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万能の杖を折る日まで、さよなら私たちの神様…  作者: 山田りく


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第一章:終わりのあとの、はじまり

魔王の城が崩れ落ち

世界に「平和」が満ちたとき

私たちは初めて気づいたのだ

あのおぞましき影の意味に。


指を鳴らせば火が灯り

呪文ひとつで傷が癒える

なんでも叶う魔法の世界

そこに残された、最後の謎。


魔王がいたから、私たちは手をつないだ。

魔王がいたから、正義は形を保っていた。

共通の恐怖という名の、歪な絆。


絶対の悪が消え去ったいま

魔法の杖は、誰に向けられる?

隣人の嫉妬か、あくなき富の奪い合いか。


すべてを解決する魔法のなかで

私たちは、本当の敵を失った。

魔王は、世界を滅ぼす破滅の王だったのか。

それとも、私たちが人間でいるための、

悲しい防壁だったのだろうか。

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