際、転生すれば分かると思うけど、地上界の人達も自分達の住んでる場所は国であり、大きなくくりで表す言葉は世界だと認識してるわ』

『地球って名前は地上界でも通用するけど、使ってる人は見ないわね』

『貴方も転生後に地球って名前を使う事はないと思うわよ』


「へ〜。そうなんだ」

「しかし名前って意外と適当につけてるんだな」


『そんなものなんじゃないの、名前なんて』

『私もまあ、どうでもいいしね。そんなの』


 小一時間ほどアクラと質問やら、雑談やら交わしているとアクーリスが戻ってきた。


 途端にアクラは初めのピシッとした姿に戻る。


『転生の準備が整いました。奥の転生室まで移動して下さい』


 いや〜。ようやっと転生かぁ。

 なんかちょっと緊張してきたな。



☆



 俺たちは奥の転生室とやらに移動した。

 転生室は最初に居た部屋よりもふた回り以上広い。多分10畳くらいの広さだろう。正方形の部屋である。


 一人と二柱で中に入るとドアというか壁が塞がった。

 最初の部屋と同じように何もない部屋だ。


 壁が塞がって少し経つと、四方の壁、更には床と天井にも魔方陣が一面に浮かび上がってきた。


『この魔方陣に私が神の魔力を流すと転生が開始されます』

『忘れ物はありませんか?転生準備室の方も確認しましたか?』


 転生準備室って最初の部屋かな。あの部屋には何もなかったぞ。

 元々俺、ここに来た時から手ぶらだし。

 大体が物って持って行けるのか?


「大丈夫です。お願いします」


『では床にある魔方陣の中央にお立ち下さい。アクラは私のする事を良く見ているように』


『はい!』


 う〜ん。ピシッとしてんなぁ、アクラ。


 アクーリスが魔力を流し始めると、俺の身体が徐々に薄くなっていく。


 そして俺の意識も遠くなっていく。

 視界も徐々に暗くなって…。


 なんかもう一度死んでくみたいだなぁ。


 そこで俺の意識は途絶えた。



☆



『あの方の転生、問題なく終了しました』


『ご苦労じゅった、女神アクーリスよ。してお前から見てあの者の印象は?』


『素直で真っ直ぐな方と見受けました。あの方なら大丈夫であると考えます』


『そうか。しかしながらあの者は、我々天界の想定を超える力を持つやも知れんのだ』

『これからも監視を怠らぬ様、努めよ』


『畏まりました。創造神ゼース様』


 そうじゃ、監視を怠ってはならぬ。もしあの者が我の力に迫る様な事でもあれば・・・。


 監視を強化する必要もあるな。対策は多いに越した事はない。


 退出するアクーリスを横目にしながら、ゼースは思案し続けている。


 あの者の処遇についてをより深く。


 ポイント評価とかって何処見ればいいんだろうか?

 おっさんには機械もスマホもようわからんけど、応援してね。

 まあ、ぼちぼちと覚えていきます。

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